宮城県沖地震 M7.2 天井が崩落した屋内プールの設計・施工 平成15年に出た地震対策の通知を無視
昨日の地震でおけがをされた方々にお見舞い申し上げます。
天井パネルが崩落したスポパーク松森のプールの設計・施工だが、昨日の懸念通り
平成15年に国交省・建築研究所が出した通知を無視
して作られたことが、今日になって報道されている。
プール事故 指示文書伝わらず仙台市泉区にある、スポーツ施設「スポパーク松森」の屋内プールは、先月オープンしたばかりですが、16日の地震で天井からつり下げられたパネルが落下し、26人が軽いけがをしました。同じような事故は、おととしの十勝沖地震の際、釧路空港のターミナルビルで起きたことから、国土交通省は全国の自治体などに、つり下げ型の天井を設置する際の安全対策を徹底するよう通知していました。宮城県によりますと、この通知は県から仙台市の都市整備局に伝えられましたが、工事を発注した環境局は「通知が伝わっていなかった」と説明しています。通知には、地震の際の事故を防止するため、つり下げ型の天井を設置する場合、パネルの取り付け方や補強の方法など5項目にわたって指示が記されています。仙台市は今回、環境局に指示が伝わらなかった経緯について確認を急ぐとともに、プールの天井のパネルに、こうした安全対策が取られていたかどうかも調べることにしています。
08/17 06:35
指示が伝わらなかった
って、設計を通して、建築の認可を与えたのは仙台市でしょうが。業者もアホだけど、図面を通した市も同罪。
続き。
2地震の落下天井と同構造 国交省が本格調査宮城県南部で震度6弱を記録した地震で落下した仙台市の複合健康施設「スポパーク松森」屋内プールのつり下げ型天井は、2001年の芸予地震や03年の十勝沖地震の際に落下した体育館などの天井とほぼ同じ構造だったことが17日、分かった。
国土交通省は2つの地震後に防止対策を都道府県に通知しており、プール天井の構造や施工に問題がなかったか、設計図や取り付け状況などの本格的な調査に乗り出した。宮城県警も同日、実況見分した。
スポパーク松森のプールは屋根からのボルトに金具で天井板をつり下げる構造。芸予地震で天井が落下した愛媛県内の体育館は屋根からのつりボルトが長く揺れやすい状態だったことや、天井を壁などに固定していたため横揺れで局所的な力が作用した。
(共同通信) - 8月17日9時54分更新
呆れるよね〜。
地震で壊れたから、税金を投入して調査、報告書を関係各所に送付して、以後、こうした構造で建築しないように
と国交省と建築研究所が通知を出したのは平成15年だ。
今回のスポパーク松森同様の構造で、十勝沖地震で被害が出た空港ターミナルビルなどの天井については、以下の報告書に、カラー写真で詳細な被害の状況が掲載されている。今回の天井の落ち方とよく似ている。
2003.10.14 2003年十勝沖地震における空港ターミナルビル等の天井の被害に関する現地調査報告
国土交通省 国土技術政策総合研究所 独立行政法人 建築研究所
http://www.kenken.go.jp/japanese/research/prd/list/topics/tokachioki-chosa/tokachi-20031015-1.pdf
芸予地震の際の天井の被害については
大規模空間を持つ建築物の天井の崩落対策について
(平成15 年10 月15 日 国土交通省 独立行政法人建築研究所)
http://www.kenken.go.jp/japanese/information/information/press/20031015.pdf
のpp.7-8に図で示されている。
国民の税金を投入して作られた、地震で壊れやすい天井構造の研究成果が、仙台市の「お家の事情」であっさりスルーされたのが実情だろう。要するに
PFI事業で、還流する「税金」にたかる業者とそれで利便を得る役人や政治家
が、今回の天井パネル落下の真犯人だ。たぶん、トカゲの尻尾切りで仙台市は乗り切ろうとするだろうが、内閣府が専用サイトまで作って、鳴り物入りで推進しているPFI事業
内閣府PFI事業ホームページ
http://www8.cao.go.jp/pfi/
でこの惨状
http://www.kahoku.co.jp/img/news/2005/20050817005jb.jpg
http://www2.asahi.com/special/050816/photo/image/04.jpg
http://www.sankei.co.jp/news/050816/sha033-1.jpg
http://www.yomiuri.co.jp/features/miyagioki/img/mi20050816_41.jpg
というのは
政府の顔に泥を塗りまくった
のと一緒で
中央の役人も政府も絶対許せない状態
だ。結構な大物まで波及するかも知れない。もし、波及しなかったら、仙台市の行政は問題大ありだ。
内閣府としては、PFI事業の信頼性が地に墜ちる結果となったわけで、意地になって責任追及をするだろうな。だって、このスポパーク松森の被害状況の写真を見れば、
やっぱりPFI事業ってダメじゃん。要するに地元の技術力のない業者に仕事流して、下請け・孫請け叩きまくり、叩かれた方は、建築材料の質を落として利ざやを稼ぎ、信頼性の低い、役に立たないハコモノをあちこちに税金ばらまいて作るだけじゃん。
って言われるだけだからな。
スポパーク松森に、第1回日本PFI特別賞(地域完結型PFI賞)を与えたのが誰かを考えれば、中央の関係者の怒りの大きさも知れようというものだ。かつ報告書を無視された国交省だって黙っちゃいないだろう。
夏休みでプールに遊びに来ていた子ども達や健康作りにいそしんでいたお年寄りがケガをしている。こういう無辜の市民に、構造の欠陥でケガをさせた罪は重いぞ。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント