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2005-06-13

医療系学科・学部新設のウラにあるもの 綺麗事では済まない医療従事者養成

週末に、看護師資格をもつ研究者の方と話をした。
最近、看護学科・学部など医療系の学科・学部の新設が多いけれども、そのウラにある問題について。

これまで全く医療系の学科・学部を持たなかった学校が、突然医療系の学科・学部を新設する場合と、元々看護学校を持っていたところが「医療系の学科・学部」として設置するのとはかなり違う。すでに看護学校を持っている場合、看護教育に必要な施設は確保されている。これまでも看護実習で学生を送っているし、就職実績もある。
全く医療系の学科・学部がない学校が、新たに医療系の学科・学部を新設する場合は、教員は忙しくなる。学生の教育だけでなく、
 実習先と就職先の開拓
という業務が重くのしかかるからだ。
 そういう大学の教員になると、教員は「頭下げ要員」になる
という話になった。

修業年限の問題もある。現在医療系には
 三年制の医療短大
 四年制の大学
の二種類がある。国立大学には過去
 三年制の医療短大
が設置されていたが、現在は
 四年制の保健学科等に改組、三年制は廃止の方向
にある。たとえば、昨年京大に設置された
 医学部保健学科
http://www.hs.med.kyoto-u.ac.jp/

 旧・医療短大
京都大学医療技術短期大学部
http://www.itan.kyoto-u.ac.jp/
で、同じ京大という名称ではあるが、内部的には
 医短の学科
という認識だ。元々、京大では
 医短は専門学校で別物
と考えられてきた。実際、沿革は次のようなものだ。


明治32年 9月 京都帝国大学医科大学附属医院看護婦見習講習科設置
明治35年 2月 京都帝国大学医科大学附属医院産婆講習科設置
大正11年 4月 京都帝国大学医科大学附属医院看護婦産婆養成所設置
昭和25年 3月 京都大学医学部附属看護学校に改称
昭和27年 9月 京都大学医学部附属看護学校助産婦科設置
昭和29年 4月 京都大学医学部附属助産婦学校に改称
昭和34年 4月 京都大学医学部附属衛生検査技師学校設置
昭和47年 4月 京都大学医学部附属臨床検査技師学校設置
昭和50年 4月 京都大学医療技術短期大学部看護学科・専攻科助産学特別専攻設置
昭和51年 4月 京都大学医療技術短期大学部衛生技術学科設置
昭和57年 4月 京都大学医療技術短期大学部理学療法学科・作業療法学科設置

平成15年 10月 京都大学医学部保健学科 4専攻設置
平成16年 4月 京都大学医学部保健学科第 1期生入学

京都帝大付属の看護学校が前身で、医療技術短大に昇格したのが昭和50年のことだった。
現在の保健学科が、完成年度を迎えるまでは、同様の見方だろうし、医学部といっても医師になるわけではないので、かなり面倒な位置づけになる。
京大医学部の友達に聞いても
 医学部ってついてるけど、別だな
という感想だ。ま、病院の身分制って絶対的だしなあ。

ということは、看護学校も四年制の学部・学科になっていくわけだ。当然、「看護学士」という学士号が授与される。
じゃ、医療系に残る三年制短大って何?という話なのだ。

実は、これが問題で、
 たった一年足りないだけで学位は「準学士」
なのだ。要するに
 医療系の高い学費を一年払わないだけで、学位がまったく違う
ということになる。「準学士」だと、編入試験でも三回生編入扱いだし、「大学卒」は名乗れない。
つまりは、
 制度の間隙を縫って、設置されている学科・学部
なわけで、当然医療関係者からの評判はよろしくない。
 新たに三年制の医療系短大を設置するところは、金儲け主義の学校が多い
と言われる所以だ。

どうしてこういう話になるのかなあ。
日本では
 正看・准看問題
というのがある。
 中学を卒業したら、すぐに看護婦さんになりたい!
といういたいけな少女を騙していた、といわれても仕方のない制度で、
 高校に行ってから看護学校へ行くのと、中卒で看護学校へ行くのではその後の人生に雲泥の差
というのを、誰もきちんと説明していなかったとしか思えない。現在、准看は養成されなくなり、通信教育で正看資格が取れるようになった、と聞く。
準看護師についてより。


[22] 投稿者:Guestさん/2005年04月15日 21:05:21
Re:12 >おっとーさん
ありますよ やっぱり。仕事内容は師長になれるかなれないかの違いだけだと思います。現場に勤務しながら准看の資格をとった人の方が現場には強いのですが、国家資格との違いは歴然としています。給料も基本給からして大差があります。(実際の金額差は・・・聞かないほうがいいですよ。すごくショックをうけるかも)
法律上、准看と正看の違いは歴然としていますが、現場で法律は無視されているのが現状でしょう。だから医療ミスで、准看が有罪になるケースがあるんですけどね。

[23] 投稿者:Guestさん/2005年04月15日 21:12:18
Re:7 >匿名希望さん
各地方看護協会が勢力を挙げて、通信教育による准看救済措置を実施しています。
しかし、私も准看ですが、実習が1ヶ月以上あり、なおかつ、現場経験の詳細が該当しないので、仕事を休むわけにもいかず、受講出来ずにいます。詳細は各都道府県看護協会のHPで調べてみてください。

[26] 投稿者:Guestさん/2005年04月19日 21:51:49
15年以上前に、正看として働いていましたが、その当時から看護婦の待遇って変わっていないような気がします。
アルバイトの自給にしても、経験や経歴を考慮してあげてくれると良いのですが、病院の経営上、そうもいかないんでしょうね。

