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2006-06-10

盗作疑惑 芸術選奨受賞画家の行方 (その39) 6/8付け社説で朝日新聞が遠回しに読売批判 ちなみに芸術選奨取り消し騒動の最中の6/2に、河合隼雄文化庁長官は奈良で朝日と県主催のフルートコンサートを開催

朝日OBの美術評論家米倉守氏が持ち上げていた和田義彦氏の盗作疑惑を朝日新聞が6/8付けの社説で取り上げた。ところが、どうにも座りのわるい文章で、単に
 「和田義彦展」を主催した読売新聞へのあてこすり
にしか読めない部分がある。その上、冒頭の部分に
 産経の5/31付け社説を引用
してる態度が悪ふざけに近い。


盗作疑惑 並べて鑑賞してみたい

 色づかいや構図ばかりではない。2人の作品は、人物の動きや表情まで驚くほど似通っている。芸術選奨文部科学大臣賞を受けた日本の洋画家の絵とイタリア人画家の油絵のことだ。

 ゴッホは浮世絵に影響を受けたが全く異なる。魂の格闘があり、発展があった。この問題を自省の鏡に、原点に立ち返るべきだ。

 ——と、知らん顔して書いていったなら大問題になるだろう。なぜなら、この文章は5月31日付の産経新聞の社説から拝借したものだからだ。言い回しを多少は変えたからいいではないか、と言ったところで、黙っていれば盗作と厳しく指弾され、ただでは済むまい。ことは美術の世界も同じではないか。

 受賞した洋画家、和田義彦氏は、疑いを強く否定している。だが、そう見られてもやむをえないとして、文化庁は賞を取り消した。

 なぜこんなことが起きたのか。どうしてもっと早くわからなかったのか。

 和田氏はイタリア留学の後、大学教授などを務めながら油彩を描いてきた。近年、受賞が続いているが、必ずしも著名な画家とはいえない。一方のアルベルト・スギ氏は、日本では無名に近い。実際の作品に触れた人が少ない分、疑惑が表面化するのが遅れたようだ。

 スギ氏とは30年以上のつきあいであり、形を同化したうえで、独自の世界を創造した。これが和田氏の言い分だ。


 日本の近代美術は、西洋に学んで成長した歴史がある。多かれ少なかれ、かの地の芸術家の影響を受けている。どこまでがまねで、どこからが創造か。線引きが難しいのは確かだが、今回は多くの作品がそっくりに見える。

 和田氏がそこまで言うのなら、自ら2人の作品を並べた展覧会を開いてはどうか。文化庁も実物を見て、盗作かどうかについての最終判断を下せばいい。

 その文化庁は、高松塚古墳の壁画にカビが大量発生した問題でも批判されている。古代の遺産の保存で失策を重ね、現代の盗作は見逃す。これでは信頼をなくす。賞の権威にとどまらず、自らの足元も揺らいでいる自覚が求められる。

 どの賞であれ、候補者と審査員の人間関係が選考に影響することがある。ましてや芸術選奨の美術部門は、絵画、彫刻、写真、建築など幅広い。その分野の専門家でないと、作品を見ていないことだってありうる。審査員の人選を含めて見直しが求められる。

 解せないのは、昨年11月、茨城県のつくば美術館で開かれた和田氏の回顧展に先立ち、疑惑を告発する投書が届いていながら、「スギ氏へのオマージュ(敬意を払った)作品」として予定通り開催されたことだ。回顧展を主催した新聞には「独創性にため息」という見出しの記事が載っている。

 疑惑は限られた当事者の間にとどまっていたのか。朝日新聞も多くの美術展を開催している。自戒に努めたい。


え〜、まず
 産経社説を冒頭にいきなり引用で「黙っていれば盗作」
って、
 加藤周一の文章を「盗用」した朝日新聞OB米倉守氏への嫌がらせ
でしょうか?
この問題を「蒸し返した」今週売りの『週刊文春』6/15日号p.143から該当箇所を引用しておく。

なぜなら米倉氏にも「盗用」の過去があるからだ。『週刊文春』(90年6月21日号)「"盗作"で停職1カ月 朝日美術記者の評判」は、当時、編集委員だった米倉氏が書いたゴッホ展についてのコラムが加藤周一氏の文章のほぼ丸写しであったことを報じている。編集部の取材に、同氏はその事実を認めた。
 記事は米倉氏に停職1カ月という朝日では異例の重い処分が下ったところで終わっていたが、実は翌月、米倉氏は依願退職していた。

この「盗作」が、一般人の想像の範囲を超えて
 斜め上を行く
のは、加藤周一は朝日新聞文化欄にずっと連載を持っており、1990年当時は「夕陽妄語」の連載中だったということなのだ。自社の文化欄にコラムをもってる「大先生」の文章を文化担当の編集委員が「盗作」するって、倫理観以前の問題じゃないか。そもそもバレるに決まっている。

で、
 和田義彦展を主催したのは三公立美術館(三重県立・つくば・渋谷区立松濤)と読売新聞
なわけで、後半は
 主催した以上、読売は態度をはっきりせんかい
という揶揄である。ま、
 高松塚といい、キトラといい、今回の芸術選奨といい、失態続きの文化庁を批判しておく
のもいつもの手だけど
 朝日から本を出したり、講演や執筆をお願いしている、文化庁長官河合隼雄先生については言及しない
のがミソだ。営業的に困る訳ね。
で、河合隼雄長官に関しては、こんなヨイショ記事を関西版に写真入りで載せている。


