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2006-11-01

東京で救急指定病院激減 東京の救急医療、大規模崩壊進む (その2) 都内小児救急の惨状

2006-10-29
東京で救急指定病院激減 東京の救急医療、大規模崩壊進む 大淀病院産婦死亡事例が大影響
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2006/10/post_2e78.html
の続き。

前回同様、神戸で小児科を開業されているYosyan先生のblog
 新小児科医のつぶやき
のコメント欄には、
 これが一体日本の首都なのか?
と震撼してしまう
 小児救急の悲惨な状況
が刻々と書き込まれている。
一部引用する。


2006-10-31 望む、東京情報

chaimd 『小児の二次救急で、分かる範囲内でまとめてみました。

×都立母子保健院 - 世田谷区
 閉院

×東京臨海病院 - 江戸川区
 小児科救急診療体制 完全休止のお知らせ

 http://www.tokyorinkai.jp/gairai/f_1.html#12

×国立東京災害医療センター
 平成18年11月1日より小児科常勤医が不在になります。

 http://www.hosp.go.jp/~tdmc/sin_syouni.htm

×佐々総合病院
 小児科当直終了のお知らせ

 http://www.sassa-hospital.com/newpage/oshirase.html

×多摩南部地域病院 - 多摩市
 救急医療(小児科:当番日のみ)

 http://www.tamanan-hp.com/contents/top/syokai/kyukyu/kyukyu.htm
 ※現在入院は休止しております。
 http://www.tamanan-hp.com/contents/top/kasyokai/09_syoni_ka/syoni_ka.htm

▲町田市民病院
 夜間に深刻、小児科医不足(町田市)
 http://blog.l-care.net/?eid=483016
 風の噂では北里大学の応援を受け、医師会の診療所が深夜帯まで一次をカバーするようになったとの事です。

▲都立八王子小児病院 - 八王子市
 平成21年度をもって閉院予定。既に撤退開始の噂も。

▲都立清瀬小児病院 - 清瀬市
 平成21年度をもって閉院予定。既に撤退開始の噂も。

▲公立昭和病院 - 小平市
 ◆医師募集◆ !!小児科医師・医長募集!!
 http://www.kouritu-showa.jp/cgi-bin/pageedit/page_detail.cgi?id=10047
 だそうです。実際、そんな噂も耳に入ってきます。

◎青梅市立総合病院 - 青梅市
 頑張っていますが、相当きついらしいです。「西多摩で唯一の小児休日全夜間診療病院として、24時間365日対応している。1次救急から3次救急まで受け入れ可能だが、あくまで救急対応であって、“24時間オープンのコンビニ診療所”という訳ではない。」
 http://www.mghp.ome.tokyo.jp/syouni.htm

◎多摩北部医療センター - 東村山市
 平成17年より、小児二次救急開始。

◎国立成育医療センター - 世田谷区
 太子堂にあった国立小児病院が、国立大蔵病院と合併移転してできたナショナルセンター。
 溢れるマンパワーで一次から三次まで受けるも、既に飽和か

番外:東京西徳洲会病院 - 昭島市
   別棟の小児専用病棟を大々的に謳ったが、目論見通りに実働常勤医が集まらず、まったく機能せず。救急とれやごるらぁ!とも言えないラインナップ。

番外:日野市立病院 - 日野市
   < 小児科医、小児科専門医 (常勤・非常勤 募集 >
   http://www.city.hino.tokyo.jp/hospital/soumu/saiyou.html
   慶應から総引揚げをくらい崩壊。その後、紆余曲折あり足腰弱し。

これに近隣の埼玉、神奈川、山梨からのドミノ倒しが加わって、広域化重症化が著しく、修羅場大好き、急性期疾患大好きな私としてはかなり楽しい状況になりつつあります。ある意味本音で、ある意味皮肉を込めて。』 (2006/10/31 22:05)