小さい病院では、実際によく働いて即戦力となってくれる準看のほうが、経営者にとってはありがたい存在だとよくききます。
実際に、卒業で資格を取り立ての正看よりもずっと仕事が出来ますから・・・

[28] 投稿者:Guestさん/2005年04月30日 14:20:59
Re:4 >ごまおさんへ
看護会は準看護師をなくす方向に働いています。準看護師を養成する教育機関は学校教育法の82条、看護大学や短大出の正看護師は同1条と、同じ事をしていても法律的地位がまったく違います。看護の地位を向上し、社会への発言力を上げたい看護協会や教育者たちは準看護師を廃止し、制度の認識の高い人たちからも認められるようになろうという気持ちが在ります。また、準看護師は医師と看護師の指示のもとにしか看護を行うことが出来ません。

[29] 投稿者:Guestさん/2005年05月20日 21:59:42
準看も正看も結局は経験がものを言うのでは・・・
でも・・私の職場では、準看は役職やリーダーにならないので、その事で僻んだり、『給料多くもらってるんでしょ』みたいな嫌味を、新人のときに言われて嫌な思いをしたこともありました。

[30] 投稿者:Guestさん/2005年05月22日 06:51:24
准看護師として20年以上働いているけど、今更正看護師の資格を取ったって、新卒として給料が下がるだけじゃないかと思っています。仕事の内容が実際変わるわけでもないし。


命を預かる現場での時給はそれほどイイわけでもなく、勤務する病院によって大きく異なる。

[19] 投稿者:Guestさん/2005年02月07日 22:15:25
Re:18 >Guestさん 現在正看の資格を持ちパートで働いているものです。
私も最近準看と正看の違いは何?とつくづく感じます。最近の個人医院は同じ仕事だからと区別をしないところが多いようで、現在4ヶ月早く入った準看さんのほうがやや時給が上なのです。何のための資格なのかとがっかりしてしまいます。昔は準看が報われない時代だったかもしれませんが、今は正看が報われない時代です。時給も1000円を切る910円です。一般の仕事と変わりません(TT)

[24] 投稿者:Guestさん/2005年04月15日 21:25:12
Re:19 >Guestさん
”昔は準看が報われない時代だったかもしれませんが、今は正看が報われない時代です。時給も1000円を切る910円です。一般の仕事と変わりません(TT)”
910円とはひどいですね。地域によって多少の誤差はあるでしょうが、私の地域では診療所は正看1300円・准看1000円が相場です。私は准看ですが、介護の分野で働いていた時、相談員の資格を持っていたので時給1300円でした。でも、一番時給が低かった所で800円でしたよ(笑)スーパーの店員のバイトしていた時と同じでした。

[25] 投稿者:Guestさん/2005年04月19日 21:06:52
資格より経験のほうが実際の現場では使えるけど
給料的な問題は就職先によって大きく違うかなぁ。
もうけてるとこは準看でも手取りで30万はかたいし、赤字のとこは正看でも20万ちょっとしかもらえなかったり?
地域とか病院(医院)の科によっても全然ちがうみたいですね。
ちなみに私は正看、整形外科の医院のパートで時給2000円です。


う〜ん。高い学費を払って看護系の学部・学科を出ても、その先の勤務は技術の割に報われない職場のようだ。更に医療系短大出身の場合だと、「一年足りないだけで準学士」だしなあ。c/pは良くない。

で、更に問題がある。上記にも
 資格より経験年数
という言葉が出ているが、結局は
 看護技術が物を言う
のである。で、
 フィリピンが日本に派遣しようとしている看護師さんたちは、粒ぞろいで看護技術が高い
という話なのだ。つまり
 言葉の壁を吹き飛ばすくらい、看護技術が高い看護師さんたちが、日本人より安い時給で働きに来る
というわけなのだ。
患者の立場から言えば
 国籍は関係なく、看護技術の高い看護師さんのお世話になりたい
というのが、ホンネだ。
現場では
 若い看護師さんはどんどん辞めていく
のだという。医療現場は綺麗事ではない。精神的に辛い場面にも遭遇することが多い。そうすると、
 そうした辛さに耐性のない人達は辞めてしまう
のだという。
 適性のないヒトは大体看護学校・学部・学科卒業後一年くらいで看護師自体を辞めてしまう
と聞いた。
 養成しても人手が足りない
というウラには、こうした問題もあるのだ。つまり
 絶対数がどうしても足りない
わけだ。

介護関係と違って、看護師資格は、
 金で簡単に買える資格
ではない。看護師養成には長い歴史があり、看護師を見る目も厳しい。そうした内外からのチェックに看護師養成は支えられてきた。しかし、介護福祉士は、ごくごく新しい資格で、まだ流動的だ。
介護福祉士は現在、
 認定された養成施設を卒業すれば、無試験で資格が与えられる
http://www.kaiyokyo.net/contents/howto.html
状況にある。高卒であれば、最短二年で資格が取得できる。つまり
 学費さえ払って卒業すれば、資格がもらえる
わけで、このあたりの養成課程が、看護師などから批判される所以だ。養成施設というと、つい
 医療のプロがやっている
と思ってしまうが、実態は玉石混淆で、
 素晴らしいところから、金儲け主義の所まで
が混在している。しかも、そうした養成施設ができてから日が浅いので
 どの養成施設がよくて、どこがダメか
ということは、その養成施設への進学を考えている生徒にも親にも分からないのだ。

というわけで、医療系人材の養成課程は、現在混沌としている。
わたしは悲観主義者なので、
 今後は、フィリピンなど諸外国から優秀な医療従事者が「輸入」される方向に大きく移行する
と考えている。恐らく、日本は
 技術移民を一定数受け入れないと、存立が危うい国
になるだろう。少子高齢化がもたらす問題は、こんなところにも及んでいる。

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