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2006-04-29

21世紀のΣ計画 税金をドブに捨てるか?

またかよ。
共同より。


政府が独自ソフト開発へ ウィニー被害に対応

2006年 4月28日 (金) 21:29

 政府は28日、ファイル交換ソフト「ウィニー」を通じた情報流出が相次いでいる事態を踏まえ、コンピューターのウイルス感染、情報流出を防ぐ高度な情報管理機能を備えた次世代基本ソフト(OS)の独自開発に取り組む方針を決めた。「情報セキュリティー政策会議」(議長・安倍晋三官房長官)が同日まとめた実施計画「セキュア・ジャパン2006」の原案に盛り込まれた。6月上旬に正式決定する。

ソフト開発は民間の専門家の協力を受ける「産・官・学」の態勢で取り組み、来年度から政府機関での利用を目指す。民間への開放も検討する。内閣官房情報セキュリティーセンターは「世界最高水準のセキュリティーを目指す」としている。

はい、
 Σの悪夢
が、頭によぎったヒト、手を挙げて!

かつて通産省(現・経産省)が国税250億円をつぎ込んだあげく、大失敗した
 Σプロジェクト
があった。
 Σプロジェクト-Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/Σプロジェクト
 輪読.NET シグマプロジェクト
http://web.archive.org/web/20040331232427/http://www.rindoku.net/index.php?%A5%B7%A5%B0%A5%DE%A5%D7%A5%ED%A5%B8%A5%A7%A5%AF%A5%C8
これが、共同の誤報でなかったら、今回の
 国産OSプロジェクト
にも
 Σと同様のニオイ
がぷんぷんするなあ。

で、Winnyネタでマスコミがコメントを取りに行く
 IPA
は、2003年から
 グリッド・コンピューティング・プロジェクト
に携わっている。で、このプロジェクトを立ち上げたときに、経産省は次のように明言している。
日経BPのニュースから。


経産省がグリッド・ソフトで国家プロジェクトを始動
(略)

●Σプロジェクトの過ちは繰り返さない

 経済産業省はビジネス グリッド コンピューティングプロジェクトを成功に導くため、ビジネス グリッド コンピューティングプロジェクト推進委員会を7月15日に設置した。 同プロジェクトに対して提言・指導するのが推進委員会の役割だ。 早稲田大学副総長の村岡洋一氏が委員長。 経済産業省情報処理振興課の嶋田隆課長と、同省の外郭団体である情報処理振興事業協会(IPA)の藤原武平太理事長が官側から加わる。 民間からは、NEC、日立、富士通のソフト事業部門の幹部が参加した。

 「IT企業に対しても大きな発言力を持つ村岡氏を、推進委員会の長に頂くことで、プロジェクトの一体化を図る」(経済産業省関係者)。

 経済産業省は、1980年代後半にソフトウエア生産工業化計画(Σプロジェクト)と呼ぶ国家プロジェクトを推進して失敗した。 推進委員会の設置は、このときの教訓を踏まえての措置だ。

 Σプロジェクトは、ソフトウエア開発の“工業化”を進め開発生産性を高めるため、ソフトの部品化やそれに必要な標準化、ソフト部品を登録するデータベースを設置するという試みだった。 しかし、部品の開発環境やデータベースを稼働させるメインフレームに自社製品を売り込みたい大手メーカーの行動を抑えることができず、失敗に終わった。 (森 永輔)

で、2004年にはIPAのエライさんが、「ソフト工学推進組織」の始動に際し、Σ計画の失敗を踏まえて、こんな発言をしている。日経コンピュータより。


IPAのソフト工学推進組織が始動、「シグマ計画の轍は踏まない」


 独立行政法人の情報処理推進機構(IPA)は9月29日、ソフトウエア工学の研究組織「ソフトウェア・エンジニアリング・センター(SEC)」の設立を正式に発表した。10月1日に活動を開始する。産官学の枠を超えて議論し、ソフト開発を効率化する工学的手法を策定していく。その成果を生かして、日本のソフト産業の国際競争力向上に寄与することを狙う。

 SECの所長には、元NTTソフトウェア社長の鶴保征城氏(写真)が就任する(日経コンピュータ既報)。センターの運営資金は経済産業省が支援する。SECのために同省が確保した予算は今年度で14億8000万円。

 「経済産業省主導のソフトウエア関連プロジェクトとして、過去にシグマ計画や第五世代コンピュータがあったが、ソフト産業への寄与という点で必ずしも成功とは言いがたい。SECはこれらのプロジェクトと何が違うのか」という本誌の質問に対し、鶴保氏は「マーケティングを徹底した点が違う。ソフト業界として最も解決が熱望されている問題は何かを把握し、それを取り上げている。現時点で、ソフト開発のあり方を何とかしたいという問題意識は日本全体で高まっている」と話す。

