羽越線脱線事故 重傷の非番JR東社員、乗客救助を優先
羽越線脱線事故の一報が入ったとき
すぐに救助しないとダメだ
と直感した。北国生まれならすぐに気がつく。一晩は保たない。尼崎の脱線衝突事故とは違う。冬の寒気が間違いなく命を奪うのだ。
あの事故の際、運転手や車掌以外にも、非番のJR東職員が乗り合わせていた。彼らは被害の大きかった車両にいて、自らも重傷を負いながら、一人でも多く、そして早く乗客を助けようとした。
ありがとうございました。どうか、乗客の皆さん共々、職員のみなさんのおけがが快癒し、今後後遺症などが出ませんように。
毎日より。
羽越線脱線事故:JR非番社員、傷負いながらの救出劇特急「いなほ」が脱線転覆した事故では、乗り合わせたJR社員も懸命の救助に当たった。写真は警察や消防による捜索活動=山形県庄内町で2005年12月26日、長谷川直亮写す
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/images/20060408k0000e040072000p_size6.jpg「私は大丈夫。早くお客さんを」と叫ぶ運転士、自ら大けがをしながら雪の中から手だけ出ていた女性客を救出した社員……。37人が死傷した昨年12月の山形県庄内町のJR羽越線特急「いなほ」脱線転覆事故で、乗務員2人と帰省などで同乗していたJR東日本新潟支社員6人の事故直後の行動が、JR東日本の調査で分かった。猛烈な地吹雪の中、それぞれが負傷者の救出や避難誘導に奔走する様子が浮き彫りになる。8人のうち7人は現在も通院中だ。【斎藤正利】
事故当日は日曜日で、支社員6人は帰省後、勤務先に戻る途中、事故に遭遇した。今回明らかになったのは、JRが事故直後に、収容された病院などで聞き取ったものだ。
運転士(29)は、運転室の搭載機器が顔を直撃して右まぶたを切った。真っ暗になった運転室で非常用スイッチを操作。業務用携帯電話で新潟支社輸送指令に「列車が脱線した」と緊急連絡を入れ、運行中の列車の停止や救急車の手配などを要請した。
車掌(26)は二重衝突を防ぐための無線スイッチを即座に作動させ、携帯電話で「激しい揺れで緊急停止」と指令に報告した。2人は手分けして乗客の安否確認に走り回り、転覆車両内の乗客に毛布や車内カーテンを引きちぎって配布するなどした。
最初に現場に到着した山形県警の警察官は、6号車で救出作業中の運転士の様子を、「頭から出血しており、声をかけると『私は大丈夫です。早くお客さんを助けてあげてください!』と言っていた」などと警察内部の雑誌に記した。
支社の6人のうち5人は小屋に激突し「く」の字に曲がった先頭の6号車に乗車しており、いずれも「一瞬、体が宙に浮き、強い衝撃で座席や床にたたきつけられた」と語っている。
腕や太ももを強打するなどして3カ月入院する重傷だった新幹線保線センター員(49)は、雪の中から手だけが出ている女性客を発見。腰の骨を折るなどした信号通信課員(48)と協力し、窓ガラスの破片が散乱する雪を血で赤く染めながら救出した。
腰を強打するなどし3カ月入院した保線課員(50)も輸送課員(29)とともに、雪に埋もれた女性客を助け出した。顔を強く打つなどして重傷を負った保線技術センター員(47)は気を失った。意識回復後も動くことはできなかったが、周辺の乗客に声をかけるなどした。
昨年4月のJR福知山線脱線転覆事故では、JR西日本の運転士2人が負傷者を救助せずに立ち去り、厳しい批判を浴びている。
毎日新聞 2006年4月8日 15時00分
北国では、常に命への危機感がつきまとう。冬、屋外に長時間放置したら、その人は確実に凍死するのだ。東京や関西で、道ばたで寝込む酔っぱらいを見たときはさすがに驚いた。自分の身を自分で守るという最低のことすら、できないのかと。北国では、道で寝込むような酔っぱらいは、最低の存在と軽蔑される。そういう奴は、人に迷惑を掛けるだけだから、誰も一緒に外で飲もうとは誘わない。人一人を助けることで、自分の身も危なくなることが、北国の冬の戸外では往々にして起こるからだ。自分の酒量もわきまえない奴の巻き添えで、命をおとしたくはない。
暖かい地域に住む人なら、趣味で冬山に登りでもしない限り、経験しない日常が北国にはある。雪も冷気も、家という囲いがなければ、確実に命を奪いに来る敵だ。屋根の雪下ろしをしていて、雪に埋まったら? 道を歩いていて、落ちてきた雪や氷の直撃を受けたら? 人間はわりに簡単に死ぬ。
もし、トラブルに巻き込まれたら、ともかくも、身体を温め、不必要に冷やさず、体力の消耗を最低限にして、安全なところに身を置き、次の救助を待つ。北国で災害や事故に巻き込まれたときの備えは、北国生まれなら小さいときから身体にたたき込まれている。そうでなければ、死んでしまうだろう。
このJR東職員たちの行動は、もちろん、職業意識に支えられたものでもあるが、北国の冬を生きる必然の行動でもある。北国の人達が優しいとしたら、それは
自分の身は自分で守れ、それができないときは助け合って危難を凌げ
という行動規範が備わっているからだ。その代わり
我が儘で自分の身を守ろうとしない人間には、厳しい
のが、北国である。
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