« 高松塚古墳壁画損傷問題 湯山賢一・現奈良博館長が黒黴発生の隠蔽を指示 文化庁に自浄作用はあるのか | トップページ | かわいい「カーソル泥棒」 »

2006-06-18

学力崩壊 2006年度入学の大学生

今は亡き畏友penさんが
 来年から新入生が大変だ
と言っていたのは、いつ頃だったか。
 新課程だよ、こんな教育内容なんだよ、ダメだよ、大学で補習しないと授業について行けない
おそらく10年くらい前だったと思う。確かに新課程の新入生は、前年度までの新入生に較べて、漢字も書けないし、数学も今一だった。そもそも習ってないんだから、彼らの責任ではないのだが。
今年からは、その新課程の学生が遙かに優秀に見えるくらい、すかすかの教育課程を経た新入生を迎えた。確かに、キャンパスの雰囲気がちょっと違う。妙にざわついた感じがある。
悪名高い
 ゆとり教育世代
なのだ。そもそも少子化で大学は入りやすくなった上に、大学教養程度の授業に必要な勉強をしてないんだから、大学の授業のレベルは下げなければ、学生が理解できない。文系はともかく、数学や物理や化学をいきなりバリバリ使って、講義をするつもりだった理系の先生方はつらいだろう。なんせ
 習ってない
のだから、マイナスから始まるのである。そのマイナスがどこまでマイナスなのか、それすら手探りだ。
ゆとり教育世代の高校生に驚かされたのは
 長岡京
を知らなかったときだ。日本史履修前の二年生だったけど、
 中学で習いませんでした!
と声を揃えて言われたときは愕然とした。わが母校札幌南高での話である。というか
 習わなければ、知らなくてイイ
という態度にも驚いた。普通、学校の勉強なんてつまんないから、日本史が好きだったら、さっさと自分でいろいろ調べるんじゃないのか? 教科書に書いてあることなんて、たいしたことないんだから。たまたま、日本史好きな生徒がいなかっただけかも知れないけれども、そういう意味では、
 ゆとり教育世代の高校生は、詰め込み教育時代の小学校高学年にも負けるかも知れない
と思った。好奇心の向かってるところが、違うのだろうな。ゲームのキャラクターには詳しいかも知れないけど。
今は、口を開けて待っていれば、知識は簡単に手に入る。googleで検索すれば、一々重い百科事典を引かなくても、必要な知識はすぐさま見られるのだ。ただし、苦労してない分、知識が身に付かないような印象がある。

で、こんな記事。
徳島新聞より。


ゆとり教育1期生の知識不足カバー 県内大学、補習実施

 「ゆとり教育」を掲げて三年前に導入された新学習指導要領で学んだ高校生が今春、大学に進学し、大学側は「二〇〇六年問題」と頭を悩ませている。教わる内容が旧指導要領より大幅に削減された科目があり、これまでの指導法では授業についていけない学生がいるため。理系の学生の事態は深刻で、徳島県内でも入学後、高校の学習内容を補習する大学が出ている。

 新学習指導要領では学習内容が三割程度削減され、数学では工学部に必修とされる積分方程式を教えず、生物でも光合成の化学反応式を教えないなど内容が基礎にとどまっている。理科は他大学と併願受験しやすいように専攻と異なる科目での受験が増えていて、専攻に必要な基礎知識を入学後に学び始める学生も少なくない。

 危機感を強めた大学側は、こうした事態を「二〇〇六年問題」と位置付け、昨年度から徳島県教委と情報交換会を開いて実態の把握に乗り出し、削減された学習内容の補習を始めている。

 徳島大学は、一年生前期の「共通教育」に卒業単位に含まれない自由科目「自然科学入門」を開講。大学教育に必要な高校レベルの数学、物理、生物を教えている。

 徳島文理大学工学部(香川校)も「工学のための基礎教育」で、新入生に数学と物理の基礎を教える授業を週三時限設けた。助手六人で構成する「家庭教師グループ」が交代で自習室に毎日待機し、マンツーマンで質問も受け付けている。

 同学部一年の武富美博さん(21)は「大学で物理が必要だが、高校で履修しなかったので補習で助かっている」と頻繁に自習室に通う。

 補習は高校で履修した学生には物足りない授業になるため、徳島工業短期大学では、他の学生の補習中、履修した学生に高度な内容のプリントを配って対応している。制度を設けていない鳴門教育大学や四国大学では、各授業ごとに教員が対応している。