 SECの主な活動は、(1)エンタープライズ系ソフト開発力の強化、(2)組み込みソフト開発力の強化、(3)先進ソフト開発プロジェクトの実施、という三つの柱で進める。

 (1)のエンタープライズ系ソフト関連では、ITベンダーとユーザー企業からソフト開発プロジェクトのデータを収集し、品質や工期、生産性などの定量データを測定・分析するエンピリカル・ソフトウエア・エンジニアリングを実施する。初年度中に1000例以上のプロジェクト・データを集めることを目標に、「すでに11社から了承を得ている」(鶴保氏)。この結果を基に、標準的な見積もり手法、さらに見積もり手法を含む開発プロセス全体の標準化を進めていく。

 (2)では、組み込みソフトにおける効率的な開発手法を策定するほか、組み込みソフトの開発に必要なスキルを体系的に整理する。(3)では、(1)や(2)で策定した手法を使って、実際にソフト開発に取り組む。まず、先進的交通システムの共通ソフトウエア・プラットフォームを開発する計画である。

 当初はSECの職員(IPAの研究者および企業からの出向者)30人、外部からの参加者120人(うちエンタープライズ系ソフト関連が50人、組み込み系ソフト関連が70人)の150人体制で発足する。鶴保氏は「ベンダー、ユーザー、研究者を問わず、国内屈指の有識者を集めた」と自負する。

 ユーザー企業として清水建設、東京ガス、東京電力、トヨタ自動車、リクルートなど、ベンダーとしてアルゴ21、NECソフト、NTTデータ、沖電気工業、キヤノン、新日鉄ソリューションズ、ソニー、東芝、日本ユニシス、日本IBM、野村総合研究所、日立製作所、富士通、松下電器産業、三菱電機など、大学として高知工科大学、電気通信大学、東海大学、東京大学、東洋大学、名古屋大学、奈良先端科学技術大学院大学、南山大学、日本大学、北陸先端科学技術大学院大学、早稲田大学などが参加する。このほか、ドイツのソフト研究機関であるフラウンホーファーIESE(実践的ソフトウエア工学研究所)とも協力する。

 SECの活動スケジュールは当面、今年度を含め3年(2007年3月まで)を計画している。IPAの藤原武平太理事長は、「初年度から目に見える成果を上げて、世に問いたい」と意気込みを見せる。
(矢口 竜太郎=日経コンピュータ)


ほ〜。で、
 新しい国産OSは官公庁は必ず使用
という条件で
 需要掘り起こし
ってことになるのか? そもそも
 動くかどうかもわからない"OS"
に、
 国民のすべての信頼を預ける
って、大博打なわけですが、安倍ちゃん、いったい
 いくら、わたしたちの税金をつぎ込む予定
なの?

なおかつ、
 SECの活動スケジュールは2007年3月まで
ってことは、
 今回の安倍ちゃんが発表した「セキュア・ジャパン2006」は、SECの「発展的延命政策」
ってことか?どう考えても
 産・学・官
って、SECに参加している機関とだぶるんじゃないの?
 IPA ソフトウェアエンジニアリングセンター
http://sec.ipa.go.jp/index.php
それとも
 新たなプロジェクト組織をIPAもしくは新組織に立ち上げる
のか?
なんか
 IPAが執拗にWinny叩き
をしてたのは
 本来はヒューマンエラーと情報リテラシの問題である「情報漏洩」
であるにも関わらず、
 WinnyやShare(仮称)は脅威
という誤った世論誘導をして
 「財政圧縮」といってる潮流に棹を差すことになる、多額の税金を費やし、かつ必ずしも成功するかどうかわからない国産OS開発
に、話を持って行きやすくするためじゃなかったのか、と疑ってしまいますが。

OSって
 基本設計と見通しが命
なので、素人目から見ると、こんな
 呉越同舟メンバー
で、うまくいくとは信じられないのだが。それとも
 既存OSの改造で逃げ切る
ってことか? このあたり、よくわからないのだが。

おまけ。yomoyomoさんのサイト"YAMADAS Project"から。
 シグマはどこへ消えた?
http://www.yamdas.org/column/technique/sigma.html

さらにおまけ。わたしは「逆張り体質」なので、これだけ安倍ちゃんに愛を注いでいるってことは
 自民党新総裁は安倍ちゃん
で決まりかな?

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