中津川女子中学生殺人事件 (その2) blogもプロフィールも掲示板も残ったままの「少年犯罪」
今回の事件の特異性は、
被害者と加害者が作ったインターネット上のblogやプロフィールがいまだに消されてない
ということだろう。長崎の小学校同級生殺人事件の時も、被害者と加害者のblogがネットに残っていたが、今回のものは携帯でアップできる、さらに簡単なシステムで、いまや
誰でも自分の情報を世界に公開できてしまう
のだ。しかも、彼女たちは
それが、自分たちの仲間内だけで終わるとおもっていた
のが悲劇だ。
少年法によって
加害者の顔も名前もマスコミは公表できない
のだが、ネット上ではすでに、加害者の名前も顔もわかってしまっている。元はと言えば
被害者のblogやプロフィールが残ったまま
だからで、そこから加害者と被害者の生前の交友関係は見て取れる。加害者のプロフィールも探し出された。やりきれないのは
加害者のプロフィールを作ったのが、今回の被害者
だということだろう。加害者のプロフィールは二種類あるが、非公開、とされたプロフィールの掲示板には、このプロフィールを作った被害者が4/6付けで「一生懸命に作った。気に入らなかったらゴメンね」という内容の書き込みをしている。その二週間後に自分が加害者に殺されるとは、被害者は思ってもいなかったことだろう。
読売より。
別の少年に心変わり、被害者がブログで告白岐阜県中津川市のパチンコ店空き店舗内で、近くの飲食店経営清水恵子さん(40)の長女、直(なお)さん(13)(同市立第二中学2年)が他殺体で見つかった事件で、直さんはインターネット上に開設したブログ(日記形式の簡易ホームページ)で、逮捕された少年への思いなど事件に巻き込まれる前までの出来事を記していた。
記述はいずれも断片的だが、別の少年に心が移っていった経緯も触れており、少年が凶行に及んだ背景を探る上での手がかりとなりそうだ。直さんがブログを開設したのは今年1月。以来、ほぼ毎日、その日の出来事を書き込んでいた。
ブログを始めたころは、逮捕された少年の名字に「様」を付けた呼び名がたびたび登場し、一緒にカラオケに行き、「ちょーなかよぴっ」などと仲の良さをうかがわせていた。
しかし、「(少年とは別の男子から制服の)ボタンをもらえたから、めっちゃうれしい」と、ほかにも好きな男子がいたような記述もあった。
今月に入ってからは、別の少年の名前を挙げて、「なんで好きになっちゃったのさ—」と、心境に変化が生まれたことがつづられていた。
今月5日付のブログには、逮捕された少年との関係について、「喧嘩(けんか)して〜 仲直りして〜」と、トラブルがあったことをうかがわせていた。
最後の書き込みは、行方不明になった当日の19日未明で、「おやすみ〜」とだけ記されていた。
殺人容疑で逮捕された同市内の県立高校1年の少年(15)は交際のトラブルをほのめかし、「殺すつもりだった」と供述していることが22日、同県警中津川署の特別捜査本部の調べで分かった。
また、所在が分からなかった直さんの携帯電話も少年の供述どおり、現場に隠されているのが見つかった。
(2006年4月23日3時7分 読売新聞)
上記のように、読売など、マスコミは
削除されない被害者・加害者のネット上の情報
をニュースのネタに使っている。これは
探し出して、読んでくれ
と言ってるのと同じだ。
昨日のTBS「ブロードキャスター」放映までは、誰が加害者かわかっていなかったところがあったのだが、放映された内容から、それまで出ていた情報を総合すると、ほぼ加害者が確定してしまった。実は逮捕直後にいくつか実名らしき情報がネットには流れていた。
今回の事件に関しては「2ちゃんねる」だけでなく、携帯で書き込める掲示板などにも、加害者・被害者の情報が真偽入り乱れて書き込まれている。少年法の範囲では報道できないような内容を含むだけに、どれが本当でどれがウソかも検証できない。
はっきりしているのは、少年法はネット時代の情報発信にはまったく対応できてない、ということだろう。今後も、匿名報道は続き、ネットでは実名と顔写真が晒され続けるだろう。これまでと決定的に違うのは、
顔写真の公開
が
加害者本人が自分の意志で公開
しているものだという点だろう。第三者が、卒業アルバムなどをどこかから借りてきて、勝手に画像掲示板にアップしているというのではないのだ。
携帯電話のカメラ機能が、こうした
少年法の不備
を拡大することになってしまっている。で、法務省が動くとしても、
土日の間は削除要請すらしないだろう
から、加害者の実名も顔写真も拡散し放題である。結局は
アリバイ的な削除要請
にしかならない。
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