盗作疑惑 芸術選奨受賞画家の行方(その23) 和田義彦氏、「芸術選奨」を返上(速報)
とうとう、和田義彦氏が腹をくくった。芸術選奨を返上するという。ところが相変わらず
盗作ではない
と言い張っている。
文化庁や上級省庁の文科省のみなさまは、
自分たちが「芸術選奨剥奪」という「前例のない不祥事」に荷担せずに済んだ
とほっと胸をなで下ろしていることだろう。なんせ
前例がない
というだけで、官僚の世界では
あってはならないこと
だからな。しかも不祥事。これで
なんとか処分は免れた(もしくは、あったとしても軽くなった)
と思っているのかもね。でも、安心するのはまだ早い。問題は
文部科学大臣名義で与える賞なのに、盗作のチェック機能が全くない
ってことで、今後は
授賞に至るまでの過程を抜本的に改革しない限り、同じことは何度でも起こる
だろう。
共同通信より。
和田氏、賞の返上申し出 「不名誉受ける前に」今春の芸術選奨文部科学大臣賞に選ばれた洋画家和田義彦氏(66)の作品がイタリア人画家アルベルト・スギ氏(77)の絵画に酷似していた問題で、和田氏は4日、文化庁に賞の返上を申し出た。
和田氏はこれまで、文化庁の調査について「(盗作という)結果ありきだ」と批判していたが「今の情勢では主張が聞き入れられるとは思えず、賞の取り消しという不名誉を受ける前に返上する」と説明している。
作品の酷似については「(スギ氏との)深い交流を通じて啓発し合いながらの成果」と主張、今後の作品で疑惑を晴らしたいとしている。
(共同通信) - 6月5日0時15分更新
賞の返上を決めたのは、誰かが引導を渡したんだろうね。守護天使の美術評論家米倉守氏だろうか?
しかし、81年から半世紀にわたって盗作を続けてきた画家が
疑惑を晴らしたい
と言っても、
他の作家を盗作するだけじゃないのか
と思われるだろうな。果たして、
和田義彦氏のオリジナルと言える画風は存在するのか否か
だ。実際、
スーギ氏以外の画家からも盗作しているのではないか
と95年頃に噂があったようだからねえ。和田氏が勘違いしてるとすれば
今はインターネットで画像が公開されていれば、世界中どこからでも見ることができる時代になっている
ことだ。以前のように
海外の作品にアクセスできるのは、洋行帰りだけの特権
ではないのだ。もし、画集が必要であれば、オンライン書店などに手配して、望みの画家の画集を手に入れることも出来るだろう。つまり
真似しても真似しても、ネタ元を暴きにくる人達が狙っている
わけで、今までのような牧歌的な状況ではない。似た画像をピックアップできるソフトもあるようだし、
疑いを掛けられたら、結構しんどくなる
だろうね、和田氏に限らず、日本の洋画家達は。
続き。毎日が詳しい記事を載せている。和田氏から芸術選奨返上のファックスが届いたのだという。
絵画酷似問題:和田氏、芸術選奨返上へ 疑惑は重ねて否定芸術選奨文部科学大臣賞を受賞した洋画家の和田義彦氏(66)の作品がイタリア人画家、アルベルト・スギ氏の作品と酷似している問題で、和田氏は4日深夜、賞を返上する意向を毎日新聞社などにファクスで明らかにした。併せて文化庁にも返上を文書で申し出た。盗作の有無を判断する文化庁の審査会が5日開かれるが、和田氏は取材に対し「賞が取り消される可能性が大きく、非常に不条理だ」と疑惑を重ねて否定した。
ファクスは冒頭に「芸術選奨文部科学大臣賞 返上願い」と書かれたB4判の紙1枚。スギ氏の作品と酷似している理由を「三十五年間に渡る深い交流を通じて啓発し合いながらの成果」「出来る限り、形を同化して私なりの空間、造形性を技法とマチエール(材質感)で盛り込み、独自の世界を創造することが、この時代のテーマ」だったなどと説明している。
その上で「今の情勢では私の主張が聞き入れられるとは思われず、賞の取り消しという不名誉を受ける前に、この際、芸術選奨文部科学大臣賞を私の方から返上致したいと思います」と記した。
さらに賞は副産物にすぎず、今後の作品が疑惑を晴らしてくれるなどと創作活動への意欲もにじませている。
和田氏は4日、電話取材に「取り消される前に(返上願いを)出すことで、私のメンツが立つ」と語った。【油井雅和】毎日新聞 2006年6月5日 0時33分
人間、プライドだけが肥大するとこうなる、という見本みたいなファックスですね。
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