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2007-01-29

高取町薩摩東中谷遺跡現説@1/28 橿原考古学研究所

高取バイパス工事の途中で、確認のために、削ってしまう予定の山を調査したら
 立派な平安初期の墓が出てきてしまった
という薩摩東中谷遺跡。当然、工事の邪魔なので、破壊される予定。

一番丁寧に埋葬されていた2号墓から出土した銅鏡。草花の模様が見えている。鏡の縁の真ん中がへこんでいるから、これは八枚の花びらの形をした八花鏡。唐代に流行したタイプだが、日本製か唐製かは、これから金属を分析してみないとわからないとのこと。
H1_1

断面が綺麗なので、どうも、最初から破鏡として埋葬されたもののようだ。

なぜか埋葬した土の上の方から大量に出てきた鉄滓。
H2_1ひとつひとつがかなり大きく、
 魔除けに撒いてみました
という気軽な大きさではない。てか、鉄だから重いわけで、
 なんでこんなんが出てくるんや
というのが激しく疑問。橿考研の課長と誰かがそんな話をしてるな、と思って、茶々を入れたら、あらま、
 和田萃先生
でした。奥様といらしていた。(見えない側に立っていらしたので、声を掛けられるまで、和田先生と気がつかなかった)この後は、和田先生にくっついて、現地に行き、豪華な解説を漏れ聞くことになる。

で、
 これはお墓に絶好の場所
だった。(業務連絡 土居くん、もし見てたら、後で地図で確認してね)

H3_1

高台にあり、北はまっすぐ二上山を望む、願ってもない立地だ。写真のでこぼこした双子山が二上山。この西が葛城山で、木で見えないけどその続きが金剛山だ。南もすっきりと開けている。
この小高い丘のすぐ西には、先日発掘された
 羽内遺跡
がある。
奈良・羽内遺跡 朝鮮半島技法の大型建物跡 2006/10/20付け 読売新聞
http://osaka.yomiuri.co.jp/inishie/news/is61020a.htm
おそらく、墓所となる以前には、物見として利用されていた高台だと思われる。

木棺墓の周囲にぎっしり木炭を敷き詰めた2号墓。
H4_1

東中谷遺跡ではほかに火葬墓の1号墓と土壙墓の3号墓、木棺墓の4・5号墓の五つの墓が見つかっている。2号墓が一番古く、5号墓が最新で、9世紀初〜10世紀初の約100年間およそ2〜3世代にわたって営まれた家族墓だろうというのが、橿考研の見解だ。

火葬墓1号墓の火葬骨の出土状況。

H5

火葬した骨を取り上げ、木炭を敷いた上に乗せている。いわゆる骨壺はなく、穴を掘って直接埋葬しているらしい。
まだ発掘途中なので、こうした珍しい現場が公開された。(業務連絡 土居くん、必要なら写真あげます)

場所から言って、この地域のボス格にはふさわしい埋葬の地だ。2号墓の被葬者は、生前、結構な地位についてたんじゃないかな〜。

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