文化庁長官・河合隼雄さんフルート演奏会 奈良市
2006年06月02日


フルートを演奏する河合隼雄さん=2日午後、奈良市の県立図書情報館で
http://www.asahi.com/kansai/news/image/OSK200606020063.jpg

 文化庁長官・河合隼雄さん(77)らによるフルート演奏会「四季花鳥図をめでる夕べ」が2日、奈良市の県立図書情報館ホールであり、約250人が四季をテーマにした童謡などに聴き入った。

 日本画家の上村淳之(あつし)さんが奈良の四季をイメージして描いた屏風(びょうぶ)絵「四季花鳥図」が同館に寄贈されたのを記念した催し。上村さんと親しい河合さんが「絵とフルートで共演したい」と提案。川口京子さん(歌)、平井裕子さん(ピアノ)と絵のかかる同ホールで共演した。

ちなみに、このフルートコンサートが開かれた「奈良県立図書情報館」の館長は
 千田稔・国際日本文化研究センター教授
である。このコンサート企画は、河合隼雄・元国際日本文化研究センター所長から声を掛けたのか、千田先生がお願いしたのか知りませんが、県の施設で開いたってことは、準備と開催その他に県民税を使ったわけでしょう? 勘弁してよ、千田先生。そういや千田先生は、今週水曜だったか、朝日放送の夕方のニュースで、高松塚古墳壁画損傷問題について、顔出しインタビューをされていて、いつもは愛想のいい千田先生が珍しく苦悩の表情でありきたりのコメントをしてたんだけど、それにはこんなあたりが影響してるんでしょうか。

で、県立図書情報館のサイトに、お詫びの文言すら書いてあるのは、利用者からクレームが付いたんでしょうね。なおかつ、よく見ると
 主催は朝日新聞
だ。やれやれ。


文化庁長官・河合隼雄さんのフルート演奏会「四季花鳥図をめでる夕べ」

日本画家の上村淳之さん作「四季花鳥図」が当館に寄贈されたのを記念して文化庁長官・河合隼雄さんのフルート演奏会「四季花鳥図をめでる夕べ」として平井裕子さん(ピアノ)、川口京子さん(歌)を招いて、四季をテーマにした童謡の演奏をおこないました。
当日はご利用者の皆様にはご迷惑をおかけしましたがご協力ありがとうございました。
主催
朝日新聞社、奈良県立図書情報館
日時 平成18年6月2日(金) 18:30〜20:00
会場 奈良県立図書情報館 2階メインエントランスホール
参加者数 約250名


しかし、6/2といえば、文化庁は大変な時期だ。
 高松塚古墳壁画の損傷問題聞き取り調査はラストスパート
 芸術選奨取り消しで揉めている
最中の6/2に、フルートの腕前を奈良で披露してたんですか、河合先生は。他にすることがあったんじゃないのかとは思うけど、
 文化庁長官は行政については責任を取らなくてイイ
らしいからな。たぶん、お咎めナシなんだろうな。もし、これが民間企業の代表だったら、一挙に退陣に追い込まれるような話だ。重大災害があった時にゴルフをしていた首長や自治体の管理職のクビは飛ぶけどな。
で、もう一つ問題は
 コンサートは平日の午後六時半から
開かれたということで、この日は
 関西出張に設定されてた
ってことですね? だって、東京から奈良まではどんなに頑張っても午後五時に出て六時半には間に合わない。てことは
 河合長官が笛を吹くのは公務の一部という認識
なんですか? 「文化庁長官」って肩書きでコンサートを開いているってことは、まさか
 出張手当が出ている
ということですか? それとも文化庁長官はそうした勤務時間その他とは関係がない活動を認められているってことなんでしょうか。所轄の職員の前でフルートを吹くのは、まあしょうがない。でも、「文化庁長官」って肩書きでフルートを吹く、しかも文化庁が相当ひどい問題を複数抱えてる時期に奈良まで出てきてコンサートを開くのは、いくらなんでも行きすぎだと思うけどな。それとも、河合先生の周囲はイエスマンばかりで、
 長官のフルートは大変素晴らしい、是非国民に広く聞かせるべきです
とか、おべんちゃらを言ってるんでしょうか。77歳のフルート吹きというのは、鍛錬を積んでいるプロであっても、演奏するのも、聞くのも、かなりしんどいのですが、長官室で、プロを凌ぐ練習をなさっているのでしょうか。
誰か止めろよ〜。
河合先生と同僚だったある先生は、「落語やな」とおしゃっていたことを申し添えます。

とまあ、6/8付け社説は、腰が砕けまくってるわけで、それもこれも一つには
 河合隼雄長官にはヘソを曲げられたくない朝日新聞文化部の事情
が絡んでいると思われる。
もう一つは、しょっちゅう美術展を開いて、メディアミックスで儲け、カルチャーセンターで絵画教室を開いて、結構な収入のある朝日新聞が、今回の件を叩きすぎると
 他にもいるかもしれない「盗作・剽窃」している現代作家の展覧会や朝日が出してる図録、カルチャーセンターの講師
に、コトが及ぶ可能性があるからだろう。いや〜、掲示板では
 某有名画家
についての噂で一部盛り上がってますけどね。あのヒトに後ろ暗いことがあるようだと、日本の洋画界は壊滅するかも。

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