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2005-10-21

国民病花粉症患者を切り捨て アレルギー治療薬を保険外に 医療費改革とは国民高負担改悪→追記があります

国民の医療費削減、というお題目は、
 何を削るか
という議論になっているのだが、てっきり
 高齢者への不必要な過剰医療費を削減
するのだと思っていた。

ところが、現在検討されている
 非処方箋薬リスト
Excelファイル
PDFファイル
には
 大量の花粉症治療薬
が含まれているのだ。お医者のyさんに教えていただいた。花粉症やアレルギーで毎年治療してる人は、自分の使っている薬が含まれているかどうか、確認してみて欲しい。わたしの使っている薬はばっちり含まれている。しかもわたしが使えない「ステロイド入りの薬は保険診療の対象」という、なんともな感じだ。(追記 このリストには、ステロイド入り薬も含まれているとのこと。ステロイド必須の人には、大変なことになった 10/21 00:36)


 ザジテン、アレロック、ゼスラン、アゼプチン、アレギサール、インタールは保険給付外
 アスベリン、ホクナリン、ムコダインメプチン、ブロチン、濃厚ブロチンコデイン湿布薬アレルギーの点眼・点鼻全部自費
 リンデロン点眼 軟膏 クリーム非処方せん薬
 インタール内服から点鼻・点眼すべて

それだけじゃないぞ。眼科で瞳孔を開くときに使う

 ミドリンMもPも非処方せん薬

同じく眼科で処置を行うときに使う麻酔薬

 キシロカインまで非処方箋薬になる

のだ。これって

眼科で普通の治療をするには、一々自費治療になる
ってことじゃないか。いま
眼底検査に欠かせないミドリン
を自費にする、って何?それとも、新しい代替薬を使え、ってことか?ミドリンは長い間使われてきた散瞳薬なのに。ひょっとして、
散瞳薬ミドリンで、仮性近視や疲れ目の治療は出来なくなる
ってこと?

 ミドリン
http://www.interq.or.jp/ox/dwm/se/se13/se1311705.html
 ミドリンを近視に使っている例
http://www.ne.jp/asahi/ogi/home/back/053.html
(追記 キシロカイン=塩酸リドカイン 上記リストには、
内 キシロカインビスカス 塩酸リドカイン液 2%1mL
外 キシロカインゼリー 塩酸リドカインゼリー 2%1mL
外 眼科用キシロカイン液 塩酸リドカイン液 4%1mL
外 キシロカイン液「4%」 塩酸リドカイン液 4%1mL
外 キシロカインポンプスプレー リドカイン噴霧剤 1g
歯 歯科用キシロカインカートリッジ 塩酸リドカイン・エピネフリン注射液 1.8mL1管
が含まれている。ということは、歯医者の麻酔用キシロカインも含まれてるんだけど、これってどうなるの?他にもリドカイン製剤が含まれてるんだけど、これって局所麻酔はほとんど自費になる、ってこと?詳しい人、教えてください。)

つまり
 花粉症治療薬の大半眼科の日常的診療の一部自費負担にする
のを政府が狙っている。どういうことかといえば、
 花粉症治療眼科の治療の一部(仮性近視の治療など)贅沢診療
と政府が認めた、ということだ。ばかじゃねーの。委員会。仮性近視から真性の近視になっちゃった方がいいのか?
で、
 議長のオリックス宮内義彦氏
http://www.kisei-kaikaku.go.jp/about/list/commission.html
 前・議長代理のセコム池田亮氏
というのが生臭い。
どちらも
 医療・福祉分野で商売をもくろみ、現に行っている企業の代表
だからだ。
オリックスが経営する病院の例
http://www.orix.co.jp/grp/prs/prs04/050213_KouchiPFIJ.htm
セコムの事業内容(医療・福祉分野を含む)
http://www.secom.co.jp/corporate/group/index.html
このあたりについては、以下に。


第2568号 2004年1月19日 2004年 日本の医療は守れるか?

李 啓充 氏(医師/作家)に聞く
聞き手:本田 宏氏(埼玉県済生会栗橋病院副院長・外科部長)

(略)

