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2005-06-27

高松塚古墳石室解体 毎日、「出来レース」と批判@6/25

他の媒体が奥歯にものの挟まったようないい方なのに対し、毎日新聞は
 これは文化庁が仕組んだ出来レース
と、断罪している。ま、その通りだろう。

検証・高松塚解体:/中 検討会 偏る人選「出来レース」

高松塚古墳壁画の第3回恒久保存対策検討会。議論は参加者も驚くほど低調だった=東京都内で5月11日、尾籠章裕写す
http://www.mainichi-msn.co.jp/kansai/archive/news/2005/06/images/20050625org00m040015000p_size5.jpg

 「石室を解体するしか、壁画を守る方法はないと思う。緊急を要している。一刻も早く、具体的にスタートすることを考えるべきではないか」
 5月11日に東京都内で開かれた高松塚古墳壁画の第3回恒久保存対策検討会。よく通る声で意見を述べたのは、昨秋、文化庁美術学芸課主任文化財調査官から慶応大教授に転じた林温委員(日本美術史)だ。発言は、長年「壁画を観察してきた」立場からのもので、石室解体決定に向けた流れに念を押すタイミング。詰め掛けた報道陣は、息をのんでメモをとった。
 検討会の委員は24人。この中には、国立から独立行政法人になった奈良、東京の両文化財研究所の現職職員が9人おり、全委員の3分の1以上を占める。文化庁と文化財研究所OBを含めれば半数を超える。同庁や関係機関に勤めたことのない委員は、松田真一・奈良県立橿原考古学研究所副所長らごくわずかだ。
 検討会庶務を担当する同庁美術学芸課の下坂守課長は「保存科学はまだまだ若い学問。外部から多くの人を募るだけの成熟度がない」。網干善教・関西大名誉教授(考古学)をはじめ、72年の発掘状況を熟知する人々が委員になっていないことについては「経験も重要だが、現実を直視し新しい見方ができるという観点に立つと、このようなメンバーになった」と説明する。こうした人選について、「役所の委員会は基本的に出来レースだが、露骨すぎる」という声が、同庁内部からも聞こえてくる。

  ×  ×  ×

 第3回検討会は午後1時半に始まったが、石室内環境やカビなどの現状報告、石室解体をはじめとする恒久保存策5種7案の説明など、一連の作業部会報告が終わったのは午後4時半。各案に対する委員の意見表明に費やされた時間は、わずか30分ほどだった。
 委員の一人、田辺征夫・奈良文化財研究所長(考古学)は言う。「文化財研究所のメンバーが中核を占める作業部会が『これしかない』と出してきた案を、駄目とは言いにくい。私たちは専門家ではないし、『ほかは無理』と言われると、別の案をやれとは言えない」
 この日の出席者23人中、質問やその答えなど一言でも発言したのは15人。自らの意見を進んで述べたのは、オブザーバーの関義清・明日香村長を含め6人に過ぎず、この場での「解体案決定」にはっきり疑問を呈したのは松田委員だけ。決定に至らなかったのは、渡辺明義座長が唐突に「(きょう)すぐに決を採るのは適当ではない。持ち帰ってもらいたい」と話を収めたからに過ぎない。
 検討会は「特定の専門的事項について調査研究」するために設けられた作業部会の報告を受け、保存策を総合的に「調査研究」するはず。だが、これが実態である。【壁画保存問題取材班】

毎日新聞 2005年6月25日 大阪夕刊


ほぼ身内で固めた「検討会」で、「石室解体」の首切り役人役を買って出たのが
 林温氏
というのが胡散臭すぎる。林温氏が何をしたか、という件については昨年8/10の日記に書いた。
この日、文化庁は報道関係者に
 たくさんの資料
を渡した。つまりは
 解体はするから、その線で報道してね
という意思表示である。両案併記とか、そういうんじゃなくて
 いきなり石室解体
なのだ。

どうして文化庁はこういう拙劣な根回しをするのか。
 世論を解体やむなし、に誘導して結論を出す
というやり方が出来たはずだ。
文化財は誰のモノか、文化庁は勘違いしてるのではないか。

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