産科医の過酷な勤務実態を活写 (その2) 訴訟に巻き込まれて、出産の取扱をやめた医師の証言
このABCの特集が、他の報道に比べて優れているのは
産婦死亡で医療過誤訴訟を起こされた医師の証言
を取っていることである。医療過誤訴訟を、マスコミは
当事者の医師がまるで反省してない極悪人
のように描写することに血道を上げるが、今日流れた医師の証言は、そんな
マスコミの常套手段を完膚無きまでにたたきのめす、苦渋に満ちた人間としての医師の言葉
を引き出している。
産科医が不足する最大の理由は、医療事故訴訟の多さ。
出産での事故は何故、訴訟に結びつくのか。
祝い事であるはずの出産が、事故によって暗転。そのショックから怒りが医師に向かう。
産婦死亡に遭遇、医療ミスを疑われた医師の証言。
「大切な患者を失って落ち込んでいるときに医療ミスを疑われて」
出産後の母体死亡に遭遇し、お産の扱いをやめた。
発症時に8割が命を落とす病気が原因だったが、医療ミスを疑われ、警察の取り調べも受ける。
「産科医は常日頃から出産は喜びと危険なこととが表裏一体だというスタンスで臨んでいるが」
「世間一般の方々には、出産が危険なものだという考え方は無いのではないかと思います。」
これまで日本の産科医が努力して積み上げた
世界でも群を抜いて少ない、日本の産婦死亡数
が、逆に
お産は安全という神話
を生み出している。
1970年に1008人死んでいた産婦が、2004年にはわずか49人。非常に稀ではあるが、母体死亡は起こる。
産婦死亡に遭遇した医師の証言。
「必ず患者を救ってあげられると自分自身も思い込んでいた結果、救うことができなかったことが心の傷として残っています。」
「現在の医療でも克服し得ない『医療技術に限界があること』を知ってほしい。」
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