NHK「プロジェクトX」5/10放映分はやらせ? 朝日放送「ムーブ!」で検証
「子どもに見せたい番組」ナンバーワンとかいうNHKのプロジェクトX。わたしには
サービス残業奨励の過労死協賛番組
にしか見えないのだが。この番組の今井彰EPはプロX関連の出版・講演などでウハウハという話だが、碌でもない。今井EPについての悪い噂については、今年2/4にNHKプロジェクトXの今井プロデューサーに国税がメス?で書いた。制作スタッフがいてこその番組なのだが、そこら辺には報いてないらしい。そもそも、今井EPが立ち上げた番組でもないしな。そのあたりはNHKプロジェクトXの今井プロデューサーに国税がメス? (その2)最初にプロジェクトXの提案をあげたのは今井EPではなかったで取り上げた。
さて、ただ今放映中の朝日放送「ムーブ!」では、5/10放映のプロX
第171回 5月10日放送「ファイト!町工場に捧げる日本一の歌」大阪府・守口の町工場街。この町に日本一の歌声と呼ばれる合唱部がある。大阪府立淀川工業高校合唱部。合唱の全国コンクールで10回の優勝を誇る名門校。そして、全国で唯一の工業高校にある合唱部である。昭和54年、淀川工業のある守口は不況のただ中にいた。淀川工業もその影響を受け、卒業生の求人が激減していた。生徒たちは、将来への不安からやる気を失っていた。授業をさぼりゲームセンターに入り浸り、バイクで暴走した。問題を起こす生徒が続出、年に80人もの退学者が出た。そこに一人の新人教師が飛び込んだ。国語教師・高嶋昌二、当時23歳。理想に燃えていた。しかし授業中、生徒たちはマンガを読んだり、弁当を食べたりと見向きもしなかった。高嶋は思った。「歌を通して、生徒たちを変えられないか」。高校、大学と合唱部に所属してきた高嶋。歌うことの楽しさ、上達することの喜びを知っていた。高嶋は勧誘を始め、強引に生徒たちを集めた。菓子を与えたり、餃子をごちそうしたりと、あの手この手で生徒たちにやる気を持たせた。3年後、淀川工業高校に合唱部が生まれた。そして、臨んだ関西合唱コンクール。しかし、周囲は眉をしかめた。「淀工のやつらに歌など歌えるのか」。会場がどよめくなか、淀川工業の合唱が始まった。
番組は、一人の教師の情熱が生徒たちを成長させ、合唱日本一獲得に至るまでの日々を描く。
に対する疑惑を取り上げている。そのせいか、すでにNHKのプロX公式サイトからは直接には、上記のファイルにアクセスできない。urlを直打ちすれば出てくるのがマヌケだけど。
プロジェクトX 公式サイト これまでの番組内容
http://www.nhk.or.jp/projectx/library/library.html
番組では、すでに吹奏楽で有名になっていた淀川工業高校が、合唱部を作るために指導者の先生を招いたことを無視、まるで
伏見工業高校ラグビー部の物語
のような作りにしている。はっきり言って、捏造。
NHKのPDには、淀川工の合唱部顧問の先生が、
事実と違う。やめて(削除して)な。
と再三言ったが、NHKの担当者は
大丈夫です。 もう編集は間に合わない。
と取り合わなかった、という。
さて、当の合唱部顧問に「ムーブ!」がインタビューをしている。
1. 合唱コンクールで、「淀工は怖いから」と警察が警備に来たのか
「そんな事実はない。冗談で話をしたら、それを本当のこととして扱われた」
2. 当時、淀工に暴走族はいたのか
「いなかった」
3. スタジオ出演したときに、事実と違うと何故指摘しなかったのか?
「一般的な映像として入れてあるので、大丈夫という説明を受けた。違う、と言ったが、もう編集できない、ということで、断り切れなくなった」
4. 放送を終えて思うことは?
「当時を知るヒトには、事実と違うと指摘された。OBなどの間には憤慨しているヒトもあり、お詫びしようと思っている」
5. NHKに対してはどう思うか?
「(担当のPDとは)気心の知れたつもりだった。視聴者や知らないヒトにもわかりやすいように、極端な表現があったかなあ。ちょっと残念です。あれが真実やな、と思われたら皆さんに迷惑を掛けることになる」
6. 合唱部を作る経緯については?
