忍び寄る鳥インフルエンザ ベトナム北部でよりヒトに感染しやすいタイプに変異?@5/18
人間が免疫を持たない鳥インフルエンザ。従来は、鳥→ヒト間の感染しか報告されてないのだが、これがヒト→ヒト感染するようになると大流行、日本でも多数の死亡者が出る、と考えられている。
人への感染力が増大か ベトナム鳥インフルエンザベトナム北部で従来より人に感染しやすいH5N1型の高病原性鳥インフルエンザウイルスが出現している可能性が高いと、6、7日にフィリピンで開かれた世界保健機関(WHO)の専門家会合で報告されていたことが、18日分かった。
直ちに新型インフルエンザの世界的流行につながるわけではない。しかし、現在の監視体制では症状の軽い患者の見落としが増え、感染拡大を食い止められない恐れがあるとも指摘され、WHOは対応を検討している。
関係者によると、3月以降にベトナム北部で見つかったウイルスは致死率が15%程度で、これまでに検出されたウイルスの75%に比べて低い。
だが、流行地域では、これまであまり見られなかった集団感染事例が相次いで発生。感染した鶏との接触がなくても発症するなど、人から人への感染を疑わせる報告もあり、ウイルスが人に感染しやすくなっている恐れが強まったという。
この記事は
ヒト→ヒト感染するタイプのH5N1型高病原性鳥インフルエンザが出現した可能性
を伝える。まだ「疑い」の段階だが、これが
出現
になるのには、それほど時間が掛からないだろう。ウイルスの変異速度は速い。ヒト→ヒト感染するタイプの出現は、昨年から噂されているが、まだ確定していない。
昨年、厚生労働省は、鳥インフルエンザがヒトに感染するタイプに変異した場合の日本国内の死者数を
六万九千人から十六万七千人
と試算している。
SARSで中国進出企業が打撃を受け、現在、ベトナムなどに生産拠点を移す企業が増えているようだが、今の状況だと、鳥インフルエンザがヒトに感染するタイプに変異した場合、原発地はベトナムなど東南アジア周辺になる可能性が高いと思われる。基本的に鳥と他の動物やヒトが一緒に住んでいるような、日常的に濃厚に鳥とそれ以外の動物が接触する環境が、鳥固有の鳥インフルエンザを他の動物の疫病に変える。このような環境下では、鳥→他の動物・ヒトへの感染が繰り返し起こり、その経過でウイルスが変異、鳥だけでなく他の動物やヒトへの感染力を獲得すると考えられている。現在は、鳥→他の動物・ヒトの段階だが、この次が、他の動物・ヒト→他の動物・ヒトだ。
安い労働力に惹かれて、東南アジアに拠点を移すのはいいのだが、すべて移転してしまった場合、次のリスクを引き起こす可能性がある。
H5N1型が第二のスペイン風邪にならなければいいのだが。
想定される流行拡散のモデルには
東南アジアリゾートから全世界へ
というのもアリかなあ。飛行機に「ヒトからヒトに感染する鳥インフルエンザ」に罹った観光客が乗って、自国に帰り、そこからその国に流行を引き起こす。また、飛行機内で、他の乗客に感染を拡大するのもあるかも。SARS以降、飛行機の空調に気を遣っている航空会社もあるけれども、どの程度の効力があるのだろう。
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