 徳島大全学共通教育センターの桑折範彦教授は「学部の機能は、研究より教育の性質が強まり、研究は大学院に持ち越される可能性がある。一方、就職先が求める水準はこれまで通りのはずなので、送り出すまでが勝負」と話している。


ま〜、理系は大変ですよ。数年前でも
 京大の工学部で、とんでもない状態になっている
と肩を落としてたんだから。そこからもっとレベルが下がってるわけで、理系教育は崩壊の危機だろう。

掲示板ではこんな声が聞かれる。【徳島】大学悩ます「2006年問題」 ゆとり教育1期生の知識不足補うために補習実施スレッドより。

126 :名無しさん@6周年:2006/06/16(金) 20:24:55 ID:ZVhI/va60 ゆとり教育一期生だからか〜。納得。 専門学校で講師のアルバイトしてるんだけど、 今年の1年生は授業を受ける態度(常識的なしつけ)ができてなくて、 例年よりも「幼いなぁ、手間がかかるなぁ」と感じていた。

129 :名無しさん@6周年:2006/06/16(金) 20:30:49 ID:N82J052v0
>>126
どんな専門学校か知りたい。
俺は出来のあまり良くない高校で講師のアルバイトをしているが、
勉強のべの字も分からないような生徒がたんまり専門学校進学を
希望しているのだよ。

137 :名無しさん@6周年:2006/06/16(金) 20:42:49 ID:ZVhI/va60
>>129
医療・福祉系です。頼むから手間のかかるのをこっちへ送らないでくれ〜w
去年までは勉強に対する熱意みたいなのを生徒から感じたんだけど、
今年の子はね、なんか中学生みたいに落ち着きがなくて、集中が持たない感じ。
これからどんどん授業内容が難しくなっていくのに、大丈夫かねえ。
今年は、静かにしろ!など、くだらないことで怒ってばっかりだよ。

138 :名無しさん@6周年:2006/06/16(金) 20:45:34 ID:ulThJg3b0
>>137
医療福祉専門学校ってなんか大変なの多そうだよな。
頭のいい奴は普通大学行って資格取るもんな。


医療系で、学生が勉強嫌いだと、教える方は大変だ。てか、学生は資格試験通らないだろうに。

理系の雄、東工大でも事情は似たような感じらしい。


242 :名無しさん@6周年:2006/06/16(金) 22:30:10 ID:jfhboRFd0
東工大でもゆとり教育の影響が出ている
物理が苦手な東工大生や数学が苦手な東工大生が一杯いる
東工大でこれでは日本の将来が思いやられる

244 :名無しさん@6周年:2006/06/16(金) 22:31:42 ID:BvpZPZCP0
>>242
心配無用。物理が得意な奴なんてもともと少数。


245 :名無しさん@6周年:2006/06/16(金) 22:32:03 ID:N1nA2OML0
>>242
そういう奴らは何で東工大に行こうと思ったのかねぇ

246 :名無しさん@6周年:2006/06/16(金) 22:34:07 ID:aNZOmRaY0
>>245
就職がいいとか?

276 :名無しさん@6周年:2006/06/16(金) 22:53:18 ID:jfhboRFd0
>>269
東工大でも自然対数を知らない奴がいたぞ
二次方程式解けない奴もいたorz
バイト先で聞いた話では東大の電気では可変抵抗しらない奴がいるとか
日本終了が近いようです


配属にもよるけど、基礎教育に時間が掛かりそうだなあ。

他の大学も推して知るべし。


257 :名無しさん@6周年:2006/06/16(金) 22:38:57 ID:YKMa//mo0
>>234
レベルは下がっているらしいぞ
灯台強大クラスですら頭を悩ましているらしい

264 :名無しさん@6周年:2006/06/16(金) 22:42:20 ID:jfhboRFd0
(略)
>>257
はっきりとうちの大学の冊子にも書いてあった
基礎学力の低下を感じるようになったと教官が酒の席で言っていた
具体的に言うと昔の学年真ん中位の学力の生徒のそれと
今の学生の上位一割はもう変わらないと言っておられました


で、一番詰め込んでたときと較べてどのくらい削られたか。
ゆとり教育世代の高校数学。

221 :名無しさん@6周年:2006/06/16(金) 22:05:57 ID:1KTCrviW0
今年現役で大学に入学した18歳ですが、使ってた数学の教科書の中身はこんな感じでした。

