忍び寄る鳥インフルエンザ (その6) 発生は見過ごされていた
茨城で発生したH5N2型鳥インフルエンザは3月から鶏が死んでいたのに、なぜ発見が遅れたのか。
どうやら、京都府で鶏が大量死したH5N1型と違い弱毒性で、死んだ鶏の数が少なかったので、見逃されていたらしい。防疫体制に穴があるな。
鶏の異変、確認まで2カ月 死亡羽数少なく見逃す 2005年06月27日03時17分茨城県水海道市の養鶏場で弱毒性の高病原性鳥インフルエンザ・ウイルス(H5N2型)が検出された問題では、異変が起きてから確認まで2カ月以上かかった。業者は県に毎週、死んだ鶏の数を報告していたが、数が少ないため見逃された。昨年に山口、京都、大分の3府県で、急激に被害が拡大する強毒性による感染が確認された後、農林水産省は「早期発見による封じ込め」を目指していた。毒性の弱いタイプの場合にどう対応するのか、防疫対策の難しさを浮かび上がらせた。
茨城県によると、この養鶏場で鶏の死んだ数に変化があったのは4月。飼育する約2万5000羽に対して、4月は計308羽(1日平均10.2羽)、5月は268羽(同8.6羽)、6月は228羽(同9.9羽)が死んだ。今回、感染が見つかったのは、養鶏業者が5月に民間検査所に検査を依頼し、そこから県に連絡が入ったためだった。農水省は「不幸中の幸い」と漏らす。
高病原性鳥インフルエンザは、家畜だけでなく人への感染リスクもある。相次いだ鳥インフルエンザの発生を受け、農水省は昨春、家畜伝染病予防法に基づき、1000羽以上を飼う業者に対し、疑わしい事例は直ちに県に報告するよう求めた。
さらに、毎週、飼育数と死んだ数などの報告を義務づけ、県家畜保健衛生所の獣医師らが「早期の発見」ができるよう監視を強化した。
26日夜記者会見した茨城県農林水産部の鹿志村均・畜産課長は「京都のケースでは1日1万羽死んだこともある。それと比べ通常の範囲内だと思っていた。業者は鳥インフルエンザとは思わなかったため、結果的に(民間検査所に出してから)1カ月たってしまった」と説明した。
県が気づかなかったのも、強毒性の場合のように「死ぬ鶏の数が右肩上がりに増えなかった」ためだった。
農水省は、死んだ鶏の数を毎週報告する制度の運用を4月末でやめた。業者への罰則が強化されたこと、業者の互助基金ができて被害への補填(ほてん)がされるようになったことなどが理由だ。
弱毒性ウイルスは鶏の致死率が低いが、感染を放置すれば、いずれ強毒性に変異する可能性も残る。海外では、変異が大きな被害をもたらした例もある。
だが、今回のケースで、弱毒性の場合は養鶏業者や報告を受ける都道府県職員でも、感染の有無の判別が難しいことが分かった。
鳥取大の大槻公一教授(獣医微生物学)は「業者の対応を責めることはできない。弱毒タイプを鶏の様子で見分けるのは難しい。ちょっとした変化でも県に通報してもらって、早期に検査するしか方法はないのではないか」と指摘する。
今回は偶然が重なって、それでも6月末になって報告されたが、ヘタをするとそのまま見つからなかった可能性もあった。弱毒性とはいえ、ウイルスの変異する速度は速いので、強毒性に変わる可能性がないとは言えない。
今後は、
暑さで鶏が死んだ
と勘違いされないためにも、死亡数が増えた場合は、簡易キットででもいいから検査するようにしていかないとなあ。
中国で鳥インフルエンザが発生してるのは周知の事実。鳥たちは空を飛んで、鳥インフルエンザをもたらす。隣国の鳥インフルエンザは早晩日本にやってくると常に想定してないと。
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