F1アメリカGP ミシュラン勢不参加のまま6台走行で開催
夜中に目を覚ましたら、脇坂寿一と片山右京がえらく真面目に話をしている。何かと思ったら
ミシュラン勢が参加しないアメリカGP
をやっていたのだ。
こんなF1
というフレーズで目を覚ましたが、なんだか葬式みたいなレースだった。シューが今季初勝利なんだけど、そんなに勝ってなかったっけ。でも嬉しくないだろうな。
米国GPは出走6台だけ…ミシュラン使用7チーム棄権【ニューヨーク支局】自動車のF1世界選手権第9戦米国GPは19日、インディアナポリスのインディアナポリス・モータースピードウエーで決勝が始まったが、ミシュラン製のタイヤを使用する7チームが出走をボイコット、ブリヂストン製タイヤを使うフェラーリなど3チーム6台のみでレースが続けられる異常事態となった。
同GPでは17日の練習走行でミシュラン製タイヤを使うラルフ・シューマッハー(トヨタ)がタイヤのトラブルで壁に激突した。ミシュラン使用7チームはそのままのタイヤで18日の予選を走行したが、ミシュラン社は分析の結果、決勝を同じタイヤで走行するのは危険と判断した。ミシュランは別のタイヤを急きょフランスから空輸したものの、それも危険であることが分かり、「直線部分にスピードを落とす障害物を設けてほしい」などと要望したが、国際自動車連盟(FIA)から、ルールに反すると却下された。
決勝ではスタート前のフォーメーション・ラップには全20台が参加したが、予選首位となったヤルノ・トゥルーリの所属するトヨタ、佐藤琢磨のBARホンダなど14台は、スタート位置につかずにピットに入り、そのままリタイアした。
観衆は抗議をあらわにし、ブーイングなどを浴びせ、多くが席を立った。◇
決勝(73周)はミヒャエル・シューマッハー(フェラーリ)が勝ち、今季初優勝、通算84勝目を挙げた。2位はチームメートのルーベンス・バリチェロ、3位はルーキーのポルトガル人、ティアゴ・モンテイロ(ジョーダン。トヨタ)が入った。出走した6台はすべて完走した。
(2005年6月20日4時40分 読売新聞)
ラルフがケガをした、という話がここまで複雑な事態を招いていたのか。
詳しい経過は、miyazoさんの
何見て歩く:これはないよ
http://blog.livedoor.jp/miyazo_m2/archives/25781469.html
まあ、
今年のF1は死人が出るまで、タイヤに関するレギュレーションは変わりそうにない
という話はずっと出ていた。どのサーキットでも、トラブルがない限り、1セットのタイヤしか使えない。結局、
これではドライバーの安全を守れない
と判断したミシュラン勢は、レース参加を回避、ブリジストン勢6台がインディアナのコースをくるくるまわっているだけのヘンなレースになった。
レースに出られなかったチーム関係者やドライバー達のコメント。F1GP Newsより。
2005年06月20日(月) ブリアトーレ、レースをしたかった
ルノーのフラビオ・ブリアトーレは、両マシンをガレージに引き上げさせた後に次のようにコメントしている。
「今回の件は、ミシュランの技術的問題であり、そのためにレースすることが出来なかったんだ。我々はレースをしたい。フェラーリが前にいても気にしないよ。だけども、レースをするならば、ドライバーの安全だけは確保されていなければならないんだ。」2005年06月20日(月) トゥルーリ、ファンに申し訳ない
ヤルノ・トゥルーリはポールポジションからのスタートとなるはずが、ミシュランはレース出場を取りやめているために決勝へ参加しなかった。彼は、ITVのインタビューの中で次のように今回の事をコメントしている。
「チームにとっても、ドライバーにとっても、そしてF1全体にとっても今回のことは残念でならない。特にアメリカのファンのためにも、こうしたことは避けなければならなかったんだ。非常に複雑な状況なんだ。ブリヂストン・ユーザには問題ないといっているし、コースも問題はない。だけども我々は競争に参加できないんだ。残念ながら、我々はトラブルを抱えており、これを理解することは難しいだろう。今回のことで、F1にとって最優先事項は安全であることが証明された。ただレースが出来ないことについては、本当にファンに申し訳ないと思っている。」2005年06月20日(月) DC、残念でならない
アメリカGP決勝、ミシュランユーザはダミーグリッド上へはついたものの、スターティング・グリッドへは向かわずにピットへと全車向かった。このために、決勝はブリヂストンユーザの6台のみでレースをすることとなってしまった。
レースをしなかったクルサードは、ITVのインタビューで次のようにコメントしている。
「とにかく非常にひどい感触を持っている。僕はこんな事を今までに経験したことがないんだ。視聴者やここに足を運んだ観客のためにはレースするための解決策を乱せなかったことは残念だし、長期にわたりこのことは後味を悪くさせるだろうね。ドライバーとしては、この状況に当惑している。安全面を優先させたとはいえ、ショウとして解決が出来なかった。これは本当に残念だよ。」
唯一の見所は
最後のピットインを終えたシューがバリチェロとバトルしたシーン
くらいかな〜。事故にならなくて良かったが、仲悪いじゃん。
こんなレースの御陰ではあったけど、
新人のモンテイロが初表彰台で実に嬉しそう
だった。素直に喜んでいたな。
シューとバリは、シャンパンファイトもせず退場
で、今回のレースの異様さが際だっていた。
最初の方は寝てたので、そのシーンは見なかったけれども
怒った観客が瓶を投げつけた
ようだ。ビールの瓶、ってなんだよ。
今日の中継はなぜか地上波の方がまともで、
F1はこれからどうなるのか
という話を脇坂寿一や片山右京がじっくり話していて
普段のアレはなんやねん
という気がしたが、事態は深刻だ。今シーズンは、
ヘンなレギュレーションに危ない予選・レース
で、不穏な空気が漂ってるのだが、それをさらに強めたのが、今回のタイヤ問題。
中継の最後の方では
溝がなくなるほどすり減ったブリジストンタイヤ
が映されていて、
レース回避したミシュランの判断は正しかったのかな
と思った。
しかし、FIAは本気で
ドライバーの安全
を考えてるのか? 次のフランスGP予選で、何が起きるか分からないが、今のままだと
恐ろしくて、まともにレースを戦えない
可能性はあるよな〜。
FIAのモズレーは、6/3にこんなコメントを残している。F1GP Newsより。
2005年06月03日(金) モズレー、リタイアのすすめ
FIAのマックス・モズレーは、タイヤ・レギュレーションが危険であるといった意見に対して次のように反論している。
「メカニカル・トラブルにより、観客がアクシデントに巻き込まれるということを忘れてはいけない。マシンに何らかの疑いがあれば、マシンをピットに呼び入れるべきだよ。チェックした後も何か疑いがあれば、リタイアさせるべきなんだ。レース・ディレクターもブラック・フラッグやオレンジ・フラッグを提示することもありえるが、これは非常に極端な状況にならなければそうすることはない。レース中は、誰よりもチーム側がリスクを考慮する立場にあるんだ。」
ふ〜ん。ま、
興業として成立しないレースをアメリカGPとして開催した
のは何故だろうね?
本当に気持ちの冷えるアメリカGPだったが、このままF1は衰退していくのかな。
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