「(教科に)音楽がないので、それ以外の教科で合唱の指導を出来るヒト、ということで採用された。部活で活性化しよう、ということだった」
7. 孤立無援だった、と番組では
「合唱は難しいかも知れない、という声があったけれども、という話をしたら、PDが『孤立無援だった』と取ったようだ」
8. 今の気持ちは
「一緒にやってきたヒトがイヤな思いをしているので、引き裂かれる思いだ。見たヒトはイイ、と言ってくれるのだが」
勝谷誠彦の感想。
もう編集が間に合わない、というのはNHK側のウソ。暴走族の映像などは「資料映像」というテロップを入れることも出来る。企画として成立しないなら、その段階で止めるべき。
宮崎哲哉の感想。
普通は、取材相手が「これはヤバイ」と言ったら、制作側が「それはヤバイですね」と編集し直すのが当然。今回のNHKのやり方はまったく逆。小さなウソを重ねて、全くのウソを作っている。
学校側の対応@5/19
学校に担当者を呼び、以下の文書を渡す。
あらすじを書いたホームページの削除
再放送差し止め
事実と違う部分がなぜそのような放送になったのか書面で回答する
ムーブ!からは、以下のような質問をNHKにした。
退学者が80人(事実と違う数)とは?
コンクールに警察が来たのは事実か?
合唱部を作るきっかけは、番組で紹介されたとおりなのか?
すでに全国的に有名になっていた吹奏部の存在に触れなかった理由は?
顧問の先生が、事実と違うと削除を求めたが聞き入れなかった理由は?
NHK側のムーブ!への回答。
生徒と教師の心の交流を応援歌の思いをこめて描いた。
学校側から荒れていたことの表現、退学者の数などが事実が異なるとの指摘があった。
表現に一部行き過ぎがあったと認め、学校側と話し合う。
顧問から異議申し立てはなかった。
「プロジェクトX」番組サイトの件
学校に誠意を持って対応するため、現在削除している。
番組に対する問い合わせ は約270件で、大半は感動した、というもの。
卒業者からは批判が少数来ている。
これを聞いたスタジオの反応。
宮崎
視聴者を裏切った件については、全く釈明してない。これからどう対応するのか。
勝谷
受信料を払っている視聴者は愚弄されている。具体的な内容について、裏が取れることについて全く回答してない。顧問の先生の発言については「言った、言わない」で水掛け論になる中身だから、否定している。非常に巧みで卑劣な態度だ。
宮崎
顧問の先生が嘘をついた、というような処理の仕方はひどい
番組に寄せられたファックス。
1. 淀工の近所の高校に当時通っていた男性(41歳男性)
55-57年頃、淀工の悪い噂は一切耳にしたことがありません
2. 淀工の近所に通学していた人
51年頃は淀工のそばを通りました。吹奏楽の練習が聞こえました。荒れているという印象はありませんでした。
3. 54年当時、淀工の近所に住んでいたい人
吹奏楽で有名でした。パトカーが来たとか、生徒が荒れている印象はない。プロXの内容はヘンだと思う
4. 夫は54年3月の卒業生
番組を見て、ええ、本当?と何度か口にしました。当時の淀工は、工業高校であっても進学するのが難しく、定員割れはなく、荒れていた記憶もありません。
関西合唱連名の日下部会長(元朝日新聞記者)の話。
淀工の指導者は優れており、合唱不毛の学校をあそこまで押し上げた力があった。
生徒が先生についていくのに大変な努力をしたのは疑ってはいけない。
それがあるからこそ、事実を曲げて作られたのは大変残念だ。
ヒーローを作るのに悪役を作る、そうした形だが、悪役にならされた人から見ればひどい番組だ。
ドキュメンタリーではなく、やらせ、やらせ的な作りのものは最低だが、それをプロXをやった。
宮崎
淀工に対する、偏見を広めた。「成功物語」には障害が必要、という筋書きに従って、事実を当てはめていっただけ。
勝谷
プロXは、制作する前から、ストーリーが決まっている。水戸黄門のような定式に当てはめる現場が悪い。
淀工の合唱部の生徒達がかわいそうだ。いま一生懸命練習しているだろうに。
こうして間違ったストーリーが定着してしまうのではないか。
宮崎
すぐれた指導者である、というだけで物語として成立するのに、いろんな障害、ネガティブな要素を入れ込んだ。
プロXの標榜する「地上の星」を舐めている
まとめ
日常の努力の積み重ねが大事なのに、なぜわざわざ物語を「作る」のか。
ムーブ!は明日以降もこの「プロX やらせ疑惑」を取り上げるらしい。
プロXの視聴率は恐らく関西で10%を越える。
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