NHK「プロジェクトX」5/10放映分 NHK異例の早さで淀川工業高校に謝罪
5/10放映のプロX「捏造」問題だが、驚いたことに、NHKが異例の早さで謝罪した。淀川工業高校にも、口頭ではなく、文書で謝罪したという。画期的なことだ。原田総局長、やるじゃん。今日の放送総局長会見で明らかにした模様。(21:30現在、NHKのサイトには今日の会見内容がアップされてない)
これまで、何があっても謝らないということで、朝日新聞と双璧を成していたNHKだが、「脱・海老沢体制」に向けて、本格的に始動したと見ていいだろう。今回の措置には、恐らく会長の強い意志も与っていると思われる。技師長出身の会長が、杜撰な取材によって、工業高校の名誉を傷つけ、工業高校とその生徒・教職員への偏見を助長し、ないがしろにする放送内容を許すとは思えないからだ。
「プロジェクトX」問題でNHKが謝罪 高校に文書でも 2005年05月25日20時26分NHKの原田豊彦・放送総局長は25日の定例会見で5月10日に放送された「プロジェクトX ファイト! 町工場に捧(ささ)げる日本一の歌」で「一部事実誤認がある」と取材対象だった大阪府立淀川工業高校(大阪市旭区)から抗議を受けた問題について、「行き過ぎた表現があった」などと謝罪をした。同高に謝罪文を同日、届けた。
NHKが局内調査を元に明らかにした行き過ぎた表現や事実誤認は、主に4点あり、▽「けんかに暴走」というナレーションにつけた暴走族の資料映像は行き過ぎだった▽退学者について「毎年80人にのぼった」とのナレーションは、担当者の思いこみで、裏付けのない数字を使った▽「就職先は町工場。求人はなかった」とのナレーションは当時の生徒さんの不安な気持ちを表現しようと思い、過剰な表現をしてしまった。学校全体のイメージのようにしてしまった▽合唱コンクールに警官が来るというシーンについては、顧問の先生の証言を元につくったが、顧問の先生から「冗談のつもりで言ったのにお互いに思い違いでしたね」と放送後言われた。合唱連盟への事実関係の確認を怠った、と誤りを認めた。
NHKは、28日の総合テレビ「土曜スタジオパーク」で放送における「事実誤認」などについて説明、おわびをする予定。また、ホームページでも説明を載せるという。今後、番組の再放送やDVD化はしないというが、「プロジェクトXの番組自体は従来通り続けていく」としている。
「番組は、同好会から部になるまでの3年間の様々な苦労を描き、教育現場への応援歌にしたかった。淀川工業高校の関係者にはご迷惑をかけました。反省し、深くおわびをしたい」と原田総局長ら幹部は謝罪した。
◇
淀川工業高校によると、25日、NHKから「事実確認の不十分な点や制作者側の思いこみが強すぎた点があり、関係者にご迷惑をおかけした」などとする謝罪文が届いたという。
長谷川耕三校長は「誠意ある回答に納得している。一日も早くこのことは忘れ、合唱部をはじめとする生徒たちには、勉強や部活動にしっかり励んでほしい」と話した。同校は、謝罪文の一部と長谷川校長のコメントを同校ホームページに掲載し、OBらにも周知するという。
とりあえず、今回の措置は、良かった。何より、名誉を傷つけられた淀川工業高校に、早い時期に謝ったことは大きい。
原田総局長がどういう人物かは知らないが、今回に処理については、すべきことをしたと思う。今回の四月の役員人事については、海老沢体制後に、どれだけ海老沢色を除き、かつ協会内にこれまで溜まりに溜まった澱をどこまで刷新できるのかに注目が集まっていた。
「大して変わらないんじゃないの?」という揶揄もあったのだが、今日の判断を見ていると、かなり上層部は危機感を持っているのではないか、と感じられる。すくなくとも
これまでのNHKの対応とはひと味違う
という姿勢を示せたことは、視聴者に対しても、また協会内に巣くっている不正をはたらいた職員にも、効果があった。少なくとも、プロXの問題がこれ以上拡がることはない。頭を下げるならば、傷口の小さい内に下げるのが、最も効果がある。そのことをようやくNHKも学習した、ということだろう。
で、今後のプロXだが、今日の総局長会見では
すぐには打ち切りにしない
と発表しているが、実際は、「安楽死」処分になると思う。
現在取材・撮影・編集が進んでいる企画以外には、新しい企画に手をつけない
夏の特別編成で、番組休止期間ができるが、これまでに制作された分を特別編成の終わった後に順次流し、秋の適当な時期にストックがなくなった時点で最終回にする
という形になるのではないか。合間は、再放送を流すなどの処理で、終了時期を決めていくだろう。
プロX班解体、となると、今後はどうするのかなあ。
まず、後番組をあと三ヶ月で立ち上げなくてはならない。
旧プロX班のスタッフを、どこが受け入れるか。それとも、一部は「地方巡業」に出されることになるのか。管理職人事は六月なのでもう決まっているはずだが、一般職人事はこれからだ。一般職への異動内示は六月にはあるだろうけれども、プロX班解体なら、玉突き人事で、入れ替わりがあるだろう。
恐らく、プロX班の経理等も厳しく見直されるだろう。番組に関する不穏な噂がいくつもあるからだ。今井EPに国税の調査が入るかどうかは、運次第だが、番組打ち切りとなれば、国税も入りやすいだろう。いくらNHKのEPだからといって、代々木上原に簡単に豪邸が建てられるほどの収入はない。
今後の動向をじっくり見守りたい。
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