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2006-06-05

盗作疑惑 芸術選奨受賞画家の行方 (その24) 文化庁、和田義彦氏の「芸術選奨返上」願いに関わらず、本日審査会を開く予定

NHKが文化庁に尋ねたところ
 和田氏の「返上」願いとは別に、6/5の審査会を開く予定
だそうだ。
NHKニュースより。


盗作を否定 選奨は返上の意向

(略)
文化庁は、5日に芸術選奨の選考委員を務めた専門家らを集めて審査会を開き、盗作かどうかの判断を下す予定ですが、和田氏は、4日夜、NHKの取材に対し、5日に文化庁に賞を返上したいとする文書を提出する考えを明らかにしました。この文書で、和田氏は「構図が酷似しているのはローマの画家との深い交流の成果だ」として、盗作ではなく共同制作だとあらためて主張したうえで、「今の情勢でわたしの主張が聞き入れられるとは思えず、賞の取り消しという不名誉を受ける前に返上したい」としています。一方、文化庁は、5日の審査会で、この文書とは関係なく、盗作かどうか検討し、文部科学大臣賞の扱いを検討することにしています。

06/05 00:25


まあ、小坂文部科学大臣が
 6/5に審査会を開く
と明言してるんだから、当事者が何をやってもそれが覆ることがないのが官僚主義ってことなんだろう。

なんせ、高松塚古墳壁画損傷問題で、ただ今、文化庁は
 大臣に信用されてない
とびくびくしているらしい。
朝日より。


「報告した」「記憶にない」 国宝壁画損傷、解明足踏み

2006年06月04日12時08分

(略)
 文部科学省からもプレッシャーがかかる。小坂文科相は、調査委の結論を待って関係者の処分を検討する考え。文化庁単独で対応してきた。文化財のカビ対策について「専門家会合」を設け、省内に事務局を置く意向も示した。ある文化庁職員は「大臣は我々を信用していない」とショックを隠さない。
(以下略)


大臣に信用されてないというのは、官僚にとっては、驚天動地だろう。
芸術選奨も壁画の管理も、文化庁の
 美術学芸課の管轄
なわけで、新聞記事や記者会見を見ていると
 両方で同じ名前が出てくる
のに気がつく。
(追記 11:19)
例えばこんな記事。
朝日より。

「文化財保存、村民も」/高松塚古墳
2006年04月14日

(略)
 高松塚古墳の極彩色壁画(国宝)の劣化が発覚した04年6月以降、村は文化庁への不信感を募らせていた。今年1月、初めて村で開いた住民説明会で、同庁の加茂川幸夫次長が出席し、「情報公開が不十分だった。信頼回復に努めたい」と約束した。

 「文化庁からの連絡はそれ以降増えた。今回発覚したことは過去の文化庁の体質だと信じたい」。明日香村の脇田文化財課長は、同庁の変化を期待する。

(以下略)


スポニチより。

和田氏“盗作”否定 文化庁に文書提出
(略)
 芸術文化課によると、和田氏は約1時間にわたり同庁の加茂川幸夫次長と面談。酷似が指摘された作品について「スギ氏と共同制作したり、オマージュとして描いたものだ」と説明、スギ氏の「盗作だ」との主張に「きちんと反論したい」と疑惑を否定したという。

 同課は「芸術選奨の権威にかかわる問題なので早く結論を出したい。今後は選考方法の改善も検討したい」としている。
(以下略)


文化庁の実質的な「責任者」は、現在加茂川次長。前職は「高等教育局私学部長」だったそうだ。加茂川次長の前の素川富司次長は、2004年7月1日付で「スポーツ・青少年局長」に転出している。
第148回宗教法人審議会
和田義彦氏に文化庁の実質的トップが直々に話を聞いたわけ。官僚組織的にはでかい話みたいだけど、一般人にはこのあたりの機微は分かりにくい。しかも、和田氏は全然分かってなかっただろう。

そういえば、河合文化庁長官と以前同僚だった先生方に
 何で高松塚にしてもこの話にしても、河合さんは出てこんのや?
と聞かれた。一応、その都度
 長官は責任が及ばない職らしいです
と答えている。この点については、2005年10月に大地舜氏が確認している。


注1
文化庁長官は行政的な責任を取らなくてよい。したがって国会答弁なども次長が行う。だが形式的な人事権は所有している。(文化庁文化財課島田健治課長補佐)

(追記 ここまで)

ま〜、
 高松塚の一件で大臣に強い不信感があったところに、自分の名前を冠した「芸術選奨文部科学大臣賞」が盗作
とあっては、小坂文科相の怒りも宜なるかな、だ。いつものような
 官僚主導
というわけには行かないだろうね。

今回の「盗作疑惑」で傷ついた「芸術選奨」の価値を守るためには
 文化庁自らが、断を下す
以外に手はない。そして、
 同じことが二度と起きないように、事前の審査体制を抜本的に刷新する
必要がある。今まで絵画に関しては
 関係団体の推薦
などで決めてたようだけど、「盗作」疑惑はこれからも起きうるから
 類似した先行作品がないかどうかをチェックする第三者機構
に調査をさせないとね。また、国際的に恥をかくぞ。

しかし、和田氏のタニマチだったトヨタの奥田碩氏は、さぞかり腸が煮えくりかえってることだろう。せっかくF1に参戦して、多額の儲けをつぎ込み、会社のイメージアップを図り、ヨーロッパ市場の拡大を図ろうとしてたのに、この盗作事件は、今まで払拭しようとしていた
 やっぱり、日本人はヨーロッパの猿真似しかできない
という悪評を、ヨーロッパの人々に思い出させ、日本人を揶揄するネタになったのだから。それも贔屓の画家が引き起こした事件なのだから、念が入っている。フランス・イタリアの自動車会社あたりが、今回の経緯を知れば、トヨタの不見識をせせら笑うに違いない。
 やっぱりヨーロッパの猿真似をする奴は、イタリア人の猿真似をした絵がお気に入りなんだね。オリジナルを作る力もなければ、本物を見抜く力もないのだね。
と。トヨタのダメージは結構大きいかも。というか、ヨーロッパの階層社会では、このあたりの
 芸術に対する「見識」
は、F1に参戦するような自動車会社の経営者であれば
 当たり前に身に付いている教養
ではないかと思われるからなのだ。アメリカはどうだか知らないけど、ヨーロッパは手強い。

おまけ。

アルベルト・スーギ氏の公式サイトに設けられた「盗作問題」ページからリンクされて、世界中のこの問題に関心のあるヒトに発信されている
 模写or盗作? 和田義彦 文化庁盗作大賞受賞
http://plaza.rakuten.co.jp/maou2006/10000
では、
 個展開催を祝い、和田氏を囲む奥田碩氏の写真
なども紹介されている。肩書きは書いてないけど、顔を知っていれば、一発で
 トヨタの奥田碩氏は和田氏の支援者だ
とわかっちゃう仕組み。

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コメント

壁画の管理は文化財部美術学芸課ですが、芸術選奨は文化部の担当でしょう。美術学芸の名前に惑わされたかもしれませんが、お確かめください。

投稿: 吉備津翔 | 2006-06-05 08:09

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