李 はじめに株式会社の医療への参入の問題ですが,これを一番強く主張しているのは総合規制改革会議(註1)です。ここはビジネスチャンスの拡大という観点からものを言っています。混合診療についても同様です。総合規制改革会議の議長は,宮内義彦氏(オリックス会長)です。オリックスは医療分野に積極的に進出している企業であり,今後,医療におけるビジネスを拡大することをめざしています。また,前議長代理は飯田亮氏(セコム最高顧問)ですが,株式会社による病院経営の解禁を長年主張されていて,医療機関の買収や経営参加を行なっています。
 そうした直接の利害関係を持った方が国の政策を動かそうとしている。これは大きな問題です。「conflict of interest(利害の抵触)」(註2)ということを考えた場合に,本来利害関係を考えれば公に主張する立場にあるべきでない人が,自分をもうけさせろという主張しているわけです。しかも,「勧告権」というような言葉まで振り回して,自分たちが潤うような政策を権力を使って実現しようとしています。それだけでなく,大新聞の社説は,総合規制改革会議の政策があたかも正義であるかのように扱っています。日本の医療の問題が,特定企業のビジネスチャンスを拡大することで解決されるかのように唱えられている現状は,非常に嘆かわしく思います。
(註1)総合規制改革会議は昨(2003)年12月22日に最終答申を行ない,「株式会社による病院経営」や「混合診療」については検討が先送りされた。同会議の設置期間は今年3月で終わるが,小泉政権は今後も規制改革を重要課題の1つに位置付けていく方針で,「体制の強化」など,早くも後継組織のあり方が焦点となっている。
(註2)「利害の抵触」とは一般に,「ある役職に就く人が,その立場や権限を利用することで,その人自身や近しい人の個人的利得を得ることが可能となる状況」を言う。<中略>私情が入り得る状況では客観的かつ公正な判断を下すことができない危険があるし,仮に客観的かつ公正な判断を下すことが可能であったとしてもその意図が疑われることになるからである。換言すれば,「利害の抵触」に対する正しい対処は「利害が抵触する状況をつくらない」ことに尽きる(本紙連載「続・アメリカ医療の光と影」第18回より抜粋)。


国民病とも言える花粉症は、適切な治療を行わないと、作業効率が落ちる。政府は
 経済的な活動が鈍ってもいいから、花粉症治療を怠らせる
つもりか? 現在使われている花粉症治療薬が健保からはずれると、薬価が高くなり、治療に通えなくなる人が激増するだろう。

単なる
 医療費抑制
ではないのだ。なぜ、マスコミはこの件をきちんと伝えないのか?

さらに追記(10/22)
TBにあるとおり
 非処方箋薬=自由に買える薬
なのですが、現在、このために起こるメリット・デメリットについて調査中です。詳しいことが分かったら、別の記事を書きます。
基本的にアレルギー関連の治療薬が非処方箋薬になるのは何故か、考えてみました。
1.薬待ちだけで病院に行かなくてもイイ(これはメリット)
2.しかし、一発で薬が決まる、薬のコントロールが不要な場合はいいが、そうではなくて、なかなかあう薬のない場合は、医師に相談する必要がある
3.アレルギーの場合、簡単に「セルフメディケーション」にしてしまって、大丈夫なのか? 今でもすっぱりと治療が難しい(というか、大抵は「ぴったり合うかはわからないけど、この薬ならまあまあ」のあたりで妥協しているのではないか)のに、混乱を引き起こすのではないか
4.更に穿った見方をすると、老人は免疫が落ちてるので、アレルギーになりにくい、といわれている。アレルギーになる人は、圧倒的に若い人なので、アレルギー治療薬を非処方箋薬に入れているのは、将来起こる「超高齢化社会」に向けて、医師のマンパワーを老人医療に振り向けることができるようにするため? つまり
 老人医療以外は儲からないような構造改革
を考えているから?

ちなみに「セルフメディケーション」というのは、自分で薬の管理をするということなのですが、前提として
 患者が薬の情報を読み込める能力がある
 薬の情報が開示されている
という二点がないと成り立ちません。日本の薬害は、常に情報開示が不十分なところで起きています。今でも薬害が報告されていて、それは処方箋薬、つまりプロである医師がコントロールしている薬で起きていることなのですが、現在処方箋薬から外すことを検討されている上記リストの薬にも、いろいろな禁忌が書かれています。その禁忌が素人である患者にわかるのかどうか。薬の飲みあわせから、「使ってはいけない病気になっている」ところまで、全身の健康管理を常にチェックしてないといけないのですが、一気に売薬になると、その当たりをきちんとチェックできるのか。
医療費軽減という美名の元に、国民医療の質の大転換が隠れているのです。もちろん、何にでも医者に掛かる、というのは困りますが、国民に必要な情報やリテラシー教育を施さず、つまり
 国民にメリットになるような部分には全く金を掛けずに非処方箋薬を拡大する
ことを政府が狙っているのは、明らかに
 一見国民に利がありそうで、実は「自分の健康は自分で守ってね。もし非処方箋薬の禁忌に引っかかって、問題が起きても、自己責任でね」
と言ってるのと同じです。
わたしは眼科の病歴が長いので、非常に心配してるのですが
 なったことがわかりにくく、気がついたときには、重大な視覚障碍を引き起こす疾病には使っていけない薬
というのが、結構上記リストに含まれています。働き盛りの人は、そもそも病院に行きません。そういう人達が、手軽だ、という理由だけで、拡大される予定の非処方箋薬を買って、潜在していた眼科の病気を悪化させる可能性があるのです。つまり、政府は
 非処方箋薬を拡大するなら、それによって起こるデメリットをきちんと説明し、かつある年齢以上の人達には、受けるべき健康診断の指針と必要なら公費一部負担で検診を行う
必要があるのですが、それについてはスルーされています。

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