今度は毒カカオ 輸入カカオの70%近くを占めるガーナ産カカオから残留農薬
チョコレートは、たまに冷蔵庫に一箱くらいはいっている。たいていゴディバの安売りで買ったものだ。
ゴディバのチョコは、パッケージが変更になると、輸入元の片岡物産が半額近い値段で売るので、その時に買っておく。最近も8/21賞味期限というチョコを割引で売っていた。片岡物産のこうしたセールは、メール会員になっておくと、半年〜1年に一度くらい、メール会員限定で通知が来るので、速攻で買う。時々見逃してしまうけど。
さて、そんなチョコレートの原料である
ガーナ産カカオ豆
から、
残留農薬が検出され、以後、全量検査になる
というお話。
厚生労働省の発表。
輸入食品に対する検査命令の実施について(ガーナ産カカオ豆)
以下のとおり輸入者に対して、本日から食品衛生法第26条第3項に基づく検査命令を実施することとしましたので、お知らせします。対象食品等 検査の項目 経緯
ガーナ産カカオ豆及びその加工品 クロルピリホス* 検疫所におけるモニタリング検査の結果、ガーナ産カカオ豆から残留基準値を超えてクロルピリホスを検出したため検査命令を実施するもの。
* 有機リン系殺虫剤<参考1>違反事例
1. 品名: 生鮮カカオ豆
輸入者: 株式会社 東食
届出数量及び重量: 800バッグ、50,434kg
検査結果: クロルピリホス 0.22ppm(基準:0.05ppm)
届出先: 横浜検疫所
違反確定日: 7月24日
措置状況: 全量保管中。2. 品名: 生鮮カカオ豆
輸入者: 伊藤忠食糧販売 株式会社
届出数量及び重量: 1,600バッグ、100,000kg
検査結果: クロルピリホス 0.23ppm(基準:0.05ppm)
届出先: 横浜検疫所
違反確定日: 8月11日
措置状況: 全量保管中。<参考2>輸入実績
平成18年1月1日〜8月11日:速報値
品目 届出件数/ 届出重量/ (kg)/ 検査件数/ 違反件数
カカオ豆 333/31,094,582/38/2
違反件数はクロルピリホスに係る件数
東食とか伊藤忠とか、大手ばっかりですな。てかこれまでの輸入量に比して、333件しか輸入件数がないってことは、かなり一回の輸入ロットが大きいのね。今回の東食と伊藤忠のロットはかなりの小ロットだ。
8/11までの輸入で昨年の輸入量を元に考えると、ほぼ半数をちょっと超えたくらいの量だ。今後、全量検査で縛りが掛かると、去年の輸入実績通りには行かないかも知れない。
気温が下がる秋から冬、そして日本の年間チョコレート消費量の1/5-1/4を占めるというバレンタインを控えて、原料確保がうまくいくのかな。
朝日より。
ガーナ産カカオ豆、基準値超える残留農薬 厚労省発表
2006年08月16日18時49分厚生労働省は16日、ガーナ産カカオ豆から基準値を超える残留農薬「クロルピリホス」が検出されたと発表した。食品衛生法に基づき、全輸入業者に検査命令を出し、基準を満たさなければ流通させないよう求めた。
厚労省では、直ちに健康に影響を与える恐れはないとしている。
同省によると、この残留農薬の基準値は0.05ppmだが、横浜検疫所で7月24日に0.22ppm、8月11日に0.23ppmがそれぞれ検出されたという。
全量検査なので、市中に出回るまで時間が掛かりますね。
で、ガーナ産カカオ豆は、2005年の統計で日本のカカオ豆輸入量の70%近くを占めている。
日本・チョコレート協会の統計より。
単位 : トン
資料 : 日本貿易統計国 名/平成13年 2001/平成14年 2002/平成15年 2003/平成16年 2004/平成17年 2005
インドネシア 288/282/425/439/339
コスタリカ 198/ 152/ 110/ 219/ 132
ジャマイカ 271/ 223/ 272/ 173/ 87
トリニダッド・ドバゴ 211 / 272/ 296/ 482/ 222
ベネズエラ 3,115/ 3,295/2,922 / 3,776/ 4,522
エクアドル 3,280/ 4,349/ 5,760 / 5,772/ 7,209
ブラジル 2,780/ 2,052/ 1,195 / 137/ −
コートジボワール 1,044/ 1,517/ 3,366/ 1,927/ 2,325
ガーナ 37,341/ 36,459/ 46,819/ 41,671/ 38,359
ナイジェリア /−/ −/ 544/ 199/ 150
カメルーン 173/ 399/ 1,799/ 1,691 / 2,124
その他 364 / 138/ 92/ 147/ 121
合計 49,065/ 49,138/ 63,600 / 56,633/ 55,590
というわけで、
日本に輸入されるカカオ豆の七割近くを占めるガーナ産カカオ豆に全量検査命令が出た
ってことなので、チョコレート・ココアなどの製品を国内生産してるところは、原料の入手に若干のタイムラグが出ますね。他にも
残留農薬入り毒カカオ
があるかも知れないからだ。
で、
みのもんた司会の「おもいっきいりテレビ」を始めとする「疑似健康番組」
が
カカオにこんな効果が! チョコレート・ココアにこんないいことが!
なんて宣伝をかます場合の
理論的根拠の一つ
となってると思われるのが、日本チョコレート・ココア協会が毎年開いている
チョコレート・ココア国際栄養シンポジウム
http://www.chocolate-cocoa.com/symposium/index.html
である。
ここで発表している研究者達はおそらく
日本チョコレート・ココア協会の「科学的スポークスマン」
だから、以後
ココアやチョコレートが健康にいい
という報道や番組が流された場合には、このシンポの発表者をまずチェックすることをおすすめする。日本チョコレート・ココア協会と個々の研究者との関係までは、報道されないからね〜。
ちなみに、日本にやってくるカカオ豆は、こんな悲しい
児童労働
に支えられている、という。カカオの収穫に携わる子ども達は学校にも行けないし、当然チョコレートを口にしたこともない。
ILO駐日事務所 児童労働 カカオ
http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/ipec/facts/sectorial/agricult/05.htm
これからチョコレートを食べたり、ココアを飲んだりするときは、この事実を考えないとな、と思う次第だ。単にチョコレートを食べない、ココアを飲まないということでは、この問題は解決しないところが難しい。
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