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2006-04-29

21世紀のΣ計画 (その4) Winny問題の間は会議が開かれてない「セキュア・ジャパン2006」(案)を提出した「情報セキュリティ政策会議」

え〜
 Winny対策
なんて提灯を掲げた報道がなされている「セキュア・ジャパン2006」(案)についてなんだけど、コレを決めたのは
 情報セキュリティ政策会議
http://www.bits.go.jp/conference/seisaku/index.html#seisaku05
だ。
で、今回の「セキュア・ジャパン2006」(案)の叩き台になったと思われるのは
 第4回会合(持ち回り開催)(平成18年2月2日)

 「第1次情報セキュリティ基本計画(最終決定版)」
http://www.bits.go.jp/conference/seisaku/dai4/pdf/4siryou03.pdf
なのだが、このpp.15-16に
 IPv6化
については、すこしくわしくかいてある。HTML版だと以下の部分だ。


第1次情報セキュリティ基本計画 第3章 今後3年間に取り組む重点政策−「新しい官民連携モデル」の構築−
(略)

[3]中長期的なセキュリティ対策の強化・検討
 情報セキュリティに関する要求仕様の共通化、年度途中での緊急事態対応に向けた取組み等、以下のような、政府機関が全体として協力して行うべき情報セキュリティ対策の実施を図る。

(ア)最適化対象の府省共通業務・システム及び一部関係府省業務・システムの開発との連携
 府省共通業務・システム及び一部関係府省業務・システムの最適化において、新たに開発(導入)するシステムについては、政府機関統一基準等との連携を図りつつ、情報セキュリティ機能の明確化等を通じて、情報セキュリティに関する要求仕様の共通化、信頼性の高い製品等の利用等を推進する。

(イ)セキュリティ強化に資する新規システム(機能)の導入検討とその実現
 次世代の電子政府構築に向けて、政府全体の業務・システムの基盤となる共通的なプラットフォームの構築・整備について検討等を行うことが重要である。そのプラットフォームについてセキュリティ強化を図るため、IPv6、国家公務員身分証ICカード、暗号、電子署名、生体認証等の新規システム(機能)の導入について総合的な検討等を行い、その実現を推進する。
 特に、今後、すべての政府機関の情報システムがIPv6を早期に利用できるようにするため、原則として2008年度までに、各府省の情報システムの新たな開発(導入)又は更改に合わせて、情報通信機器やソフトウェアのIPv6対応化を図る。


というわけで、「セキュア・ジャパン2006」(案)に出てきた

 2006年度において、ITの信頼性確保のための喫緊な取組みとして、OSにおいてアプリケーションに依存しない形でセキュリティを確保し、かつ、電子政府で直近に求められる基盤機能に絞り込んだ技術基盤の開発を推進する。

という言葉は一切ないのだ。てか、
 「仁義なきキンタマウイルス」による海自機密情報漏洩
は、2/23に報道されたのがきっかけで話が大きくなったから、
 2/2の叩き台の持ち回り会議と昨日4/28に開かれた今回の「セキュア・ジャパン2006」(案)発表のための会議
の間には、正式な会議は一度も持たれてない。つまり
 「仁義なきキンタマウイルス」による情報漏洩
が間に入っちゃったので
 Winny対策
は、
 あわてて付け加えた項目
ということになる。たぶん、この会議が招集された昨年7月14日の段階では
 IPv6化
が、目玉といえば目玉だったのが、ウイルス感染による情報漏洩で、
 官公庁のセキュリティがダメダメ
というのが明らかになったものだから、これは一大事、とりあえず
 産総研のXenoppixがあるから、アレをもとに話を
って役人の考えそうなシナリオだな。いかにも
 とってつけたような話
になっている。

で、昨日発表された2006年度の予算というのがわかりにくいのだが、この 
  OSにおいてアプリケーションに依存しない形でセキュリティを確保し、かつ、電子政府で直近に求められる基盤機能に絞り込んだ技術基盤の開発
に対する予算は、
 平成18年度情報セキュリティ関連予算について
http://www.bits.go.jp/conference/seisaku/dai5/pdf/5siryou04.pdf
に見える
 横断的な基盤の形成 58億8400万円
というのがそれか? いくらなんでも59億で「国産OS開発」は無理だろうから、本当に
 調査研究予算
って感じだ。たぶん
 補正でばっちり充填
という腹で進めるんじゃないかと思う。補正だと、あんまり突っ込みが入らないから、さくさく予算が取れる、という話だし。

流れはこんなところかな。
1. 政府としてITのセキュリティ政策会議をぶちあげる
2. 政策会議は「検討」するだけで、実際は「官僚の作文」に軽く突っ込みを入れて承認するのが仕事(基本的に、官僚の作文を根底から覆すような意見は取り入れられない)
3. 政策会議の体裁を整えるために、5回の会議を予定。シナリオでは「4回目に叩き台」「5回目に叩き台を元に、本案を発表」
で、普通はこれでいけるはずなのに
2'. 2と3の間に「海自機密情報漏洩」というビッグイベント挿入ってことになり、官僚大あわて。ともかく5回で会議が終了するように、根回し根回し。
かくして
3'. 叩き台より大分太った「セキュア・ジャパン2006」(案)完成。Winnyのおかげで「予算をぶんどる口実もできてウマ〜」
てなところですかね、この流れは。
 たくさん予算をぶんどるのが「イイ官僚」
だそうだから、よかったね、担当者。ちなみに、
 横断的な基盤の形成 58億8400万円
の予算ぶんどり合戦は、以下の表でその闘う省庁が確認できる。
 第1次情報セキュリティ基本計画と2007年度の重点施策の方向性との対応
http://www.bits.go.jp/conference/seisaku/dai5/pdf/5siryou0303.pdf
で、この中で埋まってない
 「グランドチャレンジ型」研究開発・技術開発の推進
って、産・学でもぎ取るところなのかしら?
 

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