盗作疑惑 芸術選奨受賞画家の行方 (その35) 東郷青児賞取り消しで、各地の和田義彦氏の作品所蔵美術館はどう出るのか
和田義彦氏が2002年の東郷青児賞を取り消されたことで、9月に和田氏の作品を展示する予定だったひろしま美術館の悩みは解消された。まずは、取り消し前の状況について。中国新聞より。
和田氏作品 広島で9月出品予定 '06/6/6▽ひろしま美術館 盗作疑惑に困惑
盗作疑惑を指摘された洋画家和田義彦氏の絵が、広島市中区のひろしま美術館で九月から開かれる「損保ジャパン東郷青児美術館大賞と池口史子展」に出品予定であることが五日、分かった。同館は「展示を見合わせる可能性もある」と困惑している。
出品リストにあるのは、和田氏が二〇〇二年に「安田火災(現損保ジャパン)東郷青児美術館大賞」を受賞した「想」。イタリア人画家アルベルト・スギ氏が一九九八—九九年に制作したとされる「交差点のバー」と、構図などの類似が指摘されている。
展覧会は九月十六日から十月一日までで、ひろしま美術館と損保ジャパン東郷青児美術館、中国新聞社が主催。
ひろしま美術館の渡部徳義副館長は「降ってわいたような話。展示するかどうかは、絵を所蔵する東郷青児美術館と相談した上で検討したい」と話している。(道面雅量)
今日、正式に東郷青児賞が取り消されたので、「想」がひろしま美術館に貸し出されることはなくなった。
で、損保ジャパン東郷青児美術館は、「想」などの和田義彦氏の作品を持ってるはずだけど、どうすんだろうね? 授賞取り消し、しかも理由は「盗作」だから、正規コレクションに入れておけなくなった。
三重県立美術館も、「郷土の画家」なので、たぶん作品を所蔵してるだろう。スーギ氏によれば、和田氏の「盗作」は最低でも60点はあるようだから、三重県立美術館のコレクションにも、この手の「スーギ氏模写作品」が含まれるだろう。
和田義彦氏の作品を所蔵している美術館が、そのコレクションを始めたのが、2002年の東郷青児賞がきっかけだったとしたら、これは罪深い。で、
和田氏を持ち上げていた美術評論家が関与している公立美術館が、税金で作品買い上げ
なんてしてたなら、これは、市民オンブズマンに徹底的に追求されるだろうな。
去年の図録を手に入れて、現在、和田氏の作品をどこが持ってるか、調べてみるのはいいかもね。てか
現代美術買い上げ
って、闇の部分が大きいからねえ。
現代美術の錚々たる美術評論家と「公立美術館」のコレクションの関係
をあぶり出すのには、今回の事件はいい手だてになる。ま、国公立の美術館・博物館は
贋作や盗作などを買わないように、買った後でわかっちゃったら、公表して謝罪するように
ってことですかね。個人寄託には時々「爆弾」があるそうだけど、
わたしたちの税金で買い入れた作品
については、ちゃんと責任取ってよ。それこそ
日本の文化水準を問われている
わけだから。
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