背筋の伸びた重源さん
昨日は、奈良博恒例、金曜日の観覧時間延長日。歯医者の帰りに
大勧進 重源ー東大寺の鎌倉復興と新たな美の創出ー
を覗いてきた。入館時間は五時半過ぎで、小雨模様なのだが、思ったより人が来ていた。
重源といえば、東大寺にある
国宝 重源上人坐像(ちょうげんしょうにんざぞう)
http://www.narahaku.go.jp/exhib/2006toku/chogen/chogen-01.htm
である。晩年の重源坐像で、背は曲がり、老いの影深い重源の姿を捉えた傑作だ。今回の展示では、
背筋の伸びた重源さん
の坐像も出陳されている。東大寺の像より若い重源さんを写したものらしく、
大勧進をやり遂げる意欲
に満ちた重源の気迫を感じ取れる。もう一体、
すこし年を取ったけど、東大寺の像よりは若い重源さん
の像もあり、重源の生涯の戦いを坐像から読み取ることが出来る。そりゃ、芸術的価値というか仏師の腕前は、東大寺の重源坐像が一番なんだけど、それより若い重源さん像の向こう側にあるものを透かして見るのは、許されるだろう。
重源さんの三種の坐像を見て、山折哲雄先生を思い浮かべたのは何故だろう。
重源は浄土宗の開祖・法然との関係が深いので、
え、これがあるのか!
という浄土宗関係の重要な展示が多い。
京都・二尊院蔵・南宋から将来した浄土五祖図
http://www.narahaku.go.jp/exhib/2006toku/chogen/chogen-07.htm
とかね。展示を見ながら、鎌倉仏教の復習ができる。
しかし、東大寺の
快慶作 僧形八幡神坐像
http://www.narahaku.go.jp/exhib/2006toku/chogen/chogen-02.htm
は、いつ拝見しても美しいお像だ。東大寺と八幡神とは切っても切れない関係にあるが、この八幡神坐像は秘仏として伝持されているために、保存状態がすばらしい。展覧会でもなければ、近くでお像を拝見する機会はないのだが、今回はゆったり展示されているので、飽かず眺めることが出来る。なんとももったいない話ではある。
おまけ。
奈良博ではただ今、
解説ボランティア募集中
だ。締切は6/2。
http://www.narahaku.go.jp/news/volunteer/volunteer-2006.htm
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