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2005-05-25

JR宝塚線脱線事故 今日で一ヶ月

あの事故から一ヶ月が過ぎた。亡くなられた107名の方に合掌。

同じ車両に乗り合わせ、助かった人たちの中には、「なぜわたしは生き残ったのだろう」という思いに押しつぶされそうになっている方もある。

生存者苦しめるストレス サバイバーズ・ギルト2005/05/24

 百七人が犠牲になった尼崎JR脱線事故で、生き残った乗客が「どうして自分だけが助かったのか」「私のせいで人が亡くなったのでは」などと悩み苦しむケースが目立っている。車内で人が折り重なるなどし、「生と死」が隣り合わせになった今回の事故。「サバイバーズ・ギルト」(生存者の罪悪感)と呼ばれるストレス症状が、乗客に重くのしかかっている。
 サバイバーズ・ギルトは、自然災害や戦争などでの生存者が陥りやすいとされる。今回の事故は、「人の重みで亡くなった人も多い」(尼崎市消防局)といい、事故当日の現場では、「誰かがクッションになり、助かったのかもしれない」と泣きじゃくる乗客もいた。
 伊丹市の女性会社員(21)は、三両目中央に乗っていた。衝撃で飛ばされ、気付いたのは折り重なった人の中。自分の上には六、七人、下には十人ぐらいがいた。脱出後に三両目の車内を見ると、ぐったりした乗客の姿があった。「息苦しくて自分が体を少し動かしたために、下の人に圧力がかかり、その重みで亡くなったのかもしれない」
 この女性は右足などに軽傷を負ったが、「どうして私は軽傷なのかと思い、無意識のうちに太ももを叩(たた)いていることがある。打撲で済んで申し訳ない」と涙を流しながら話す。約一カ月が経過しても、事故を昨日のように感じ、「夢の中で人の悲鳴がし、圧迫感を感じて目が覚める」という。
 一両目にいた男性も、「生き残ったことへの罪の意識が消えない。自分が重傷になって、誰か一人でも助かるならそうなれば良かった」といい、一人になると自暴自棄になってしまうという。
 励ましは逆効果 国立精神・神経センター金吉晴部長の話 周囲が「亡くなった人の分まで」と無責任に励ますのは、追い詰めてしまう。そっと話に耳を傾けるなど、その人を包み込むような存在が欠かせない。罪悪感が生まれるのは「それぐらい大変な被害を受けた」ということ。自分自身をいたわることが大事。自分のペースで養生し、周囲がその人が抱える負荷を減らせば、多くの場合は自力で立ち直ることができる。


せっかく生き残ったのに、それが却ってストレスになってしまう。簡単に癒える心の傷ではない。
陳腐な表現だが、関西には
 日にち薬
という言葉がある。ゆっくり時間を掛ければ、やがて健康を恢復するだろう、という願いをこめた言葉だ。PTSDはまさにこの「日にち薬」が大事だ。あるいは、年単位の時間が掛かるかも知れないが、周囲は、どうか、生き残った人達を、追いつめないで欲しい。

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