忍び寄る鳥インフルエンザ (その9) シベリアでも感染拡大 西ナイル熱も西シベリアで確認済み
鳥インフルエンザの感染拡大が止まらない。
こんどは日本へやってくる渡り鳥が夏を過ごすシベリアでH5N1型の感染が報道された。
鳥インフルエンザ、シベリアでも感染拡大ロシアのシベリアで鳥インフルエンザの感染が拡大し、衛生当局は2日までに、鶏の移動などを禁止する措置を取った。
ウイルスは高病原性のH5N1型。西シベリアのノボシビルスク州で7月から鶏2000羽以上が死んだほか、チュメニ州でもウイルスが確認された。人の感染は確認されていない。
ロシアの鶏肉は日本に輸出されていないが、日本の農林水産省は輸入禁止を関係機関に通知した。(共同)(08/02 21:08)
今回感染が確認された西シベリアから日本にやってくる渡り鳥は一部のカモ。
実は、西シベリアでは、鳥インフルエンザだけでなく蚊が媒介する「西ナイル熱」も確認されている。今年三月の報道。
シベリア西部で西ナイル熱確認、日本接近も【ワシントン4日共同】鳥から蚊、人間へと感染する西ナイル熱の患者が昨年、シベリア西部のノボシビルスクや周辺で初めて3人確認されたことが3日分かった。西ナイル熱は日本にはまだ侵入していないとみられるが、シベリアからは長距離の感染拡大に重要な役割を果たすとされる渡り鳥が、日本全国に多数飛来している。
このため国立感染症研究所(東京)は事態を重視。国内の大規模な飛来地を中心に、渡り鳥の感染状況の調査に乗り出すことを決めた。
患者の検査結果をまとめたロシア・ウイルス生物工学研究所のワレリー・ロクチェフ博士によると、3人は昨年5−8月にかけ高熱や脳炎を発症。血液などから、原因となる西ナイルウイルスや抗体が確認された。
シベリア西部は冬季は氷点下約50度にまで冷え込むが、夏季は気温が約40度に上がり、ウイルスを媒介する蚊の活動も活発。ノボシビルスクでは2002年夏に、カラスやマガモからウイルスが検出されていた。シベリアには渡り鳥がウイルスを持ち込んだとみられるという。
専門家の話では、人口密度が低いシベリアでの患者発生は、ウイルスが既にかなり拡大している可能性を示しており、早急な監視強化が必要。感染研は渡り鳥の採血調査や、鳥に寄生していたダニ、周辺の蚊などの調査を検討している。
日本にはシベリアで営巣するツルやカモ、シギ・チドリ類など多くの種類の渡り鳥が飛来。シベリア東部からの鳥が多いが、一部のカモなどは西部からも飛来している。西ナイル熱 感染は鳥と蚊の間で広がり、原因ウイルスを持った蚊に刺されると人も感染する。感染者の約80%は無症状で重症化するのは1%以下とされるが、重症になると高熱や脳炎を起こし、死亡することもある。主にアフリカや中東の風土病と考えられてきたが、1990年代後半に欧州やロシアで流行。99年には米国で初めて患者が発生し3年ほどで全土に拡大、2003年には1万人近くが発病し、うち264人が死亡した。
(ワシントン共同)
西ナイル熱は、日本国内にはウイルスが持ち込まれてない筈だが、あれだけ人の少ないシベリアで発生しているとなると、日本に渡り鳥経由で侵入するのも時間の問題か。
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