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2005-06-01

中国当局、今年の六四を警戒

抗日戦争勝利60周年ということで、年初から反日運動を盛り上げてきた中国だが、4月には反日デモが暴発、以後、当局は反日デモの制圧に方針を変えた。
懸念された労働節・五四の大規模デモは雲散霧消、逆に中国当局の「反日熱管理」ぶりを国際的に晒す結果となった。とりあえずは、「経熱政冷」のまま、コトを運ぼうとしているようだが、なかなかうまくはいかない。
小泉首相に至っては
 罪を憎んで人を憎まず
と、「孔子の言」を引く有様で、さすがに『人民日報』が「これは曲解だ」と噛みついている。ま、出典が『孔叢子』という時点でアウトだけど、そんなことを小泉首相が知ってるとも思えない。もちろん、『人民日報』は、まず第一点としてそこを衝いてきている。でもさ〜、今の中国人で『孔叢子』がどんな書物だか知ってる人間はそうそういないだろう。中国の歴史教科書で、偽書を典拠にしてるのはどうなんだ、とか、どんどんそういう話になるのだが。

小泉曲解孔子曰(中文)

大規模に反日デモを煽ると、今度は民主化闘争に再び火がつくかも知れない。中国当局が恐れているのはそれだ。「民主化」と呪文を唱えれば、自由主義社会の国々が、こぞって民主化闘争に手を貸すのは、目に見えている。
決して、そうした「世迷い言」をスローガンに立てさせないように、中国当局は注意深く、各地で起きる反政府暴動を外に漏らさぬようにしている。形は「会社の処遇に不満」などと直接政府とは関係ないように収めてはいるが、何のことはない、一皮剥けば、その下には、現政権下ではイイ思いができない人民の怨念が渦巻いている。
ともかくも六月、六四の再来だけは避けたいのだ。


天安門の「6・4」警戒強める中国、背景に強い不満

 【北京=末続哲也】中国の民主化運動が武力鎮圧された1989年の天安門事件から丸16年となる6月4日を前に、中国当局が警戒を強めている。

 事件で失脚した趙紫陽・元共産党総書記が、今年1月、名誉回復されないまま死去したのに加え、4月には激しい反日デモが各地で発生、当局の危機感が、例年になく高まっているためだ。
 当局は、民主活動家らが反政府活動を行わないよう予防拘束などを徹底するとともに、厳戒態勢を敷き、デモ発生を徹底して封じ込める方針と見られる。
 中国外務省の孔泉報道局長は31日の定例会見で、趙氏の関係資料を入手し中国で拘束されたと報じられたシンガポール紙の香港駐在記者・程翔氏(55)について、中国当局が「スパイ容疑」で取り調べていることを確認した。程氏は、天安門事件に批判的なジャーナリストとして知られる。
 民主活動家や民主化を支持する市民たちの間では、今年は事件犠牲者に加え、趙氏の追悼を求めるムードがある。趙氏死去から間もなく、北京大院生15人が、天安門広場で追悼活動を呼びかけたとの情報が中国のインターネット上に流れてもいる。
 4月の反日デモで、一部参加者が暴徒化した衝撃も生々しい。「デモ過激化の背景に、貧富格差の拡大や失業問題などでの、政府への強い不満がある」(中国筋)と認識する当局は、「反日」ではなく、「反政府」を意味する趙氏追悼デモへの危機感を払しょくできない。
 海外の人権団体によると、中国当局は例年、天安門事件記念日に先立ち、民主活動家らを拘束し、反体制活動の発生を未然に防ぐ。こうした措置は今年、例年に増して徹底されそうだ。実際、香港紙によると、重慶市の民主活動家・許万平氏(44)が4月末から公安当局に拘束されたままだ。
 また、6月4日の前後、趙氏の追悼活動が起きる可能性のある場所も、厳戒下に置かれると見られる。

(2005年6月1日0時53分 読売新聞)


さて、一体、今年の六四はどうなるか。折しも今年は土曜日に当たる。大学当局は学生にせっせとメールで呼びかけたりしてるのかどうか。
抗日戦争勝利60周年で、記念日はこれからたくさんある。六四をしのげたとしても、そうした記念祭が何らかのきっかけになって、人民の怒りが暴発する可能性は低くはないのじゃないか。

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