中国がHIV感染を座視している理由
感染爆発が起こってる割には、まともに対応してない中国だが、今回発表されるHIV感染ルートは、なぜ中国政府がやる気がないかを明るみに出している。
少数民族居住地域が中心だからだ。
中国のエイズ感染経路、麻薬密売ルートと一致急速に感染者が増える傾向にある中国のエイズは、インドシナ各国と中国国内を結ぶ交易拠点・雲南省を“拠点”とした薬物密売ルートと重なる形で感染を広げている可能性の高いことが、日本の国立感染症研究所チームによるエイズウイルス(HIV)の遺伝子分析でわかった。
神戸市で開催中のアジア・太平洋地域エイズ国際会議で4日発表される。
中国で最初のHIV感染の流行が明らかになったのは1989年。雲南省西部で、注射針を使い回す薬物乱用者の間で広まったとされる。その後、中国北西部の新疆ウイグル自治区や、東南部の広西チワン族自治区でも流行が確認され、感染地域が短期間で拡大した。
感染研エイズ研究センターの武部豊室長らは、流行ルート解明のため、雲南省の感染者のHIVの遺伝子型を調べ、中国各地やタイ、インドなど周辺の国々で流行したHIVとの関係を推定した。
その結果、雲南省西部のHIVには、88年からタイで流行した「タイ型」と、インドとタイで流行したHIVが遺伝子組み換えを起こして生まれた「混合型」があることがわかった。
この混合型から新たに生まれたタイプが新疆ウイグル自治区に感染を広げ、やはりこの混合型から生まれた別の新タイプが広西チワン族自治区に感染を広げたことも判明した。
この経路は、タイ、ラオス、ミャンマーの3国にまたがる世界最大級の麻薬生産地「ゴールデン・トライアングル(黄金の三角地帯)」で製造されるヘロインが中国国内に運ばれる密輸ルートと重なる。
国連合同エイズ計画(UNAIDS)によると、中国国内のエイズ感染者の数は84万人に上り、このまま放置すると2010年には、1000万人に膨れあがると見られている。
武部室長は「雲南省とミャンマーは、様々なHIVが存在する『HIVのるつぼ』。新たな流行株が出現し、治療薬が効かない恐れもあり、十分な警戒が必要」と指摘している。(2005年7月3日14時4分 読売新聞)
疫学的には、雲南省とかミャンマーは、いろんなタイプのHIVが持ち込まれていて、HIVの進化を促進させる地域だから、激しくヤバイ。今使ってる薬が効かなくなる、
新たなタイプのHIV
が生まれる可能性がある。いいですか、日本の近所に
HIVの実験場がある
ってことですぜ。
かつ、
雲南省・新疆ウイグル自治区・広西チワン族自治区
とくれば、これは少数民族居住地域なので、
貧乏で、かつ非漢族
なわけだから、中央政府が積極的に援助するわけがないじゃん。形を変えた
民族浄化
を密かに狙ってる可能性だってある。どうせ
少数民族を買春するような腐敗分子はHIV感染だろうが、麻薬中毒だろうが、死んでも構わん
と思ってるだろうからな。
というわけで、中国政府は
感染爆発がシャレにならなくなるまで、事態を放置する可能性
がある。今度はSARSの時のようにはいかんぞ。潜伏期間が長すぎる。当然、
中国国内で買春したり、「国際交流」したり、薬をやってる日本人
もアブナイ。こうした人達が帰国後、真面目に病院に行くとはあまり思えないので、日本でもじわじわと
中国など海外からHIVに感染して帰ってくる人達がさらに国内でばらまく例
が出てくるだろう。
結婚したら、相手がHIVポジティブ
とか
知らない間にHIVに感染
とかということが増えるだろうな。結婚した相手がHIVポジティブで自分も感染しちゃった、という話はここに。
まさか夫が…自分も感染
http://www.yomiuri.co.jp/komachi/news/rensai/20050517sw91.htm
日本は不名誉なことに、先進国で唯一HIV感染を食い止められず、いわゆる「感染爆発」フェイズに入ってる国の一つだから、あと5年もすると、HIVは身近な人が感染している病気になるだろう。
中国はHIVを人口爆発の消極的な対策と考えている節がありそうなのがイヤだが、日本で若年層のHIV感染が進むと、
少子高齢化
は一気に進む。それどころか
HIV感染の拡大によって、労働人口の弱体化
もあり得るわけで、本気で
早めに治療開始
を積極策として打ち出さないと、
重症化してから発見→かなりしんどい予後
という、先進国とは思えない状況になるぞ。今問題なのは
先進国なのに、まともな拠点病院が少なすぎる、周囲の理解が得られにくい
ということなんだから。
このあたりの話はこちらに。
進まぬ陽性者の早期受診
http://www.yomiuri.co.jp/komachi/news/rensai/20050527sw91.htm
発展途上国では
貧しすぎて治療薬が買えない
のが問題なんだけど、日本の場合は
援助の手だてはあるが、実際に運用するとなると障壁だらけ
なのが問題なのだ。
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