このchaimd先生の挙げた病院に勤務する小児科の先生達からのコメントがついている。その内容も凄い。


# ni-ni 『chaimdさんのあげた病院のひとつが私の勤務する病院です。
私が3年前に転任した当初は8人の小児科常勤医がおりました。

開院時は「一次救急から二次救急全てを診る」をコンセプトにし、人工呼吸器管理も行っていたようです。しかし押し寄せる患者の対応は一人当直でこなせる量ではなく、自分が転任したころは重症患者を管理できる環境ではありませんでした。
燃え尽きて退職する小児科医が続出する中、2年前より一次救急は医師会の夜間診療所で対応してもらうように患者に勧めるようになりました。
しかし首都圏の人々の意識は「高度な医療を受けるのは国民として当然の権利」「医者は患者を診るのが仕事だろう」と考えているのか、看護師が電話対応で医師会を勧めると「てめぇら診ないのか!ふざけんな!」など怒鳴られることが多々あると聞いています。

それでも転任当初と比較すれば一次救急の患者数は減ってきたと思うのですが、時はすでに遅く小児科医の「退職者>転任者」のスパイラルは止まりませんでした。
常勤医師は9月より4人体制、1月より2人体制になります。区に1つしかない小児科病棟のある病院だと言うのに救急閉鎖どころか病棟閉鎖の可能性も否定できない悲惨な状況です。

地方は医師の絶対数が少ない点が問題ですが、首都圏の場合は区民の「権利意識」が一番の問題と思います。小児科医の数は少なくないはずなのに、勤務医は疲弊し戦線離脱する人がなんと多いことでしょう。』 (2006/10/31 23:26)

# aiko-m 『はじめまして。chaimdさんのあげた病院のひとつに勤務しているものです。本来ならば8人体制くらいをとりたいところですが、副院長を含めた4人で毎日の当直を回している状況です。そんな中で医師会の診療所も21時を過ぎると受付も終わってしまうので、そこを狙って電話してくる方も多いです。またもう1つの病院もウチの医局が引き上げており、500gの超未熟児や腹膜透析を診ていた病棟から、肺炎胃腸炎くらいしか診れない病院に格下げになってます。大学医局も人手が足りず、私が年末で大学院に戻ったら変わりのDrが来ないという話もあります。小児科医は足りてないんだと思います。』 (2006/10/31 23:37)

# ni-ni 『追記です。小児科の夜間の急病に限定しての話になりますが…。

1、夜間診療所で診察して問題があった患者は入院施設のある病院に紹介する。
2、「二次(三次)救急施設は紹介を受けた患者」と「二次救急以上とトリアージされた救急車患者」の診療に徹する

これがきっちり守られるなら、首都圏の小児科診療は少なからず回復すると思うのですがいかがでしょうか?地方に比べれば、身近なところに救いの手立てがあるのに悲惨な状態が続いているという事実に憤りを感じてなりません。』 (2006/10/31 23:39)

より高度な治療を、と言っても、ただの風邪で救急に連れてこられるのは、高次救急を担当する病院には、単なる迷惑以外の何物でもない。命に別状のない軽症患者を診ている間に、一刻を争う重症患者の搬送が断られたりするからだ。風邪なら翌日でも間に合うが、瀕死の患者は今この時が勝負である。軽症の患者を救急にごり押しで連れてくる家族は
 自分の我が儘のせいで、他の人間を殺しているかも知れない
と自覚すべきだ。
「家の子には高度な医療を」という親心が、単なるエゴに堕していることを、こうした
 迷惑な親達
は絶対に気がつかない。たぶん
 常連さん
がいるだろう。親だけではない。祖父母も一緒になって
 迷惑な家族
を形成していることはままある。こうした家族に共通するのは
 海外便の飛行機の中でも、宿泊先でも、子どもを放し飼いにして周りに迷惑を掛けたりするなど、公共道徳の面で問題がある
ことだ。彼らの論理は
 家の子はかわいい、ヨソの子はどうでもいい
なのだ。こうした
 視野狭窄に陥った家族
が増えていると感じる。そして、こうした家族によって
 小児科医は疲弊させられている
のだ。

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コメント

お医者さんって、毎年何千人も国家試験で
合格してるのに、どこに消えてしまうのですかね?
私は元司法試験受験生で、医師国家試験の
合格率の高さをずっとうらやましく見ていましたが。

