時代はまわる 明治開拓当時の官営工場とエゾシカ肉
北海道で小学生時代を過ごしたことがあれば
北海道の歴史
を勉強しただろう。ある時代の札幌市内の小学生なら
小学三年 わたしたちのさっぽろ
小学四年 わたしたちの北海道
という二冊の社会の副読本に覚えがあるだろう。で、三年生の時には
札幌に住み着いた最初の和人は志村鉄一と吉田茂八
http://www.city.sapporo.jp/chuo/gaikyo/gaikyo_nen.html
などと覚えるわけである。
四年生になると、北海道の歴史を勉強するのだが、アイヌの歴史は適当にはしょって、延々と
北海道開拓史
を学ぶ。で、
明治二年 開拓使を置く
から始まる。で、
初代開拓使長官 鍋島直正
明治二年、島判官が札幌建設着手
というのは、道民だったら常識だ。北海道開拓史は、
お雇い外国人の歴史
でもある。 北海道開拓とアメリカ開拓は状況が似てる、というので
アメリカから大量のお雇い外国人
がやってくる。「少年よ、大志を抱け」のクラーク博士もその一人だ。
お雇い外国人は、北海道で酪農、鉄道や近代的工場の建設などを指導した。
新しく開かれた田舎ほど、いきなり先進的な技術が導入される
のだが、北海道開拓はその例に洩れない。そうして作られた官営工場のうち、
ビール→サッポロビール
牛乳→雪印
となったりしたのだが、早期に潰れた官営工場には
エゾシカの缶詰工場
というのがあった。実は、
貴重な外貨を稼ぎ出す輸出用エゾシカ缶詰
を作っていたのである。なぜ、この工場が早々と潰れたかというと
明治12年の大雪でエゾシカが大量死したから
である。エゾシカの数はその後も減り続け、とうとう
明治20年にはエゾシカは禁猟となる
くらい減ってしまう。
エゾシカ豆知識 第16回「北海道開拓とエゾシカ」一部の人々は産業の対象としてエゾシカに目をつけました。彼らはエゾシカを大量に捕獲し、肉や皮、角などを外国に輸出したのです。当時の地方政府だった北海道開拓使は千歳市の美々に官営のシカ肉缶詰工場を設立し、フランスなどに輸出していました。皮もアメリカなどに輸出していました。国際社会に仲間入りした当時の貧乏な日本にとって、エゾシカは外貨を稼ぐ重要な自然資源だったのです。狩猟統計によると、明治6〜8年(1873〜1875年)には年間12万頭前後ものエゾシカが捕獲されていましたが、その後捕獲数は徐々に減少します。そして明治12年と14年(1879、1881年)に記録的な豪雪がエゾシカを襲い、大量のエゾシカが餓死したといわれています。こうして、乱獲と記録的な大雪によってエゾシカは絶滅寸前まで追い込まれ、明治23年(1890年)には全道的な禁猟になります。
したがって、道民にとって、エゾシカは、頻繁に食卓に上る食品ではなくなってしまった。
現在、北海道ではエゾシカが増えすぎ、しょうがなく
害獣として駆除
されている。で、肉をちゃんと食べてないらしい。ああ、もったいない。すくなくとも、奈良市内でわけのわからないものを食べている可能性のある春日大社のシカよりは、ずっとまともな餌を食べている、野生動物である。
「厄介者」エゾシカ、定番メニューに 道庁食堂で試食会
2005年09月23日06時06分エゾシカ料理を試食する高橋はるみ知事=22日、北海道庁で
http://www.asahi.com/life/update/0922/image/TKY200509220260.jpg北海道を代表する動物なのに農林業に深刻な被害を及ぼすエゾシカ。その「かわいい厄介者」の料理を北海道庁の食堂の定番メニューにできないかと、道庁で22日、試食会があった。
道内では03年度、エゾシカの被害が29億円に上り、04年度に6万5000頭を駆除。試食会では今年6月に捕獲した3歳のメスの肉が使われた。
ステーキやハンバーグなど10種類に50人が舌鼓を打った。高橋はるみ知事も「柔らかい。臭みもない」と満足げ。うまくいけば、厄介者が人気者に変身できそうだ。
是非、
撃ったら、解体して、皮や角、肉は有効利用して欲しい
と思う。低脂肪・低カロリーだし、実際においしいからなあ。
冬に向かう今がエゾシカのシーズンだ。
最近はこんなメニューもある。
エゾシカ料理を味わおう 夕食に「ジンギスカン」 バーデンかみふらの宿泊客の夕食に出しているエゾシカの陶板焼き風ジンギスカンと通信販売用の冷凍パック
http://www5.hokkaido-np.co.jp/onsen/article/img/20050728_02.jpg【十勝岳温泉】道外からの登山客らに北海道らしい料理を味わってもらおうと、十勝岳温泉郷の山荘「バーデンかみふらの」(佐藤清勝社長)が、今月から夕食にエゾシカ肉料理を出している。冷凍パックにしたシカ肉の通信販売も始めた。佐藤社長らは「将来はうちの名物料理に」と意気込んでいる。
バーデンかみふらのでは、宿泊客に特徴のある料理を−と、シカ肉に着目した。独特の臭みがあるため、肉を赤ワインに漬け込んで味をつけ、タレにはギョウジャニンニクを入れるなど、工夫してにおいを弱めている。
今月はシカ肉を扱っている釧路管内白糠町の加工施設から計三十キロを取り寄せ、宿泊客の夕食には「エゾシカの陶板焼き風ジンギスカン」を、また山荘内のレストランでは「エゾシカの竜田揚げカレー」を出している。「シカ肉は脂が少なく、高タンパクで低カロリー。道外、特に、関東から来たお客さんには好評です」と従業員の吉田徹さん(45)。ただ、旅の途中でシカを見た人には敬遠されることもあるという。
当面、宿泊客に出すほか、タレとレシピ付きのシカ肉ジンギスカンの冷凍パックを五百グラム入り九百四十五円で通信販売する。今後は地元産の季節の野菜とシカ肉をセットにした販売も計画中だ。(森川潔)
道産のエゾシカ肉やエゾシカ肉加工品の買えるところはこちらに。
エゾシカを活用した関連商品取扱施設
http://www.pref.hokkaido.jp/kseikatu/ks-kskky/sika/katuyo/katuyo.htm
上田精肉店 エゾシカ肉ラインナップ
http://www.ezodeer.com/mart/index.html
これによると100gあたり
ロース 578円(塊で販売)
肩ロース 368円(しゃぶしゃぶ用にスライスできる)
もも 368円
ももステーキ用 276円
ひれ 一本 大きさによって1575-2205円
エゾシカ味付けカルビ タレ付き 1470/2940円
だそうだ。
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