巣山古墳木製品展示@3/4-3/5
楠で作られた木棺の蓋。舟形になっている。埋葬儀式の際に、遺体を石棺に移し、殯(もがり)に使用した木棺を破壊・廃棄したと考えられている。直弧文の彫刻が施されている。現在は色が分からないが、元々は朱が塗られていたと考えられる。
朱色の残る木製品の破片。何に使ったものかは不明。
古墳の周濠の隅の部分から出土。木製品はいずれも破壊された後、廃棄されている。また、分量も少ない。破棄には、隅など「意味のある場」が選ばれたのか。また、一部のみを廃棄したのか。その当たりは未だ謎のままだ。
直弧文は、古墳に飾られた木製品(橿原考古学研究所博物館に復原された木製品が展示されている)
や埴輪の装飾にも見られる模様だが、石棺や石室内の壁画に施されている場合もある。
朱は、古墳内部で石室の壁や石棺内に使われるが、木棺と棺を載せた舟にも全面朱が塗られていたようだ。
巣山古墳出土木製品からわかるのは、曳き舟のようにして、殯に使用された木棺を陸の上を舟に載せて古墳まで運び、古墳外部で殯→埋葬に移行する儀式を行い、遺体を石棺に移したらしい。
舟形埴輪は、下部に朱が残る例がいくつかある。これは、殯用の木棺、あるいは殯から本葬に移る儀式に使われる曳き舟を模したものか?
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