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2006-02-27

トリノ五輪 現地からのメール

久しぶりに友人からメールが来たと思ったら、仕事でトリノに派遣されているとのこと。今日で最終日、無事帰ってきて欲しい。現地でトリノ名物チョコレートは買う暇はあったのかな?

で、友人が危惧していたのは



安藤美姫は、辛そうに練習をしていた



ということだ。う〜む。友人は



オトナに強制されて、いやいややってるように見えた



と言う。代表選手が、外から見ても



自分の競技に喜びを見いだしてない状態



は、相当メンタル面で追い込まれていた、ということだ。ま、そんな練習をしている段階で、代表としてはアウトだと思うけど。

今回、安藤美姫は四回転を飛ぶ必要はなかったし、実際、飛んでもいなかった。フリーの採点表からジャンプに関するところだけを抜き出してみた。NBCのサイトより。



Rank/Country/Name/Total Element Score/Total Program Component Score/Total Deductions/Total Segment Score

16 /ANDO Miki /35.69/50.51/2.00/84.20

Executed Elements/Base Value /GOE/Judges' Scores/Scores of Panel

Triple Salchow/4.5/-3.00/-3/-3/-3/-3/-3/-3/-3/-3/-3/-3/-3/-3/1.50

Triple Lutz + Double Toeloop/7.3/0.00/0/0/0/0/0/0/0/0/0/0/0/0/7.30

Double Axel/3.3/0.14/0/0/0/0/1/0/0/0/1/1/0/0/3.44

Double Lutz/1.9/-0.43/-2/-1/-2/-3/-2/-2/-1/-1-/2/-1/-1/-1/1.47

Triple Flip/6.1x/-2.14 /-2/-3/-2/-2/-2/-2/-2/-2/-2/-3/-2/-2/3.96

Triple Loop/5.5x /-2.14/-2/-2/-3/-3/-2/-2/-2/-2/-2/-3/-2/-2/3.36

Triple Toeloop/4.4x/-3.00 /-3/-3/-3/-3/-3/-3/-3/-3/-3/-3/-3/-3/1.40

Deductions/Fall 2.00/2.00



採点表の見方については、いつもながらtac3gさんの「フィギュアスケート資料室」より、

 採点表の見方3

http://www.geocities.jp/judging_system/detail/score.html

を参照のこと。

まず、安藤美姫が

 四回転を跳べて良かった!

と言ってる、フリー最初のジャンプは、赤字で示した。採点表を見る限り、審判は

 トリプルサルコウの転倒ジャンプ

と判定、そのため点数は滅茶苦茶で

 基礎点(4.5)+演技点(-3)+着地失敗の減点(-1)=0.5

にしかなっていない。GOE=演技点は、演技の質を点数化したもので、回転不足など演技が要求基準を満たしてなければマイナス点がつき、逆に加点要素があればプラス点が付く。つまり、安藤美姫の最初のジャンプは、

 そもそも四回転になってない回転不足ジャンプを失敗

したのである。それなのに安藤美姫が「四回転を飛んだ」と言い張る理由は謎である。

 安藤美姫の「自称四回転ジャンプ」解析写真

http://ca.c.yimg.jp/news/20060224080745/img.news.yahoo.co.jp/images/20060224/jijp/20060224-04281914-jijp-spo-view-001.jpg

明らかに回転が足りない。

実況では、解説の佐藤有香が

 今日のジャンプが一番軸が出ていましたね。この調子で練習すればちゃんとできるようになる

と口にする始末で、つまりは

 トリノでの練習では、一回もまともな四回転ジャンプを成功してない

ってことだったのだ。その後、刈屋アナだったか、佐藤有香に

 五輪は練習場じゃありません

と名前を挙げずにばっさり切り捨てられていたのは、この

 安藤美姫の自称「四回転ジャンプ」

のことなのである。

 練習で完成してないものを、五輪で試しに飛んだ

態度が責められてるのである。

青字で示したのは

 ジャンプの失敗箇所

だ。安藤美姫はジャンプに定評がある選手だった筈だが、最初のジャンプ以外も、ボロボロ失敗してるのが分かる。全体で完全に着地に失敗したジャンプは、「自称四回転」を入れて二つ。これだけで減点二である。こんなに失敗すると、点数が伸びるはずがない。安藤美姫が本来成功出来たはずの三回転・二回転ジャンプの失敗だけで8.7点あまりを失っている。結果、ジャンプだけでなく他の演技にも精彩を欠き、フリーの順位は16位、前日のショートプログラム8位から、総合順位を15位に下げ、入賞すらできなかった。長野五輪で期待されながら13位に終わり、散々叩かれた荒川静香よりも低い順位なのだ。

安藤美姫本人の言では



 4回転をやって力尽きました。でもすっきりしました。降りられると思っていたけど、甘かった。(4回転を跳ぶことは)全然怖くなかったです。ジャンプを失敗して、足が疲れて滑れなくなってしまいました。でも夢の舞台で4回転に挑戦できてうれしく思います。



だそうだが、恐らく

 無理な減量とトレーニングで、スタミナを消耗していた

のだろうと思う。持ち時間四分の自由演技を最後まで滑りおおせないのであれば、代表としてリンクに立つ資格がない。

なぜ、こんな無惨な調整になったのか、安藤美姫のスタッフは、よく考えて欲しい。才能ある「天才少女」が、このまま潰れていくとすれば、それはマネージメントに問題があるからだ。

続き。フリー翌日の安藤美姫へのインタビュー。FNNニュースより。
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn/20060224/20060224-00000727-fnn-int.html(現在リンク切れ)


トリノ五輪 フィギュア女子の安藤美姫選手「バンクーバーにも出たい」と語る

トリノオリンピック、フィギュアスケート女子で4回転ジャンプに挑戦した安藤美姫選手(18)がフジテレビのトリノ特設スタジオを訪れた。
安藤選手は「(昨日はゆっくり眠れた?)あ、寝てないです。オール(ナイト)で来ました。(興奮 して眠れなかった?)いえ、電話してました(日本の友達と)」、「(オリンピックは今までの大会と違う?)そうですね、滑ってて気持ちよかったですね」、「(点数をつけるとしたら)演技自体は35点くらい。(この舞台で滑った自分に対しては)やっぱり逃げないで4回転をチャレンジしたっていうことは、よかったと思います。(今までの自分だったら)やめてますね。こんな大きな舞台でチャレンジしないです、普通は。(今回は)自分の夢をかなえたかっただけですね」と話した。


う〜ん。。。

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