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2007-01-07

ネット社会は双方向発信が当たり前 (その2) 毎日新聞1/1付け記事で「さくらちゃん募金」に関して、がんだるふ氏を取材した記者の一人は「さくらちゃん募金」記事執筆記者 これって利益誘導記事じゃないの?

NHK職員夫妻の子どもが心臓病にかかった。そのため募金を集めるという活動がネットの注目を浴び始めた昨年の9月24日、わたしはNHKの知り合いにこの件に関するネット上の動向についてメールを送った。いわゆる「さくらちゃん募金」のことだ。まだ、職員夫妻が自らの勤務先を明かしてない頃の話である。
同じ頃、あるマスコミ勤務の知り合いのお子さんが予後のきわめて悪い難病にかかっていて、闘病生活をしていた。両親は仕事で得たツテを最大限に利用して、転院先をみつけたのだった。残念ながら、薬石効なく、その後お子さんは亡くなった。心からご冥福を祈る。この家族の心の傷もまだ癒えないだろう。
このマスコミ勤務の夫妻のお子さんの場合は、募金運動をかけるような膨大な治療費を要する難病ではなかったのだが、BCCで大量に送られたとおぼしい、知り合いの「窮状を訴えるメール」は、とある政治家のblogにも言及され、その政治家が自分のサイトの掲示板で情報を募って、知り合いのために尽力したようなことが報告されているのを見たとき、わたしは非常に落胆したのである。純然たる善意が政治家の宣伝に利用されるのはイヤなものだ。知り合いにはその気はなかったのかもしれないが、記者という職業から考えれば、脇が甘いとしかいえない。勤務先についても、知り合いの名前についても、類推できる中身だったからな。
もう一つ、「マスコミのイヤな部分」をこの件に関して味わった。知り合い夫妻は、わたしの友人にその難病の権威がいると知ったとき、まだ仲介できるかどうか不明だったのにもかかわらず、マスコミの調査力を使って友人医師のメールアドレスを割り出し、わたしの名前に言及して、直接かなり切羽詰まったメールをその友人に出していたからだ。マスコミ勤務の本人が後から同じメールを送ってきて、そのことを知った。自分の担当患者のケア(いずれも生命の危機に瀕していたり、大きな手術が必要だったりする)を済ませた深夜にメールする習慣のある友人が、その夫妻にすぐに返事をよこさなかったので、マスコミ人の常として、矢の催促をしたかったらしい。もちろん、友人医師は、深夜に懇切なセカンドオピニオンをその夫妻に書いて送った。その後も、そのお子さんの治療のために、一銭にもならないのに、貴重な彼の治療や研究のための時間を割いてアドバイスをしたと思う。子どもを持つ親の藁にもすがりたい気持ちはわかるのだが、マスコミ人の行動パターンで、職業上得た人脈をフルに使い、マスコミ就職以前の人間関係をぶちこわすようなやり方には、正直、がっかりした。もちろん、お子さんは気の毒だし、是非治ってほしいと願っていたのだが、そのことと親のやり方とはまったく別の話である。友人医師は、これまでもその難病の多くの患者さんや親御さんを見ているので、平気な様子だったが、彼には申し訳なかった、と今でも思っている。
子どもの難病では、子どもに焦点が当たり、子どもの無邪気さ、かわいらしさを見るとヒトは心を動かさずにはいられない。だからこそ、「子どもの難病」募金を運用する側の倫理性が問われるのだが、この件については、あまり議論されることがなかったように思う。金の集まるところ、不明朗な動きが起きがちになる。それは、難病の子どもではなく、その周囲にいる大人達の問題であり、責任であるが、募金活動が終わってしまうと、その使い道や収支については、報道されない。本当に全額が子どものために使われたのか、検証されることは少ないのではないか。
子どもの心臓病で移植が必要となれば、当然、他の子どもが脳死状態に陥るという状況がなければならない。一人の心臓移植は一人の死によって完遂されるわけで、臓器が単独で存在するのではない、ということを常に念頭に置かなくてはいけないのだが、子どもの臓器移植の場合、日本では認められてない治療なので、その「死んで臓器を提供してくれた子どもと子どもを失った家族」については、詳しく報道されることがない。だからこそ「海外での移植」、しかも「子どもの死を待って行われる子どもの臓器移植」については、報道する側が「あたかも臓器だけが一人歩きしているかのような印象操作」をしている。なぜ、一人の生のために、体を切り刻まれて臓器を取り出されたもう一人(多臓器同時移植の場合は、複数になることもある)の子どもの死を悼み、冥福を祈らないのか、いつも不思議に思う。こうした報道姿勢が、「海外で臓器を買う日本人」という悪評を生む結果になっているのではないのか。日本国内の「脳死による臓器移植」は報道され、死によって体を裂かれ、目や臓器を取り出されたヒトについては想像が及ぶのに、なぜ、日本人のために、海外で死によって同じように臓器を取り出された子どもについては筆が及ばないのか。外国人の子どもの臓器は、日本人の子どものためだけにあるのか。金さえ用意できれば、日本人の子どもだけが助かればいいのか。どうも報道する側の倫理観が欠如しているように感じる。
 弱い者の味方
でさえあれば、いいのか?

