富山のかまぼこ
富山の女性と結婚した知り合いが、奥さんの里方でお披露目をするそうな。
富山の婚礼と言えば
富山のかまぼこ
がつきものだ。
細工かまぼこ/富山の慶事に欠かせない芸術的加工食 - ふるさとの味覚/ほっとほくりく No.52
http://www2.hokurikutei.or.jp/backnum/05may/mikaku/index.html
尋常な大きさでないことで有名である。
先日も
知り合いが富山のヒトと結婚する
という話をいつもいるBBSでしたら、元富山在住者から最初に返ってきた言葉は
富山のかまぼこの怖さを知らないな!
だった。
(追記 9/25 00:35)本当は、お祝いを持っていくとき、末廣をどうするかわからなかったので、質問したんだけど、みんな富山県内で式を挙げてないものだから、誰もその件については教えてくれなかった。ま、心当たりのある人は、その内、廣蓋を持っていくから、覚悟しておいて欲しい。たぶん、それほど京都府とはやり方が違わないと思うのだ。(追記おわり)
ちょっと、この画像を見ていただきたい。
http://www2.hokurikutei.or.jp/backnum/05may/mikaku/img/fm1.jpg
50cmあるという
鯛のかまぼこ
は、富山の婚礼の代表的なアイテムだけど、殺人的な重さがある。
上記記事をすこし引用する。
縁起物を精妙にかたどったかまぼこはどれも色鮮やかで、表面に光沢を持つ。装飾に見とれながら口元に運ぶと、ほのかな潮の香りが漂う。プリプリと弾力性があるが、かむと思いのほか軟らかい。ざらざらとした舌触りだが、かむほどに魚の塩加減が感じられ、後味はあっさりしている。
細工かまぼこは不漁のときに鯛の代替品として考案されたとされるが、結婚式や結納の引き出物をはじめ、お七夜(しちや)やひな祭り、端午の節句、春祭り・秋祭りなどに出され、富山の生活慣習と切り離せないものになっている。
富山の伝統的な結婚式では、新婦の両親と仲人の2人、新婦の合わせて5人に「本膳(ぜん)」が付く。本膳は50cmほどもある鯛と、富士や鶴、亀などの縁起物7品の入った「かご盛り」からなる。
親せきには「二番膳」が付く。これは「本膳」の半分ほどの大きさの鯛と、縁起物五品の入ったかご盛りからなる。友人にはもう一回り小さい鯛を付けるのが習わしである。いずれも自宅に持ち帰った後、切り分けて近所に配った。(略)
そう。
富山の婚礼に呼ばれると、恐ろしい重さのかまぼこを持って帰らなくてはいけない
のである。
写真は、富山のかまぼこメーカーが出している
引き出物用かまぼこセット
で、これが一万円ほど。で重量は
2.6kg
もある。富山の婚礼でかまぼこを貰うと、遠方から来た人は重すぎて持ち帰るのがイヤで、駅のくずかごに捨てたり、「どこかにうっかり」忘れたりする。本来は、近所に切り分けて、みんなで婚礼を祝うためのものなのだが、他にも荷物があるし、生ものだから、敬遠される。それに、富山に婚礼に呼ばれる人は、近辺(日本海側)の人が多いので、家に帰れば、おいしいかまぼこは簡単に手に入るのだ。細工かまぼこは、味の点では、やや譲るからねえ。
結婚式の主役、新婦の両親・仲人・新婦につく一番大きなかご盛りはこれだ。もちろん、これはあくまで標準品で、オーダーでいくらでも大きくできる。
これで二万八千円ほど。重量は
7.5kg
もある。
富山では、婚礼以外でも、なにかとかまぼこがついて回るらしく、富山に親戚のいる人は、よく近所に
昆布を巻いたものや、赤い渦模様のかまぼこ
を配りに来る。デフォルトで大きいからね、富山のかまぼこ。
たまには、富山のかまぼこを食べるのもいいな。(なんて書いておくと、富山在住の友人からメールが来たりするんだな、たぶん。片や大学教員、片や病院勤務の歯科医師だから、つきあいは多そうだ。かまぼこ地獄に陥ってないですか?)日本海側に住んでいたとき、富山のかまぼこをもらうと、第一声は
結婚式ですか?
