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2005-08-29

客室乗務員が以前ほど「玉の輿」に乗れなくなったわけ  年間被曝量が原発労働者の2-3倍の航空乗務員

昔々は
 客室乗務員になって玉の輿を狙ってやる!
という話は、そこいらに掃いて捨てるほどあった。
 伝説のスッチー 83 名言
http://www.keiko-web.com/legend/suti/img/083c.jpg

ところが、最近、さほどモテないという。理由は
 宇宙線被曝量が多いので、身体にイイ仕事ではないから
と、いうことらしい。なんだかな〜。たしかに、宇宙線被曝量が多い仕事では、因果関係は明らかではないにせよ、ガンになりやすいという噂はあるからねえ。
「玉の輿」はさしたる問題ではないが、宇宙線被曝量が多いのは事実。以前から、
 宇宙線対策を
という声は乗務員側から上がっていた。たとえば、「客室乗務員連絡会」の掲示板にはこんな声が出ていた。


CAのひとりごと

097 05.06.14 ハンドルネーム 茶色
以前から客室乗務員の放射線量については論議されており、昨年あたりにJALが国土交通省に申し立てをしたというのをテレビのニュースで見ました。私はANAで働いているのですが、会社からは何も降りておらず、また会社に聞いてみても知らないといわれました。今後働いていくのに大変不安を感じています。入社8年目の客室乗務員です。

101 05.07.17
 #97の茶色さんの、放射線被曝についての声に対し、「お客様のひとりごと」でもいろいろご意見をいただき、ありがとうございました。実は私もうっかりしていたのですが、この問題については日本乗員組合連絡会が10年前から調査、研究をはじめ、客乗連も一緒に昨年、官庁への要請をしていました。私の怠慢からこの報告が遅れ申し訳ありませんでした。この要請文をUPしましたのでご覧下さいね。また、放射性被曝が客室乗務員に与える影響については、Q&Aコーナーで順次お知らせする予定です。茶色さん、もう少しお待ちくださいね・・・。

編集委員 M



他職場・お客様のひとりごと
013 05.06.15 ハンドルネーム  CA掲示板の茶色さんへ
昨年12月7日、宇宙線被爆に関する検討ワーキンググループ検討会が経済産業省で開催されました。
その中で触れておりますが、操縦士や客室乗務員が浴びる放射線被爆量は年間数ミリシーベルト程度で、人体に悪影響を及ぼすようなレベルではないとの認識だそうです。
この宇宙線被爆問題についてはまだまだ調査・研究の段階のようですから、CA掲示板の茶色さんのように宇宙線被爆を心配されている方もいらっしゃるようですが、あまり心配なさらなくても大丈夫だと思いますよ。
宇宙線が人体に与える影響についてはまだ未知なる部分がありますので、今後の研究・調査結果を待つしかありません。
【一般者T.K】

014 05.07.05 ハンドルネーム  Flying doctor
高々度を飛行するAirCrewがたくさん放射線を被曝していることは事実です。飛行中に浴びる放射線が人体に及ぼす影響については現在世界中で研究されていますが、これまでの医学調査からCrewに皮膚癌、乳癌、白血病の発症率が高いことは多数報告されています。このような事実に基づき、アメリカの運輸省は、”Aircrewが知っておくべき放射線被爆の知識”(What Aircrews Should Know About Their Occupational Exposure to Ionizing Radiation )という情報をWeb上で公表しています。
http://www.cami.jccbi.gov/AAM-600/radiation/trainingquestions.htm
日本のCAの皆さんがこのような健康知識の基本的教育を受けていらっしゃるのかどうか知りませんが、米国では国の施策としてこのような教育が行われています。数ある飛行路線のなかで、最も被爆量の多い路線の一つがJFK-NRT路線であることはご存じでしょうか?被爆量は高度が高いほど、緯度が高いほど多いことは常識です。単に飛行時間だけを比較しても意味がありません。この米国のホームページには、飛行年月、飛行路線、飛行高度、飛行時間を入力することで、おおよその被爆線量を計算する機能もあります。ちなみにNEW YORK-NARITAを往復すると約0.145ミリシーベルトの被爆を受けると掲載されています。米国の健康ガイドラインでは、一般人の被爆線量上限は年間1.0ミリシーベルトまでと定められていますから、いかに無視できない被爆量であるか、理解していただけると思います。Aircrewも、原子炉で勤務する人と同様に厳密な健康管理と労働条件の調整を受ける権利をもっているのではないでしょうか。しかし、Crewの皆さんが放射線モニターバッジをつけているところなど見たことがありません。それどころか、このホームページを見ると、日本の航空会社は労働条件を厳しくして、過剰な被爆を強いているように思えます。今月(2005年7月)、イギリスの有名医学雑誌に衝撃的な報告がありました。これまで、100ミリシーベルト以下のような低被爆量では発癌危険率はゼロとされていた医学的常識が覆され、100ミリシーベルトの被爆によって発癌リスクは10%も高まることが報告されました。つまり、高々度、高緯度、長時間の飛行が発癌リスクを高めていることは、放射線医学的にも因果関係が証明されたと考えられます。Aircrewの発癌、流産、胎児先天異常は、一種の労働災害と認められるべき疾患と言えるかもしれません。健康のために、是非、災害防止に取り組んでいただきたいと心から願っています。


