Kay Bojesenのカトラリー
近鉄百貨店奈良店で、
改装前の売り尽くし市
が始まったので覗いてきた。欲しかったのは
1l入りのサーモスの保温ポット
http://www.thermos.jp/products/home/thj1000.html
だったが、まあまあの値段だったので購入。ついでに魚焼き用の長い金串を買うと、
通常商品は二割引です
という。カトラリーが見あたらなかったので尋ねると、棚を一つ指さして
他に食器売り場にもございます
というので、まずは食器売り場を見に行くが、大したものがない。調理用品売り場に戻ると
Kay Bojesenのカトラリー
があったので、つや消し仕上げのディナーナイフ・ディナーフォーク・スープスプーン・デザートスプーンを買う。そうそう値引きのある商品ではないので二割引はお得感がある。
子どもの頃、父が
伯父に勧められた
と言って、Kay Bojesenの木のおもちゃを私たち姉弟に買ってくれた。その当時でかなり高価なものだったのではないかと思う。
舞台美術の仕事をしていた伯父は、こうしたデザインのよい商品に詳しく、時々、父が東京に出張に行くと
これはイイものだから、子ども達に買ってやれ
といろんな店に連れて行ったようだ。
わたしの小学校の入学祝いには
図画の時間に使いなさい
と言って、大きなスケッチブック、ホルベインの水彩絵の具12色セット、学童用じゃないホンモノの水彩用の筆一式、大きなスチールのパレットを贈ってくれた。
子どもだからこそ、イイものを使わなくてはいけない
というのが伯父の口癖である。
伯父は、今は亡き月光荘のおじさんに気に入られて、札幌で月光荘の品物を扱うセレクトショップを開いてたことがある。いせ辰の千代紙、コスモポリタンのチョコレートなど、その当時の札幌ではなかなか手に入らない商品を扱う店だったが、あまり流行らなかった。今なら、「レア物」流行りだから、たぶんそんなことはないのだろうが。
菓子屋に生まれたとはいえ、商売の素人に近かった伯父がこうした商品を仕入れることが出来たのは、アーティストとして必須の資質
人たらし
の才能に長けていたからである。なぜか、難しいと評判のある人達に気に入られていた。
伯父は今でも多くの人に好かれ、最近は伊藤熹朔の仕事を後世に残すのに奔走している。どうやらプロジェクトで、道具帳を読める人が他にいないらしく、期限を切られた道具帳の閲覧の際、必死に解読をしていた。
舞台美術の仕事は、その舞台や撮影が終わってしまうと、すべてが消えてしまう。少しでも記録しようという機運が、ようやくこの数年くらいの間に出てきたところだ。日本の大衆芸術に対する政府の理解は、誠に微々たるものだと思わずにはいられない。
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