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2006-04-26

中津川女子中学生殺人事件 (その5) 少年審判の行方

これだけ
 手持ちのカードが不特定多数に晒されている少年事件
というのはこれまでなかったのではないか。

中津川女子中学生殺人事件だけれども、
 被害者のプロフィール・blog・掲示板
 加害者のプロフィール・掲示板
 被害者・加害者共通の友人のプロフィール・blog・掲示板
は、いまだにネット上に存在する。元のアドレスからは消されているが、
 一度ネット上に出た情報は消すことが出来ない
ので、場所を変えて、まとめサイトが作られている。それらは携帯電話からでもアクセスできるのだ。今でも、
 加害者の顔写真
は、簡単に見ることができるし、本名も分かる。なおかつ
 事件が起こるまでの被害者と加害者の関係
 事件後の共通の友人の反応
などが手に取るようにわかるのだ。マスメディアよりも、ネットユーザの方が情報の入手が早かったから、これらの情報を見ている人達は、
 少年犯罪のおきまりの報道パターンを、白けた気分で眺めている
のである。事実に近い記述は、当事者達の書いたもののなかにあるからだ。

今後、少年の弁護団がどう弁護を組み立てて、少年審判に臨むのか、それはわからないが、たぶん
 従来型のやり方
を考えていたのだろう。ところが、いくらマスコミをコントロールしようとしても
 マスコミとは関係なしに、不特定多数がアクセス可能な場所に、加害者・被害者・その周辺の友人達の動向が分かるテクストが流れている
わけで、事件に対して、一般市民から厳しい目が注がれているのは、いつもとはかなり勝手が違うだろう。弁護団のコメントに対して
 それは違うだろう、こんなこと書いてあるじゃん
という突っ込みを入れながら、ニュースを見ている人達が、たぶん十万人単位で存在する。閉鎖されるまでに、元のアドレスにアクセスした人数は、わたしが見た時点でも20万を超えてるページがあったから、少なくともその何分か一(同一人物の複数アクセスを除いて)は、
 加害者が被害者にプロフィールをつくってもらったこと
 被害者と加害者が一緒に行動したのがいつか、という事実
 被害者が呼び出される前後の友人達の反応
 行方不明になった後に判明した被害者の抱えていた問題
などを実際に見ているわけだ。今も同じファイルが拡散しているから、
 少年審判でいつもは隠されている事実
が、まるっきり開けっぴろげになった状態で、弁護活動も捜査活動も行われている。むしろ、
 少年事件だから、「報道制限が掛かっている」という物言い
によって、残されたblogなどから推定できる事実が、裏書きされたりしている。

ネットに流れた情報は、取り返すことが出来ない。

もう一つ、いつもながら
 法務局が加害者の名前や顔写真の削除要請を掲示板に出している
しているのだが、それによって逆に
 加害者の名前や顔写真が特定される
ということになっている。何度でも同じことが起きているのだが、どうして
 わざわざ「隠したい」個人が特定されるようなやり方
でしか、削除要請が出せないのか。
 人権を守る
といいながら、その実
 人権を結果的に侵害する
ことになるのが、法務局の削除要請なのだ。この矛盾はどう解決するのがいいのか。おそらくは
 電子掲示板の特性
に法がついていってない、ということだろう。いくら消しても、logは残るのだ。

続き。明日発売のフライデーがかなりエグい見出しを付けてるが、
 殺された被害者よりも、生きてる加害者を守る
のが少年事件で、こうやって、死者は鞭打たれる。

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