だった。結婚式シーズンには、ほぼ、一週間に二回は富山のかまぼこを貰ったりしていて、
ああ、そういう時期になったか
と、思ったりもした。頂いておいて文句をいうのもアレだが、かまぼこも重なると、なかなか始末が大変なのだ。
ま、各地にはいろいろな風習があるが
駅で引き出物を捨てられる
披露宴の双璧は
名古屋と富山
とは、言われてきた。名古屋の婚礼で
羽布団を貰って困った
という話は、以前よく聞いたりしたけどね。さすがに名古屋は最近は簡素化しつつあるみたいだけど、富山のかまぼこはどうだろう?
果たして、普段は合理的思考で通している知り合いが
富山のかまぼこを持って帰ってくるかどうか
今から、非常に楽しみにしている。
もう一つ思い出した。日本海側や京都市では、
結婚報告の「お嫁さんの饅頭配り」
があったんだけど、富山ではやらないのか? ご近所に
紅白の薯蕷饅頭とお赤飯を配って、結婚したことを知らせる行事
なのだが。
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コメント
もうだいぶ前の話になりますが、
私の結婚式(夫婦共に富山出身)では、紅白饅頭もつけました。
蒲鉾は、宝船と紅白1本ずつと鯛と鶴亀とあともう数本、全部で3~4kgくらいあったような気がします。
投稿: C・X | 2006-09-24 17:22
C・Xさん、コメントありがとうございます。
3-4kgの引き出物とは、新生児一人分はありますね。
富山に多い「富山県内結婚」なのですね。知り合いは、別な地域出身なので、結婚する際に、その点をちょっと突っ込まれたそうです。富山は、チェックが厳しいのでしょうか。
わたしは北海道生まれなので、どこの出身だろうが気にしませんし、周囲も気に留めません。北海道から名古屋や京都など「難しい」といわれる地域にお嫁に行っても、向こうが「北海道のヒトだから」とあきらめてくれるそうです。外国扱いなのかも。
投稿: iori3 | 2006-09-24 17:36
知人が富山県人(宇奈月)なので、毎年実家(父の店)宛に蒲鉾が届くのを思い出しました。婚礼が派手なのは、富山西部(高岡)だそうで、富山県人の中でも「高岡の女を嫁に貰うな」とまで言われるそうです。
蒲鉾を駅に捨てる話は初耳でしたが、今度機会があったら実態を聞いて見ます。
投稿: SY1698 | 2006-09-24 18:37
父母共に富山出身で、富山在住の親戚から、よく家に鯛かまぼこと昆布巻きかまぼこが送られてきていました。
一口二口はいいんですが、かまぼこってそんなに食べられるものではありません。本来は周囲に配るものみたいですが、核家族だったし。しかし生ものなので早めに処理しなければならない。
最後は訳のわからない料理(これは作成者の腕の問題もあるかと思いますが)に化けて、無理矢理食べさせられたため、未だにかまぼこが嫌いです。
ブログに載っていた写真を見て、かまぼこ責めのトラウマを思い出しました……。
投稿: 通りすがり | 2006-09-24 20:05
旧城端町の友人の結納品を見せてもらったんですが、水引の宝船等、それはそれは立派なものでした。
来月私も富山県内で結婚式を挙げますが、折角なので蒲鉾(小さめなやつでw)をつけようかなと思ってます。
投稿: katzchang | 2006-09-25 22:55
富山県には「鯛かなぼこ」が有名なのは分かりましたが、いったいなぜ、伝統なのでしょうか?
その由来をご存知なら教えて下さい。
投稿: mayuri | 2009-05-30 22:38