"Musical Baton"の危険性について (その2) 著作権保護の動きと書き手が特定されるblog内での音楽ファイル公表の関係
昨日に引き続き、mixiでASLさんが
"Musical Baton"による音楽ファイル公開が、「著作権保護」運動の「違法コピーの証拠」として使われる危険性
を指摘している。
スパムメール料理法
私的録音・録画補償金制度とMusical Baton
http://spaham.exblog.jp/i28
"Musical Baton"は、音楽ファイル容量を晒すが、もし、違法コピーをしている場合、SNSや実名公表しているblogでは、自分が誰か特定される状況で違法コピーのファイルを晒すことになる。あまりにも巨大な音楽ライブラリを個人が所有している場合、真っ先に
それは、合法的なものか?
と疑われるだろう。
先日、
世界で販売されているCDの1/3が違法コピー
という調査結果が出たばかりだ。いかに「著作権を保護し、儲けを確保するか」というのは、音楽業界にとって、すでに死活問題なのだ。
「世界で販売されているCDの3分の1が違法コピー」:IFPI調査 John Borland(CNET News.com) 2005/06/27 11:59 Trackback (3)全世界で購入されたCDの3分の1以上が違法コピーであることが、米国時間23日に発表されたあるレポートで明らかになった。
国際レコード産業連盟(IFPI)によると、違法コピーされた音楽CDの市場は今や46億ドル規模に拡大しており、一部の国では合法CDの売上がわずか2、3年間で3分の1も減少しているという。
オンラインでの著作権侵害も依然として問題で、特にブロードバンドの普及率が高いいくつかの国では深刻な被害が出ているとIFPIでは指摘している。
IFPIのCEO、John Kennedyは、「音楽業界が著作権侵害と戦っているのは、そうしないと業界が存続できないからだ」と述べ、さらに「毎年、10万枚強のアルバムのリリース/マーケティングに数十億ドルもの資金が投入されているが、これは健全かつ有効な著作権の行使があって初めて可能になるものだ」と付け加えた。
IFPIが年次報告書を発表する目的は、特定の国々が著作権侵害行為にいかにうまく対処しているかを世界に知らせると共に、各国の著作権法の改正状況を追跡することにある。
全体的に見て、多くの国々が違法にコピーされた音楽CDの販売を厳しく取り締まっており、その結果、違法音楽CDの市場成長率は過去5年間で最低水準にまで低下した。IFPIによると、2004年の違法コピーCDの売上額は12億ドルだったという。
しかし、違法にコピーされたCDの売り上げ総数が合法的に製造されたCDの枚数を上回った国が34カ国もあった。
IFPIは、デジタル著作権に関する規則が緩い、あるいは既存の規則の実施が甘い国として、カナダ、韓国、台湾の3カ国を挙げた。しかしカナダ政府は今週、新法の制定に向け様々な措置を講じた。同法が成立すれば、同国の法的枠組みは米国のそれにさらに近づくことになる
隣の国の韓国と台湾はコピー天国だからな〜。ここには出てこないけど、中国には
堂々とコピーを売ってる店舗
があちこちにある。日本で大学教員をしている中国人に聞いたら
中国は貧乏だからいいでしょう?
と言われて絶句したことがある。
じゃ、あなたの本や論文が勝手にコピーされてもいいのか?
と聞いたら
それは困る
という。誰もが知ってる、中国の超名門大学の出身の人なのだが、それでもこんな認識だ。
"Musical Baton"とその亜種が悪辣なのは
いたずらにトラフィックに荷重をかける「チェーンメール」のblogバージョン
であるにも関わらず、
音楽など個人の嗜好を友達から尋ねる
という体裁を取っているために、
それに答えることが「悪い」とはなかなか気づきにくい点
にある。これに荷担することは
現代版「幸福の手紙」に荷担することだ
ということを、自覚してないんだろうな。「幸福の手紙」を信じて、5人に葉書をだすような人間は、さすがにいないだろうけど、やってることは一緒。「幸福の手紙」は郵政省を儲けさせるだけだけど、"Musical Baton"はリソースを無駄遣いする点で、とっても悪辣。
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