確か、数年前の新人の研修制度変更までは、
こういう医者不足って、ここまで酷くなかったと
思うのだけど…。

投稿: ねこ | 2006-11-01 02:50

師不足は、外科・内科、小児科、産婦人科、麻酔科など、全科といっていいくらい、むかしからあります。充足しているのは、眼科、皮膚科など、ごく一部です。

なぜ最近になって目立ってきたか?
研修医制度変更のせいにする向きもありますが、あれはきっかけであり原因ではありません。
27万人の日本の医師数はOECDの平均から見ると、12万人不足しています。それで世界一といわれる医療アクセスを誇る医療体系、無理が来ないわけがありません。

それが医療スタッフの殺人的勤務状況です。多くの人間の命を預かり、一瞬の判断が要求されるパイロットは法律で勤務時間が制限されています。しかし、同じように一瞬の判断に命がかかる医療関係者には、無制限の勤務義務が課せられています。

それでも使命感がそれを支えていました。

しかし、昨今の医療訴訟は、そのような人間の限界にある医療関係者に、最高でミスのない判断野、時間的制約から実現不可能な説明義務を課すものであり、「訴え得」状態を作り出しています。マスコミも結果が悪いのは医者のせいだとの論調で報道しまくり、それを真に受けた国民が、日常あらゆる場面で医療が100%の結果を出さないとミスと騒ぎ立ててきます。

これだけ身を粉にして、家族も自分の生活も命すら削って、挙句の果てにやむをえない合併症で巨額賠償+逮捕。

このような状況から身を守るのは、寄らば大樹の陰、で大病院で充実した専門スタッフのもとで責任を分散するか、急性期や合併症リスクが無視できない高度医療の場から逃げ出すことです。

集約化の口実を、新研修制度が後押しした為、一気に顕在化した印象がありますが、内実は患者に感謝されるという医師の使命感を支える最後の砦が崩れた為の表現型に過ぎません。

このような状況になるのは20年前から分かっていました。待遇改善の声は以前から上げられていましたが、医者の待遇を上げろ、というのは拝金主義、というあやまったマスコミのひがみ根性+それに乗っかった国民、医療費を減らせばよいだけの国の方針、これらに封殺されてきました

投稿: 通りすがりの医者 | 2006-11-02 23:38

ねこさん、とおりすがりの医者先生、コメントありがとうございます。
「医者は金持ち」「金持ちは悪」というキャンペーンを張るマスコミは一方でホリエモンのような「あぶく銭長者」を良しとしてきました。何故? たぶん、マスコミを構成している高学歴(といっても学卒が殆どですが)の諸兄姉は、小中高での進学戦線において、かつての競争相手だった医者に対する、何らかのコンプレックスがあるのでしょう。それが異常なまでの「医者叩き」になっていると感じます。「おれはクラスで二番、一番は医者になったあいつ」とか、もうばかばかしいトラウマが、根底にあるのではと思います。
拙blogの一連のマスコミの医者叩き報道に関する記事には、マスコミのIPからもアクセスがあります(なぜか厚労省からもあります)。たぶん「マスコミたらい回し」に震撼しているのでしょう。自分たちがまさか診療を婉曲に拒否されるとは思っていません。そこまで図々しいのがマスコミ人の特色です。
マスコミ人の「医療を正す」という論法は、オリックスの宮内氏が医療改革関連に絡むようになって明らかに「オリックス寄り」の報道になりました。おそらく「スポンサーとしての価値」が、認められたのでしょう。この医療改革が生み出す「広告主」にマスコミは媚びているとわたしは感じています。広告がないと、少子高齢化で人口が減っている日本、テレビも新聞も雑誌も、潰れてしまいます。
所詮は「金に弱いマスコミ」が、これから減少していく自分たちのパイ争奪戦で選択したのが、近年特に悪化している「医療ミス」「医師バッシング」報道でしょう。そうすれば、自分たちの媒体が少しでも延命する、と勘違いをしているものと思われます。

投稿: iori3 | 2006-11-03 12:35

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