数研出版 数学I

 第1章 方程式と不等式
  第1節 式の計算…1. 多項式 2. 多項式の加法・減法と乗法 3. 因数分解
  第2節 実数…4. 実数 5. 平方根
  第3節 1次不等式と2次方程式…6. 1次不等式 7. 2次不等式

 第2章 2次関数
  第1節 2次関数とグラフ…1. 関数とグラフ 2. 2次関数のグラフ 3. 2次関数の最大と最小 4. 2次関数の決定
  第2節 2次不等式…5. 2次関数のグラフとx軸の位置関係 6. 2次不等式

 第3章 図形と計量
  第1節 三角比…1. 正接・正弦・余弦 2. 三角比の相互関係 3. 三角比の拡張
  第2節 正弦定理と余弦定理…4. 正弦定理 5. 余弦定理 6. 正弦定理と余弦定理の応用
  第3節 図形の計量…7. 三角形の面積 8. 球の体積と表面積 9. 相似と計量

数研出版 数学A

 第1章 場合の数と確率
  第1節 集合とその要素の個数…1. 集合 2. 集合の要素の個数
  第2節 場合の数…3. 場合の数 4. 順列 5. 円順列・重複順列 6. 組合せ 7. 二項定理
  第3節 確率…8. 事象と確率 9. 確率の基本性質 10. 独立な試行の確率 11. 反復試行の確率 12. 期待値

 第2章 論理と集合
  1.命題と条件 2. 逆・裏・対偶

 第3章 平面図形
  第1節 三角形の性質…1. 三角形の辺と角 2. 三角形の外心, 内心, 重心
  第2節 円の性質…3. 円周角 4. 円に内接する四角形 5. 円と直線 6. 方べきの定理 7. 2つの円の位置関係

228 :名無しさん@6周年:2006/06/16(金) 22:19:11 ID:1KTCrviW0
数研出版 数学II

 第1章 式と証明
  1. 多項式の除法 2. 分数式とその計算 3. 恒等式 4. 等式の証明 5. 不等式の証明

 第2章 複素数と方程式
  1. 複素数 2. 2次方程式の解と判別式 3. 解と係数の関係 4. 剰余の定理と因数定理 5. 高次方程式

 第3章 図形と方程式 
  第1節 点と直線…1. 直線状の点 2. 平面上の点 3. 直線の方程式 4. 2直線の関係
  第2節 円…5. 円の方程式 6. 円と直線
  第3節 軌跡と領域…7. 軌跡と方程式 8. 不等式の表す領域

 第4章 三角関数
  第1節 三角関数…1. 一般角と弧度法 2. 三角関数 3. 三角関数の性質 4. 三角関数のグラフ 5. 三角関数の応用
  第2節 加法定理…6. 加法定理 7. 加法定理の応用 8. asinθ+bcosθの変形

 第5章 指数関数・対数関数
  1. 指数の拡張 2. 指数関数 3. 対数とその性質 4. 対数関数 5. 常用関数

 第6章 微分法・積分法
  第1節 微分係数と導関数…1. 微分係数 2. 導関数
  第2節 導関数の応用…3. 接線 4. 関数の増減と極大・極小 5. 最大値・最小値 6. 関数のグラフと方程式・不等式
  第3節 積分法…7.不定積分 8. 定積分 9. 面積

237 :名無しさん@6周年:2006/06/16(金) 22:27:42 ID:1KTCrviW0
数研出版 数学B

 第1章 平面上のベクトル
  第1節 平面上のベクトルとその演算…1. 平面上のベクトル 2. ベクトルの演算 3. ベクトルの成分 4. ベクトルの内積
  第2節 ベクトルと平面図形…5. 位置ベクトル 6. ベクトル方程式 7. ベクトルの応用

 第2章 空間のベクトル
  1. 空間の基本的図形 2. 空間の座標 3. 空間のベクトル 4. ベクトルの成分 5. ベクトルの内積 6. 位置ベクトル 7. ベクトルの応用 8. 座標空間における図形

 第3章 数列
  第1節 数列とその和…1. 数列 2. 等差数列とその和 3. 等比数列とその和 4. 種々の数列
  第2節 数学的帰納法…5. 漸化式と数列 6. 数学的帰納法

