末木文美士 『日本宗教史』 岩波新書(古代の部分だけ)
とりあえず、古代の部分だけざっと目を通した。
う〜ん。なんかやっつけ仕事みたいに見えるなあ。もしくは
授業のシラバス用メモ
って感じかな。たぶん、仏教伝来と日本の「神」との衝突について、末木さんが整理し切れてないんじゃないか、と思う。
あとがきには、「たたき台になれば」という趣旨のことが書いてあるが、古代については、確かにたたき台以外の何者でもない。てか、荒っぽすぎるよね。授業に使えるか、というレベルで考えれば、非常勤の授業ならこれもありだろうけど、東大で同じ内容で授業をしたら、たぶん学生に突っ込まれるだろうな。緩すぎる箇所がいくつもある。
これは岩波の編集部に問題があるのではないか、と感じるのだが。
岩波の編集者は、大学関係者にははなはだ評判がよくない。原稿を依頼したと思ったら、矢の催促。アイデアを練る時間もないままに、本が出てしまう、とは、複数の人から聞いた。
末木さんの『日本宗教史』は、古代に関して言えば、もうあと二回くらい手を入れれば、まだしも全体像が見えたんじゃないかなあ。岩波の新装赤版新書の口切りの企画なのだから、編集部はあまり著者をせかさないことだ。
しかし、古代がこれで通っちゃう編集は、勉強が足りない。
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