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2006-10-02

水の味

T助手は、家で自炊が出来ないという。理由を聞いたら
 官舎の水が腐ってるから
だそうだ。まあ、宮水で育った男なので、御所と桜井から水をもらってブレンドしている奈良市の水道の水には、そもそも耐えられないのかも知れない。官舎の配管も、かなり古いという。
いかにも贅沢すぎる理由で、周囲に心配されるような、貧困な食生活を送っている。

わが家もマンションの受水槽から水が来てるので、あまりよい水ではない。浄水器を間に入れているけど、気分のレベルだ。それでも、京都で飲んでいた琵琶湖の水よりはかなりマシだ。
T助手のような食生活を送ると、早晩、体をこわしかねないので、「仙人になる微量元素が含まれている」という噂の奈良の水で、料理をする。野菜の味は、奈良よりは京都の方がおいしい。水道はよくないが、食べ物をおいしくいただくという熱意は、京都のヒトの方が強い。

夏場の琵琶湖の水の凄さは、帰省後に京都へ戻ってきたときにわかる。
蛇口をひねると、シンク一杯に黴の臭いが満ちる。長い間、放置してたから、シンクに黴が生えたのではない。植物性プランクトンが異常発生して、水道水自体がそんな臭いになるのだ。
最近は京都に住んでないので、少しは事態が改善してることを祈るが、あの水で京料理を作ってる店もある。某老舗の水が味の決め手になっている名物料理も京都市の水道水だ、と聞いてるので、ちょっと恐ろしいのだが、白味噌のパワーで脱臭されちゃってるのかも。
大学時代、よく通っていた喫茶店では、他から水を汲んで貰ってきていた。梅ヶ畑とか、京都市の北の奧の方の水だったと思う。

札幌の水は、独特の味がする。生まれて家を離れるまで、それがデフォルトなので分からなかったのだが、関西に住むようになって気がついた。
札幌の水で関西風の料理を作るのは難しいので、その時は「六甲の水」を使うようにしている。なんせ昆布出汁が引けない水なのだ。関東の水も、昆布のうまみが出にくいけど、札幌の水はその上を行く。
たまに帰って、水道の水をコップに受けると、ああ、札幌の香りがするな、と思う。子どもの頃から、常に身近にあった、懐かしい香りだ。ちょっと雪の降った朝の匂いに似ている。

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