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2005-07-23

NHK,貴重な資料を返却せず (その3) なぜか突然「連絡が付く」状態に

おいっ。

いままでバックレてたわけ?やっぱり。

日本で事情が広まったせいなのか、ブラジル移民の貴重な資料を

 持ち逃げ

していたと言われてもしょうがないNHK「関係者」が資料の返却に応じるらしい。で、関係者って誰よ。

問題の番組は

 人間ドキュメント NHK 21:00-21:50 1997年9月15日(月)放映

 「アマゾンの果てまでも〜植物学者・橋本吾郎、84歳の挑戦」

だった。

番組内容は以下に紹介とレポートがある。

関心空間 OWLの空間

植物学者 橋本梧郎 84歳の挑戦

コレを読むと、NHK「関係者」が返さなかった資料が、いかに貴重なモノだったかがよく分かる。

現在、長年現地でドキュメンタリー制作を手がけている岡村淳氏が、橋本梧郎氏とギアナ高地のドキュメンタリーを制作中らしい。



ただいま制作中! (最終更新日 : 2005/01/07)

橋本梧郎南米博物誌 ギアナ高地の伝言

92歳の誕生を迎える在ブラジルの日本人植物学者・橋本梧郎先生。

2005年1月、体調の回復を待って、ついに念願だったベネズエラ奥地のギアナ高地に挑むことになった。

地球上最期の空白地帯といわれるギアナ高地、さすがの橋本先生も植物相の検討がつかないと言う。

不祥事件の発覚相次ぐNHKより先に始めた岡村の橋本梧郎取材、ついにシリーズ、第3弾の制作を決定しました!

いよいよ現地に向かいます。



今回の「NHKの呆れた体質」を批判し、資料返却を橋本梧郎氏の代わりにNHKに請求したのは、この岡本淳氏だった。



7/14記 NHKふれあいプラザ宛

サンパウロにて

NHKふれあいプラザ宛

1997年9月放送、ブラジルの植物学者橋本梧郎先生を取材した御社のドキュメンタリー番組で、担当者が先生から借り出した文献、16ミリフィルム等を再三の請求にもかかわらずいまだ返還がありません。せめて先生が人から借りた16ミリフィルムだけでも早急に返還いただきたいとのご希望です。先生は92歳、手が不自由ですので私がご依頼を受け、ご連絡する次第です。

以上を本14日朝、NHKふれあいプラザ宛に送信した。

NHKが放送80年記念ドラマでブラジル移民を取り上げるのも、今年、ブラジル各地でNHK映像祭を開くのも、視聴者との信頼関係を大切にするとのたまうのも結構だ。

まず被・取材者との信頼関係を大切にする気はないのか。

そんなことなども書き込むつもりが、400字以上の送信は受け付けない、というシステムなのでコンパクトにいった。

ブラジルの邦字紙の読者欄もこの方式に習うと少しすっきりするかも。



ところが、NHKは一日経っても返事を寄越さなかった。



7/15記 産経新聞読者サービス室宛

サンパウロにて

産経新聞読者サービス室宛

丸一日経つが、NHK側からは何の音沙汰もない。

NHK内の検索システムを使えば、放送日・番組名・担当者が一発でわかることをこちらは承知している。

よほどクレームが多すぎて、こんなのにいちいち「誠意ある対応」はできないということでしょうかね。

NHKスタッフは「NHKの信用」のもとに橋本先生のかけがえのない資料を借用書1枚残さずに持ち出した。

その後の請求にもかかわらず、返してよこさない。

彼らの取材時に橋本先生は84歳、「信用」の他に借用の物的証拠は残していないから、相手が死んでうやむやにして永久に闇に葬るのを待つのみ、と考えているのがうかがえる。

こうしたマスコミの犯罪により、どれだけ多くの人類の遺産がゴミとなり、あるいはそうしたお宝を食い物にする連中の懐を潤してきたことか。

敵の誤算は、橋本先生の長寿だ。

NHKの信用や誠意など、羽毛ほどの重さがないことは肝に銘じていい。

本日付のニッケイ新聞が強力な援護射撃をしてくれた。

ことは公になった。

感謝である。

(略)

ブラジルと移民をナメ続けてはいけない。

で、NHKは姑息な手を打った。すぐに返事を寄越さず、
 資料の所在確認
を始めたのだ。返答まで日数が掛かっているところを見ると、やはり退職者が犯人?それとも現職?
公開されてる情報では、番組名までは引っかかってくるのだが、PDやCPの名前までは挙がってこない。


7/18記 返り血は森で洗った

サンパウロ→リオデジャネイロ州
返り血は森で洗った
当地14日にNHKに宛てた抗議に関して、本18日現在、実名をさらして抗議を行なった私のところには何の音沙汰もない。
しかしニッケイ新聞がこの問題を15日付の記事にしてくれたおかげで、NHKが水面下の工作を開始したことがわかっている。
こうした次元の低い問題で消耗するのは不本意だ。
だがNHK職員も産経の女記者も、確信犯でデタラメを繰り返している。
今後も大メディアの肩書きを使って、さらに悪質な行動を起こす恐れがあるということだ。
被害者の側にありながら、不正に目をつぶるのは卑怯であり、加害者を助長するばかりだ。
そうした思いからの返り血を浴びるのを覚悟の抗議だ。
当然、敵は増える。
今日から旅の日々の始まりだが、この件の対策で出発が数時間遅れる。
不快感を貴重な旅先まで持ち越すことを懸念。
しかし、家族と、そして海岸山脈の大西洋森林が僕を癒してくれることを感じる。


という経過があったわけ。

で、こんな決着に。


「申し訳ない」NHK謝罪=コロニア資料未返還=返却済と思い込んだ=8年経過=電話連絡=「箱から出てきた」
2005年7月21日(木)

 【既報関連】「本人は返したと思い込んでいたようです。結果として、取材者としての信頼関係を裏切る行為だった。(資料を貸した)お二人には本人から謝罪しました」。二十日午前九時過ぎ、日本のNHK経営広報部の久保智司さんから事情を説明する電話があった。「事実確認した結果、本人が保管していた資料箱から十六ミリフィルムが見つかりました」。九七年九月に放送された植物学者の橋本梧郎さん(92、聖市)を描くドキュメンタリー番組「アマゾンの果てまでも」の撮影に訪れたNHKのスタッフが貴重な資料を借り出したまま、数度の返還要請にも関わらず八年間も返していなかった件に関して、橋本さんは半ばあきれ気味に「まあ、よかった」と語った。
 本紙が報じた翌日十六日、橋本さんのもとに借りた本人から電話連絡があった。橋本さんが資料返還を求めると、「返していませんか?」と回答。半時間にわたる会話の中で「一言の謝罪の言葉すらなかった」と苦笑いする。
 本紙が十九日に取材した時、橋本さんは「自分のは、もう半分あきらめている。ただ松山さんの十六ミリフィルムだけは返してほしい」と消沈した様子で語っていた。
 放送翌年の九八年に、橋本氏は電話で請求したが、同じような対応だった。事情を聞いた日本在住のフリージャーナリストがNHKに直談判し、ようやく写真や日記の一部が返却された経緯がある。
 フィルムの所有者、パラナ州グアイラ市在住の松山芳子さん(77)のもとには本人から十八日に電話が入った。八年ぶりの連絡だった。十九日に本紙が経過を問い合わせたところ、「『誰がどこに置いたか分からない』って言われるしね……、気を使わせては悪いし、もう諦めました」と語った。
 松山さんは私設の博物館を作るべく、同地での日本人入植の歴史や、動植物の調査に長年尽力してきた。そのフィルムには、昔のコーヒー園の様子、五〇年代の日本人会の運動会、ダムで水没したセッテ・ケーダス(七つの滝)なども撮影されており、貴重な資料であることは間違いない。
 博物館の目玉展示にしようと思っていたが、件のNHKスタッフからの「ビデオにダビングして日本から送り返します」との約束を信用し、貸し出したが、以来八年もなしのつぶてだった。
 「大事なものじゃないと思うけど、こっちにしてみれば思い出。『ビデオ送った』って電話では言われたけど、こちらには届いていない。住所を間違ったのかも知れないね」。
 最近、長年の夢が実現へ向け大きく動きした。「市から不動産の提供を受け、展示品の陳列をようやく始めることになりました」。長年の夢を叶え、嬉しそうに語る松山さん。今年暮れに、開館する予定だ。
 二十日朝、同経営広報部の久保さんから電話があり、開口一番「連絡が遅れて大変申し訳ない」。関係者に連絡をとり事実関係を確認したところ、「本人が保管している資料箱から十六ミリフィルムが見つかった」とのいう。中身を確認し、ビデオテープにダビングの上、フィルムと共に松山さんへ送り返す予定。
 久保さんは「ご迷惑をお掛けしたのですから、最大の誠意をもって対応するのは当然のこと」という。残りの資料に関しては、「現在、残りの資料を洗い直しており、見つかったものはその都度、本人から橋本さんに報告します」。
 続けて、「本人は全て返却していたと思い込んでいたようです。今回の記事で改めて調べみたら、資料箱から出てきたようです」と説明する。
 二十日朝、本人から橋本さんに電話が入り、「すみません」と謝罪したという。「フィルムが見つかったって言ってました。しかも、二つもあったって」とあきれた様子。「全部まとめて一箱に入れておいたと言っていたけど、フィルムが見つかって僕の本が出てこないのは、ちょっと、どうかね」。
 八年越しの謝罪の言葉を受け、「まあ、良かった。もう矛をおさめてもいいよ」と語った。


7/20に「本人」から謝罪の電話があったそうだが、遅すぎませんかね。しかも
 テープは二本もあったのに、橋本さんが集めた本はない
というのだ。古本屋に売り払ったり、廃棄したりしてねえだろうな。

というわけで、普通の人は
 絶対に、マスコミには貴重なオリジナル資料を貸してはいけない
のである。今回は、マスコミに取り上げられたから、返してくれたようなもんだ。

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