息子の電話に出る母親
帰省中に友達から電話が掛かってくる。これはよくある話だ。
今なら携帯電話に直接掛かってくるだろうから、トラブルは減ってるだろうと思うけど、いわゆる
家の電話
に異性の友達や同僚から電話が掛かってきたのを、親が取ると、たまに碌でもないことになる。
そういえば、弟の社宅に母親が電話をしたら、たまたまパーティかなにかしてたらしくて、同僚の女性が取った。うちの母は何を勘違いしたか、えらくその女性にひどい対応をしたらしい。随分前の話だけど、弟はそれ以後、結婚する気配がない。その女性が本命だったかどうかは謎だが、少なくとも会社では
彼の家は、お母さんが大変だ
という定評ができちゃっただろうからな。社内結婚はほぼ無理でしょう。
似たような話は、他にもいくつか見聞きした。たいていは
母親が女性からの電話を「息子の彼女からの電話」だと思いこんで、掛けてきた女性にひどい対応をする
というエピソードで、その上
まだつきあってはいないけど、息子側にとっては気になる女性の一人だった
という悲しいお話だ。当然
成人した子どもの友人関係を勝手に妄想する母親を持つ男
というのは、評判ががた落ちになってしまって、周囲から結婚相手を見つけることは難しくなる。たまに奇特な女性がいても、そのことを察知した親切というかお節介な知り合いが
〜くんとこは、お母さんがすごい
と前回のエピソードを耳打ちしてくれる。
間が悪い、というのが一生を左右することもあるわけで、わたしがこの手の話を聞いた人達は、結局、今も独身のままである。それも、まずありえないタイミングで、母親が息子の電話を取っているのだ。
人生は親も子も長くなったから、
そんなうるさいお母さん付きの夫とあと30年以上は一緒にいるかも知れない
と思ったら、つきあうこと自体をあきらめる女性の方が多いだろう。
ちょっといいかな
と思ってた程度の男性の母親が、そんなヒトだったら、男性本人にも幻滅を覚えるだろうな。つきあってもいないのに、つんけんされてたら、イヤになるに決まっているし、そんな母親の行動を制御できない息子は
マザコン男で、妻は道具並みに扱われるかも
と、思われても仕方がない。
女性の方だって、たいていは兄弟が少ないから、生みの親の老後の面倒は見なくちゃイケナイのに、曰く因縁付きの義親は敬遠される。
何が禍するか分からないけれども、
家に電話を掛けて、家族が出てくるとき
は、さまざまな危険に満ちている。応対の仕方によっては、逆に、掛けた方が
何?あの電話掛けてきたヒト?常識ない人だね
と家族内で悪口を言われるかも知れない。
家族が集まる盆と正月は、とりわけ危険だ。
よその家に電話をするとき、一息入れてから、ダイヤルするようにしている。
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