のだめカンタービレ Lesson10 プロから見た編集の欠点
最終回を前に、のだめにはまっているNHKの中の人から
あと一回か〜、残念だ!
というメールが来た。どうも
Lesson10の編集に不満がある
という話で、プロから見た今回の編集についてのダメ出しが面白かった。
どこがダメだったかというと
マラドーナコンクール・のだめ演奏シーンに不用意に挿入されるロングショットと、最後のS☆Rオケ練習シーンの急激なクレーンダウンショット
で、制作者側から見ると、あれにはこういう裏事情があるらしい。
前者は「絵が足りない」ので「つなぎのために」ロングを入れたんだけど、後者は、なぜのシーンにあの絵を入れたのかがまったく不明
なんだとか。
そうか、ドラマで
不必要に入るロング
ってのは(時々、他のドラマでもあるけど)
必要な絵が足りないときの埋め草
だったのか〜。さすがにプロの目は違うな。で、結論は
ディレクターが完成版を完璧には把握しきれずにカメラを回すから、絵が足りなくなったり、変なショットを入れたりしている
んだそうな。う〜ん、武内演出と川村演出の差は
のだめ全11回の全体像を川村ディレクターはつかみ切れてない
ってあたりからくるのかな〜。で、映画とドラマの両方に造詣の深いヒトなので、
ドラマのロケは、絵コンテが描けるディレクターと優秀なカメラマンとスクリプターが揃っていて撮影すれば、編集には時間が掛からない
と教えてくれた。てことは、そもそも
川村ディレクターは、のだめの絵コンテがちゃんと切れてない
ってことですかね〜。フジテレビのドラマ部では、そんな基礎的な部分を教えないってことないんだろうけどな。ていうか
絵コンテが切れない(上手に描けなくてもいいが、必要なイメージは提示出来ないと困る)奴は、監督なんてできない
と思ってたので、これは意外な指摘だった。まさか、と思ってたからなあ。
もっとも
NHKの撮影は、ビデオの浪費が凄い
んだけどね。特にドキュメンタリー。ほんと、編集にかかる時間を考えたら、
資源と時間の無駄遣い
になっちゃう場合が多すぎる。ま、ドラマの場合は、俳優さんのスケジュールがあるから、そうそう長々と撮ってもいられないだろうけど。でも、ドラマの編集は時間掛かりすぎだな、NHK。ドキュメンタリーはもっと絶望的に時間掛けすぎ。これは子飼いの編集マンの質が低下してる上に、PDの間抜け度が年々上がっているという、身も蓋もない、末期的状況から来ている。
それはそれとしても、民放のドラマ編集が、
シビアなタイムスケジュールで行われてるのは確かだけど、時間が足りなくなって、変な編集をしてしまうのは、絵コンテそのものがきっちり切れてないから
という指摘は新鮮な驚きだった。だって
漫画が原作
なわけで、
参照すべき「絵コンテ」
は、最初から提示されてるわけだもの。文章だけの原作ならともかく、すでに絵として場面展開は提示されてるのだから、ドラマ制作時は、まったく同じ構図で撮らないにせよ、
回答の一つ
は、原作者が見せてくれてるんだもんなあ。
今回のように
できるだけ原作に忠実なドラマ化
で、それでもなおかつ
担当ディレクターが必要な絵コンテを切れない
とすれば、作品の理解自体に問題があるのではないか。
そのあたりが
武内演出とそれ以外のディレクターの演出回の出来の著しい差
になって、出てきてるのかも知れないな。
しかし、
不要なロングショット
入れるくらいなら、そこを削って、絶対に入れなきゃイケナイ大事なシーンがあったはずだけどね、Lesson10には。このあたりが
川村ディレクターは全体の流れをつかみ切れてない
って評価になっていくんだと思う。特に
音楽に対する理解の浅さ
には、がっかりする。
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コメント
コメントは始めまして。
もぎぎさんのブログに“撮影終了後に峰たちの途中入場シーンをやめさせた”という裏話が書かれていたので、それと関係ありそうですね。
投稿: さとし@快投乱打 | 2006-12-21 09:13