盗作疑惑 芸術選奨受賞画家の行方 (その25) 文化庁、和田義彦氏の「芸術選奨」授賞取り消し(速報)
テレ朝の昼のニュースでたった今(11:53)、
文化庁が審査会を開き、和田義彦氏の「芸術選奨」授賞取り消しを先ほど決定
と報じた。
2006/06/05(10:58) 盗作疑惑の洋画家和田氏 芸術選奨を取り消し芸術選奨文部科学大臣賞を受賞した洋画家・和田義彦氏の盗作疑惑を受け、文化庁は臨時の審査会を開き、賞の取り消しを決めました。
和田氏をめぐっては、イタリア人画家・アルベルト・スギ氏の作品、20点以上を盗作した疑惑が持たれています。文化庁は、5日午前10時から芸術選奨の選考に当たった委員7人のうち3人が出席し、臨時の審査会を開催しました。取り消し理由として、和田氏の受賞を取り消す決定をしました。芸術選奨の取り消しは、初めてのことです。4日夜、和田氏からは「賞を返上したい」という内容のファクスが文化庁に届いていますが、盗作疑惑については、これまで「作品はオリジナルで盗作ではない」と反論していました。
フジは村上ファンド会見中心で全国ニュースにこの話題を乗せなかった。
これからNHKの昼のニュース。
NHKは
臨時審査会で「盗作と見られてもやむを得ない」と結論、受賞取り消しへ
という報道。(12:10)
少なくとも文科省と芸術選奨の審査会メンバーは、自らの不明を恥じ、アルベルト・スーギ氏に直接詫びるべきだろう。
続き。産経に短く一報。
和田氏の作品「盗作と判断」 芸術選奨を取り消し今春の芸術選奨文部科学大臣賞に選ばれた洋画家、和田義彦氏(66)の作品がイタリア人画家、アルベルト・スギ氏(77)の絵に酷似していた問題で、文化庁は5日、芸術選奨美術部門の選考審査員を再招集し、臨時選考審査会を開いた。
文化庁の調査内容や和田氏側の主張を踏まえた審査の結果、「盗作と判断せざるを得ない」と全員一致で判断、芸術選奨を取り消す結論を出した。受賞の取り消しは、芸術選奨が創設されて以来、初めて。
和田氏は4日夜になって「賞取り消しという不名誉を受けたくない」として賞の返上を文化庁に申し出ていた。また、2人の作品が酷似していることについては「(盗作と)受け取られても仕方がない」という旨の内容を文書で提出する一方で、一貫して盗作疑惑を否定。「私なりの手法で表現したもの」と強調していた。
(06/05 12:15)
毎日が「取り消しへ」を「取り消し」として記事を手直しして掲載。
絵画酷似問題:盗作認定、芸術選奨取り消す 文化庁盗作の有無を審議する草薙、酒井、建畠の各審査員(左から)=5日午前10時5分、手塚さや香写す
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/images/20060605k0000e040037000p_size6.jpg芸術選奨文部科学大臣賞を受賞した洋画家の和田義彦氏(66)の作品がイタリア人画家、アルベルト・スギ氏の作品と酷似している問題で、文化庁は5日午前、盗作の有無を判断する臨時審査会を開き、「盗作とみられてもやむを得ない作品があった」として授賞の取り消しを決めた。同日午後、文科省が正式発表する。賞取り消しは1950年の芸術選奨の創設以来初めて。選考のあり方も厳しく問われそうだ。
審査会には、3月に和田氏への授賞を決めた美術部門の審査員7人のうち、3人が出席(欠席した4人のうち3人が委任状提出)。終了後に会見した文化庁芸術文化課の鬼沢佳弘課長らによると、主な授賞理由となった回顧展「ドラマとポエジーの画家 和田義彦展」を中心に、和田氏とスギ氏の対面調査での発言、調書、図録などを検討。「盗作でないと証明する十分な根拠がない」という結論に至った。美術評論家の高階秀爾氏ら有識者4人にも意見を求めたが、「盗作の可能性をぬぐいきれない」との声が強かったという。
今年4月に匿名の投書が社団法人日本美術家連盟と文化庁に寄せられたことから、疑惑が浮上。文化庁の聴取に対し、和田氏は「スギ氏とは長い付き合いで、一緒に習作やデッサンをして影響を受けた。作品はスギ氏へのオマージュ(尊敬から似た作品をつくること)であり盗作ではない」と主張。スギ氏は「和田氏は私の絵のファンだと思っていた。画家と思ったことはない。和田作品を見て驚いている。明らかな盗作」と述べ、全面的に対立した。
さらに、和田氏は4日夜、毎日新聞社や文化庁に疑惑を否定したうえで賞を返上する意向を文書で伝えた。この中で和田氏は、「三十五年間に渡る深い交流を通じて啓発し合いながらの成果」「形を同化して私なりの空間、造形性を……盛り込み、独自の世界を創造することが、この時代のテーマだった」と説明したが、審査会では議論の対象にならなかった。
和田氏は東京芸術大大学院を修了。美術団体「国画会」に所属していたが、盗作問題で5月31日に退会勧告を受けている。【米本浩二、手塚さや香】
毎日新聞 2006年6月5日 10時41分 (最終更新時間 6月5日 12時17分)
ところで、
芸術選奨の選考過程で「ある委員が強く推した」
という噂があるのだが、今日出席あるいは委任状を寄せた委員は六人。一人だけ、欠席して委任状も出してない委員がいるのだけど、どうして? まさかその人が「噂の和田義彦氏を一押しした委員」じゃないよね?
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コメント
森村誠一氏のコメント
和田作品の文化庁裁定について
文化庁の裁定が下っても、それによって和田作品が消滅するわけではない。絵画に限らず、すべて創作物は作品さえよければよいのである。作品本位の価値こそ、芸術の栄光といえよう。
このことにめげず、和田氏が不朽の作品を産みつづけることを祈る。
二〇〇六年六月五日 森村誠一
>絵画に限らず、すべて創作物は作品さえよければよいのである。
小説も作品さえよければパクリ(盗作)オッケーなんですねw
投稿: エディ | 2006-06-05 22:40