キトラ古墳南壁から十二支午画像の一部を発見
傷みがひどいのであまり期待されてなかった、南壁の獸頭人身像。
ところが、今日、漆喰の裏から鮮やかな朱の絵の一部が見つかった。
奈良・キトラ古墳で十二支「午」図の一部発見奈良県明日香村のキトラ古墳(特別史跡、7世紀末−8世紀初め)で、壁画のはぎ取り作業を続けている文化庁などは14日、獣頭人身の十二支図「午(うま)」とみられる壁画の一部を新たに確認したと発表した。十二支図としては6体目。
文化庁などは8日、石室南壁に描かれた四神図「朱雀(すざく)」のはぎ取り作業を開始。表面のしっくいを樹脂で強化し、朱雀図下方の絵のない部分をはがして裏側から見たところ、人身部分の衣服とみられる線が確認できたという。
キトラ古墳ではこれまで、四神図のほかに十二支図の寅(とら)、戌(いぬ)などが発見されており、文化庁などは「方角から推測して、今回見つかったのは午図」としている。■キトラ古墳 奈良県明日香村にある直径約14メートルの円墳。1983年からの調査で、石室の内壁に朱雀(すざく)や玄武の四神図のほか寅(とら)や戌(いぬ)など獣頭人身の十二支図が確認され、天井には金箔(きんぱく)で星を表現した天文図も見つかった。さらに石室内から被葬者らしき人骨や木棺の金具、副葬品の琥珀(こはく)玉や太刀飾りが発見された。壁画は傷みが激しく、日本で初めてはぎ取り方式による保存、修復作業が進められている。(共同)
(06/14 18:48)
南壁に描かれている筈の三体の獸頭人身十二支像は、東側から
巳・午・未
となる。今回出てきたのは、
朱雀の真下
なので、
午
にほぼ間違いない。
NHK奈良のローカルニュースでは、18:30からと20:45からの二回、鮮やかな朱色の絵の一部を放映した。朱の部分には、墨で衣服の描線が描かれており、恐らく
襟か衣服の裾の部分
と思われる。
赤い部分は、以下の画像で確認できる。
キトラ古墳北壁の子・丑
http://www.asukanet.gr.jp/kitora/jpg/p011.jpg
キトラ古墳東壁の寅(→画像では「西壁獣人」となってるが、東壁の間違い)
http://www.asukanet.gr.jp/kitora/jpg/p010.jpg
続き。毎日新聞は中本記者の記事。相変わらず、過不足ない、イイ記事を書く記者だ。
キトラ古墳:新たな壁画確認 文化庁発表キトラ古墳南壁下部ではぎとったしっくいを裏側から見たところ。しっくいの表面を覆っていた泥の内側に朱色の顔料や墨の線(右側朱色部分のさらに右側に黒い縦線が数本見える)が残っていた=文化庁提供
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/images/20050615k0000m040100000p_size4.jpg韓国の墓の十二支像の午(拓本)=大阪府立近つ飛鳥博物館図録「モノクロームの守り神」より
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/images/20050615k0000m040102000p_size4.jpg奈良県明日香村の特別史跡・キトラ古墳(7世紀末〜8世紀初め)の極彩色壁画の保存処置を進めている文化庁は14日、「四神(しじん)・朱雀(南壁)の下部で、新たな壁画を確認した」と発表した。位置から、十二支像の午(うま)という。しっくい表面に付着した泥の層に、鮮やかな朱色の顔料と墨の線が残っていた。十二支像はこれまで寅(とら)、戌(いぬ)など五つが確認されていたが、他は崩落したり、溶けてなくなっていると考えられていた。
朱雀の処置に先立ち、午が描かれていると想定される余白部分を縦33センチ、横29センチの大きさにはぎ取った。裏側から観察したところ、しっくい(厚さ約2〜5ミリ)が崩れ落ちた部分で表面を覆っていた泥が露出しており、2〜3センチ大で2カ所に、顔料と墨の線が付着しているのが見つかった。午の着物の腰付近と考えられるという。
担当している川野辺渉・東京文化財研究所修復材料研究室長は「粒子が細かい泥が壁画にくっついたおかげで顔料が残ったのではないか。こんなに鮮やかとは予想しておらず、描かれた当初の色だろう」と話した。
キトラの十二支像は獣頭人身で、北壁中央の子(ね)を起点に、時計回りに並んでいる。巳(み)、卯(う)も同様に、しっくい表面に泥が付着しているため、顔料が残っている可能性があるという。 【中本泰代】【ことば】十二支像 時刻や方位を表す十二支の動物像。隋(581〜618年)、唐(618〜907年)など古代中国の墓の墓誌や、朝鮮半島を統一した新羅の王の墓を囲む石の表面などに彫られている。十二支の動物の顔と人の体を組み合わせた獣頭人身像も含まれる。
更に続き。時事通信。
十二支「午」の像か=朱雀の下、鮮やか朱の衣装?−奈良・キトラ古墳極彩色の壁画を保存するため、はぎ取り作業が進められている奈良県明日香村の特別史跡「キトラ古墳」(7世紀末−8世紀初頭)で、南壁に描かれた朱雀(すざく)の約50センチ下から朱色と墨の線が見つかったと、文化庁が14日発表した。南壁中央の位置にあり、十二支の午(うま)の像とみられる。
同古墳ではこれまで、頭が獣で体が人間の形をした獣頭人身の十二支像が東壁の寅(とら)など計5体確認されており、6体目の発見となる。
文化庁の調査団が朱雀の下の泥をかぶったしっくい(縦33センチ、横29センチ)をはぎ取って裏から見たところ、しっくいのない縦横各2センチ程度の2カ所の泥に、墨の直線が引かれた朱色の顔料が付着しているのを見つけた。しっくいに描かれた朱などが泥に付いたとみられる。
他の十二支像の大きさからみて、腰の部分に当たるとみられ、スカートのような裳(も)の一部の可能性があるという。泥に守られたため朱色は鮮やかで「(描かれた)当初の色に近いのではないか」と、はぎ取り作業を指揮する川野辺渉・東京文化財研究所修復材料研究室長は話す。
(時事通信) - 6月14日22時1分更新
時事が配信したキトラ古墳南壁・十二支午の一部の画像は大きくて鮮明。
十二支「午」の像か−キトラ古墳キトラ古墳南壁のしっくいをはぎ取ったところ、獣頭人身の十二支の午(うま)の衣装とみられる朱色の顔料が見つかった。写真ははぎ取ったしっくいを裏から見たところ(14日撮影=文化庁提供)(時事通信社)22時32分更新
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