「おすすめの株」@バブル期
以前、北京大学で短期留学していたとき、一緒になったのが、
元証券会社OL
だった。その子に教えて貰ったバブル期の証券会社の話。
「おすすめの株」
小金持ちが、百万円単位を握りしめて初めて証券会社を訪れる。その時、たいていは
おすすめの株
というのを買わされる。これは
証券会社は儲かるが、小金持ちは損するだけの銘柄
なんだそうだ。そのうち、小金持ちが株価が芳しくない「おすすめの株」に持っていた小金全部をつぎ込み終わる。もちろん、儲かるなんてわけがない。小金持ちは、ひっきりなしに
担当の〜さん、お願いします!
と悲鳴を上げながら電話を掛けてくるのだが、電話を取り次ぐ人間は必ず次のように答える。
もうしわけございません。〜はただいま「席を外しておりまして/出張しておりまして」(などなど)
絶対に損確定の小金持ちの電話口には出さない。もし、窓口に来たら、さっさと隠れるように指示が出る。かくして、小金持ちは、小金を巻き上げられる、というのだ。職場で一番下っ端だった彼女は、本人曰く、
「小金持ちオヤジの撃退担当」
だったそうだ。コツは
「あくまでにこやかに、機嫌を損ねないように、申し訳ないそぶりで不在を謝り続ける」
んだとか。
その子に聞いたところ
「一千万単位で種銭もってくれば、一回くらいは儲けさせるかな〜」
という返事だった。
「ドラクエ」
その頃、ドラクエが流行っていた。上記の小金持ちクラスは遙かに及ばない
優良顧客の一人
が、ドラクエに嵌った。かなりいい年のおじさんである。元証券会社勤務の子も、ドラクエをやっていたのだが、ある日、その優良顧客から、彼女の勤める支店に
ドラクエの最後まできたんだけど、どうしたらいいかわからない!
と電話が掛かってきた。支店長から
誰か、ドラクエ分かる奴いないか!
と声が飛び、手を挙げた彼女。
粗相のないように
と電話を回されると、必死で解き方を教え、その優良顧客は無事エンディングを迎えたという。
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