で、ようやく
 政府が乗務員の宇宙線対策に乗り出した
という。

航空乗務員の被曝、宇宙線対策に指針 文科省が作成へ 2005年08月29日16時35分

 宇宙線の被曝(ひばく)による航空機の乗務員への健康影響を防ぐため、文部科学省は、航空会社に健康管理を促す指針を作成することを決めた。避けるべき被曝線量の目標値を設定し、社員教育の必要性なども盛り込む。欧米主要国では法律や指針による航空乗務員の被曝規制があるが、日本にはなかった。9月に開く作業部会で細部を詰め、年度内にまとめる。
 航空機の乗務員は、中性子などの宇宙線に長時間さらされるため、地上の勤務に比べて被曝量が増える。宇宙線との因果関係は不明だが、欧米では皮膚がんや乳がんの発生率が、航空乗務員で高いとの報告もある。
 航空機に年1000時間搭乗した場合は推定5〜6ミリシーベルト、平均的な800時間程度の搭乗でも3〜4ミリシーベルトの被曝量になる。国際放射線防護委員会(ICRP)の基準では、被曝量が年間1ミリシーベルトを超える場合、何らかの対応が必要としている。
 文科省は昨年7月から専門家による議論を重ねて、指針による健康管理が必要と判断した。目標値のほかに被曝量の推計方法、被曝量を減らす手法、被曝影響の実態、教育訓練の必要性などを指針に盛り込む考えだ。
 ICRPは90年に宇宙線による被曝を「職業被曝」と位置づけるよう勧告した。国内では日本航空で約1万1000人、全日空で約6000人の乗務員が勤務しており、日本乗員組合連絡会議などの関係団体が90年代から国に繰り返し、対策を求めていた。


若い女性が多い職場なのだから、早く被曝規制を纏めてよ。少子化対策の大事な一つじゃないか。

客室乗務員連絡会のQ&Aに掲載されている、宇宙線被爆関係の記事は以下。


Q4: 航空機乗務員の宇宙線被曝について詳しく教えて下さい。

Q1: 宇宙線の発生の源、およびその成分はどのようなものですか?

A1: 宇宙線は、太陽系外における超新星爆発や太陽活動の際に放出される高エネルギー粒子です。
     ・1次宇宙線  宇宙空間における陽子、アルファ粒子、重粒子
     ・2次宇宙線  大気圏内(高度100 km 以下)における陽子、中性子、電子、ガンマ粒子、パイ中間子、ミューオン
     航空機乗務に伴う宇宙線被曝は、2次宇宙線によるものです。

Q2: 昨年、日乗連と客乗連とで各大臣宛に出した「宇宙放射線被曝に関する要請文」の中に、‘ 91 年以来、専門家の協力で独自に調査した’とありますが、どのように調査したのでしょうか?
  また、その結果を教えてください。

A2: 航空機乗務員の中で測定に協力していただける人たちを募り、携帯用の簡便な被曝線量計(胸ポケットにクリップで付けるタイプ)を装着してもらいました。この方法だと比較的容易に、他数回測定することが可能です。
     (尚、この測定で航空機の計器に影響を与えることはまったくありません)
  この結果、年に 800 〜 900 時間搭乗するとして、成田—ニューヨーク路線のみを搭乗する航空機乗務員の年間被曝線量は、約2.8〜3.2ミリシーベルトになります。

Q3:日本の法令では、放射線による被曝線量の上限値を、どのように定めていますか?また、航空機乗務員の放射線被曝の規制はありますか?

A3: 職業被曝をする人(原子力発電所の放射線業務従事者等)については、全身の年間線量限度は50ミリシーベルトで、3ヶ月ごとの線量当量が30ミリ シーベルトを超えないよう配慮されています。
     (尚、彼らの年間平均の被曝線量は、約1ミリシーベルトです。)
 航空機乗務員の宇宙線に起因する一人あたりの年間の被曝線量は、2〜3ミリシーベルトで、原子力発電所の労働者の2〜3倍です。にもかかわらず、航空機乗務員は現行法令の規制の対象外におかれています。

Q4: ICRP(国際放射線防護委員会)の 1990年勧告の内容とは?

A4: ジェット機の乗務員も職業被曝の範囲に加えるべきであるとし、その年間の線量限度(全身)を、20ミリシーベルトまでに、また、妊娠中の女子の腹部の線量限度を、2ミリシーベルトまでに、としています。

Q5: 放射線防護の原則とは何ですか?

A5: 放射線防護の原則とは、「無用な放射線被曝はできるだけ避ける」、「避けることのできない放射線被曝は、被曝線量をできるだけ低くする」というものです。ある値を定めると「この値まで許されるんだな」とついつい思い込みがちですが、線量限度はそういう性質のものでは絶対にないという事です。だからこそ、 年間線量限度が50ミリシーベルトと定められている原子力発電所の労働者の年間被曝線量は、約1ミリシーベルトにとどまっているわけです。
  日乗連の調査結果からは、1万人の航空機乗務員がいれば、平均してそのうち 16 〜 24 人がガンになって死亡するかもしれないという推定が出されています。一日も早い、官庁要請に沿った改善が求められます。


まさか華やかなイメージのある客室乗務員が、原子炉労働者の2-3倍の被曝量だなんてなあ。放射線は目に見えない。
政府は、航空乗務員のガン発生率など、疫学的な調査もちゃんとしてもらいたい。「世界で唯一の被爆国」というからには、こうした民間業務中の「放射線被曝」についても、きちんと結果を出して欲しい。核兵器だけが、健康被害を与えるわけではないのだから。

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