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2005-05-29

縄文中期の石皿で水銀朱精製 丹生川上神社上社境内地より出土

水銀朱といえば、古代日本では葬礼に欠かせない鉱物だ。棺や郭、石室には、朱が塗られていることがある。水銀朱の防腐作用が遺体の再生の助けとなる、という説明がなされている。日本では中央構造線沿いに水銀が産出する場所があり、奈良もその一つだ。
今はダム建設で水没してしまった丹生川上神社上社は、丹生すなわち「水銀朱のある場所」という地名を持つ。奈良時代から、雨乞いに馬を献上したことで知られる古い神社だ。境内地から水銀朱を精製したと思われる縄文中期の石皿が出土していたことが最近わかった。

縄文時代中期の石皿出土-国内最古の水銀朱精製

国内最古とみられる水銀朱を精製した石皿=26日、川上村迫の「森と水の源流館」
http://www.nara-shimbun.com/n_arc/050527/p050527.jpg

 川上村迫の「宮の平遺跡」で、水銀朱の精製に使った縄文時代中期の石皿が出土していたことが26日分かった。県立橿原考古学研究所がこのほどまとめた報告書で明らかにした。水銀朱としては国内最古の確認例。同遺跡の発掘を担当した橿原考古学研究所の橋本裕行さんは「古代の朱は酸化鉄から精製したものが主流で、何のために水銀朱を精製していたのか今の段階では分からない」と話している。

 宮の平遺跡では平成12年、縄文時代早期(約9000年前から8000年前)の竪穴住居跡がまとまって見つかったほか、自然石を半円形に並べた縄文時代中期末から後期初頭ごろ(約4000年前)の環状列石(ストーンサークル)も見つかっている。同所は現在、大滝ダムの底に沈んでいる丹生川上神社上社の旧境内。

(2005.5.27 奈良新聞)


今から4000年ほど前の日本人が、何を考えて石皿で水銀朱を精製してたのか、その理由はまだわからない。しかし、朱と日本人の関わりが、思ったより古くから存在したことを、この発見は示している。

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