 第4章 統計とコンピュータ
  1. 資料の整理 2. 資料の代表値 3. 資料の散らばり 4. 変量の変換 5. 相関変換 6. コンピュータによる統計処理

 第5章 数値計算とコンピュータ
  第1節 簡単なプログラム…1. プログラミング 2. 条件判断 3. 繰り返し処理 4. 配列変数 5. 流れ図
  第2節 いろいろなアルゴリズム…6. 整数 7. 循環小数 8. 記数法の変換 9. 方程式の解の近似値 10. 面積


さすがにコンピュータはゆとり教育世代で増えた項目だ。
昭和57年(1982)の資料を発見した人がいる。今から24年前の高校生の勉強はこんな感じ。

340 :名無しさん@6周年:2006/06/16(金) 23:55:52 ID:pmXuYed80
昭和57年1月発行の「高二時代 1月号」付録の「重要公式55マスターブック」より
これは共通一次のころだな。

【数1】…高校1年

P進法、整数の除法、判別式、解と係数の関係、解の分離、
不等式の証明、2次関数の最大最小、指数関数の計算、
対数の計算、常用対数、三角関数、正弦定理、余弦定理、三角形の面積、
ベクトルの一次独立性、分点のベクトル、点と直線との距離、円の接線、
2つの円、場合の数、確立の加法定理、確立の乗法定理

【数2B】…高校2年

平面のベクトルの内積、空間のベクトルの内積、空間における直線、直線の平行垂直条件、
平面の方程式、点と平面との距離、球の方程式、等差数列、等比数列、累乗の数列の和、
漸化式、数学的帰納法、二項定理、関数の極限値、微分法、曲線の接線と法線、
関数の増減と極値、最大最小、積分の計算、定積分で表された関数、面積体積、
行列の積、逆行列、行列と連立方程式、行列のn乗、点の一次変換、図形の一次変換、
回転、一次変換の合成、正弦余弦の加法定理、正接の加法定理、2倍角の公式、積和和積の公式


項目数だけ見てると、そんなに変わってないのだが、細かい部分はどうだろう?そもそも、
 高校の数学は教科書なんてやらない
のが普通で、授業はひたすら問題集を解いていた。てか、学校の教科書に書いてある、算数・数学の問題って、
 問題以前
だろう。教科書の問題がもし入試に出たら、驚くだろう。(でも、なぜか京大入試の文系数学は時々そういう「あまりにも基本的すぎて、答えるのに一瞬窮する問題」が出ることがあった)
ちなみに、共通一次世代は、それまでの一期校・二期校世代の先輩達に
 お前達はアホじゃ
と言われていたのである。

ネタかも知れないけど、なかなか怖い話。


544 :名無しさん@6周年:2006/06/17(土) 21:27:37 ID:izCgigSyO
一浪した某県立大一年生です

隣の席の女の子が、提出用レポートに「〜ってゆったから眠た」って書いてたから、「『〜って言(い)ったから寝た』じゃないの?」って聞いてみたら、「は?なんで?『ゆった』ってゆ〜じゃんw」って反応でした。


電車でお婆ちゃんに席を譲れるような、いい子なんだけどね…orz


結局は
 希望者は入学させて、どんどん落第させ、卒業を難しくする
以外に、大学教育の水準を上げる道はないだろう。別に入ったときに「マイナス」でもいいけれども、出るときはたくさん得て出て貰わないとね。
来年で大学全入になっちゃうんだから、こんどは
 留年OK、休学OKもちろんいつでも復学OK、気に入らなかったら転学OK
という自由な形にしないと、たぶん大学そのものが内部から崩壊するだろう。文科省もそのあたりの柔軟性を大学に与えて欲しい。あとは
 優秀な学生(学業・スポーツ・芸術分野)には奨学金を与える
のも忘れないで欲しい。なんだか知らないけど
 優秀な学生には冷たいのが日本の国立大学
という印象があるな〜。国家を担う人材育成を目指すのなら、優秀な学生はちゃんと経済面で支援しないと。これからは少子高齢化。たくさん欲しくても、優秀な人材の数は、その世代の子どもの数に比例して減ってゆくはずなのだから。

|

« 高松塚古墳壁画損傷問題 湯山賢一・現奈良博館長が黒黴発生の隠蔽を指示 文化庁に自浄作用はあるのか | トップページ | かわいい「カーソル泥棒」 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/109312/10572088

この記事へのトラックバック一覧です: 学力崩壊 2006年度入学の大学生:

« 高松塚古墳壁画損傷問題 湯山賢一・現奈良博館長が黒黴発生の隠蔽を指示 文化庁に自浄作用はあるのか | トップページ | かわいい「カーソル泥棒」 »