のだめカンタービレ Lesson9 フジ系 12/11 21:00-21:54
のだめカンタービレもあと3回で終了だ。Lesson9も、実にテンポがよく、あっという間に終わってしまった。
今日のところは8巻のLesson43-45の途中(p.155中段)まで。いくつかエピソードを抜かし、代わりに
シュトレーゼマンが突然来日する
という原作にない話を挿入している。これまでの流れでカットされた、シュトレーゼマンの千秋への大きな影響を示す原作のエピソードの代わりに、
シュトレーゼマンが直接千秋をヨーロッパへ誘うエピソード
を入れることで、千秋のヨーロッパ行きの契機を明確に示した。原作ではシュトレーゼマンは、1年近く日本にいたわけだから、それを短縮してしまって交流の密度が薄まった分を、穴埋めするための脚色だ。
のだめのコンクール二次予選については、原作では、ショパンのエチュード10-4を弾いた後、子供の頃のトラウマとなった事件を思い出し、リストの鬼火がめちゃくちゃになる展開だったが、ドラマでは、
ショパンのエチュードを嫌々弾く
ということに簡略化。てか、たぶん、
鬼火を弾けるピアニストをフィーチャーできなかった
んだろうな〜。今回は
ドビュッシーの喜びの島の演奏が「恋の喜び」に満ちる契機となる千秋からのメール
が、来てない状態で、ショパンのエチュードを弾きに出ているので、次回に
千秋からのメールで、喜びの島がすばらしい演奏になる
演出になるのではないかと思われる。てか、二次予選から千秋が見に来てるからな〜。(原作では本選しか見に来ない)
ドラマでの大きな変更はもう一つ、
ハリセンの役割を増やして、のだめと千秋の仲を取り持つ台詞を言わせている
ところ。もう残っている時間がない、ってのもあるけど、この方が親切かもしれないな。本来は
野生の天才 vs. エリート教育を受けた天才
の物語であるはずののだめカンタービレを、12/25クリスマス当日の最終回では
フジ月9のラブコメの王道パターン
に持ち込もうとしているわけで、
どうしても時間の流れを短縮している分、説明的な台詞が必要
なのだが、千秋とのだめの両方を指導したハリセンがその役を担うことで、無理な説明が減っている。もちろん、原作の
千秋が気づく
という展開の方が、のだめの才能の開花と相まっておもしろいんだけど、こちらの方は、
ある程度の時間の流れが必要
だから、3ヶ月勝負のフジ版のだめでは、今日のような解決方法がベストだろう。
話を戻す。
冒頭、千秋がのだめの催眠術から覚める、前回を引き継ぐシーンから始まる。前回は、
アラームが鳴らない状態で千秋が目覚める
という演出で、詳しい展開は次週に持ち越しを暗示してたけど、それを受けている。飛行機恐怖症を克服した千秋が、北海道に峰と向かう。搭乗前の千秋の恐怖を次々煽り立てる細かい演出には、大笑い。
のだめのために(催眠術でののだめの指示に従って)蟹や海胆やメロンを買って戻ってくると、肝心ののだめはいない。裏軒で峰パパに「ハリセンの家で合宿してる」と聞く千秋。峰パパが、蟹好きをアピールするのもあっさり無視して、ハリセン宅へ。このあたりは、のだめに急速に傾斜してゆく千秋の心の動きを示唆しているって演出かな。
ハリセン宅では、のだめがレッスン中。ハリセンとのやりとりはテンポよく、
黒のだめの「コンクールの裏技」の話を「越後屋モード」で展開
というのは、ベタだけど、やはりおかしい。
シューベルトの演奏で壁にぶち当たったのだめが、千秋にメールすると
のだめ、携帯持ってたんだ
と画面を見る千秋の目が優しい。このあたり、
フジのラブコメ路線縛り
なんだろうけどな。
千秋からの返事を読んで、シュトレーゼマンのことばを思い出し、シューベルトに真っ正面から向き合おうとするのだめ
は、
のだめ覚醒(第二期)
ってところかな。
R☆Sオケの次回公演日程とシュトレーゼマンの
来週ヨーロッパについてこい
という誘いとの板挟みに悩んだ千秋は、一次予選を無事突破したのだめに一喝される。ここに原作13巻で
ノエルのポン・ヌフで展開された、一歩間違えるとDVなバトル
で使われた台詞
ケツの穴の小さか男
が援用されたけど、
変態のだめ
から遠ざかってる演出だから、さほどインパクトはなかったな。
さらに、ハリセンから、のだめのコンクール参加の本当の意図を聞かされた千秋は、二次予選を聞きに行く。
のだめをパリに留学させるオクレール先生が、出てきているけど、大きい動きは来週かな?
今日の怪演は、やはり
瀬川悠人
か。原作の
妖怪
という描写通りにイヤな奴を怪演中。夢に出てきたらうなされそうなキャラに仕上がっている。
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