で、毎日新聞1/1付け記事の「さくらちゃん募金」問題についてだが、
 「さくらちゃん募金」を支持し、記事を書いていた岩佐淳士記者
が、
 「さくらちゃん募金」の倫理性を問い続けていた「がんだるふ」氏の取材記者の一人
だったことがわかった。これって
 敵対関係にある記者が、悪意をもって「がんだるふ」氏に関する記事を書いた
ってことですか?毎日新聞。「ネット君臨」の当該記事はなぜか無署名なんですが。

岩佐淳士記者の最近の「さくらちゃん募金」関連記事はこちら。


心臓移植:手術受ける、さくらちゃん渡米 難病の拘束型心筋症と診断 /東京

 ◇募金1億5660万円集まる 臓器提供、カリフォルニア州の病院で待つ
 難病の拘束型心筋症と診断された三鷹市の団体職員、上田昌広さん(54)の長女さくらちゃん(4)が11日、米国で心臓移植手術を受けるため成田空港から渡米した。全国からの募金で目標額の1億3600万円を上回る1億5660万円が集まり、渡米が実現した。さくらちゃんは手術を行うカリフォルニア州のロマリンダ大学病院で臓器提供者を待つ。
 同空港で会見した上田さんは声を詰まらせながら、「全国のたくさんの方からご支援を頂き、出発の日を迎えられた。本当にお礼を申し上げたい」と話した。幸い病状が急変することはなく、今のところ普段通りの生活を続けられる状態という。
 さくらちゃんは心臓の筋肉が硬化し、心室の拡張機能が低下していく病気。現時点で心臓移植以外に治療法はないが、国内では臓器移植法により、15歳未満の臓器提供が認められていない。米国での手術を目指し、支援者らでつくる「さくらちゃんを救う会」が9月から街頭募金やチャリティーコンサートを行っていた。【岩佐淳士】
毎日新聞 2006年12月12日

「団体職員」というのは、NHKの職員について報道する場合の
 マスコミが身内をかばうときの所属呼称
である。とある優秀なNHK職員の妻が精神を病んで、子ども二人を殺したときも、報道は
 団体職員の妻
だった。

ちなみに、昨日の記事
 2007-01-06 ネット社会は双方向発信が当たり前 毎日新聞1/1付け2ちゃんねる叩き記事で取り上げられた「がんだるふ」氏がmixiの日記で毎日新聞の取材を全公開中→追記あり
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2007/01/11mixi_913d.html
で、
 がんだるふ氏に携帯電話に電話をされてビビった記者
というのが、この岩佐記者である。

「さくらちゃん募金」が他の「子どもの難病募金」と違うのは、両親がマスコミ勤務で、さまざまなツテを持っているということに尽きる。マスコミは普通の職業ではない。「社名入りの名刺が一枚あれば、上は一国の元首から下は一般庶民の誰とでも話ができる」というマスコミ人が、会社の名前を背負って職業上得た情報や人脈を、個人的にフルに利用するのは、倫理的にはどうなのか。政治家が同じことをすると口汚く罵るのに、自分たちの仲間が同じことをすると、急におとなしくなるのはなぜだ?

(追記 17:00)さくらちゃんの心臓移植手術が行われ、成功したという。まずはおめでとう。同時に心臓を提供した、名前を知らないアメリカのお子さんのご冥福を祈りたい。
これからいくつかの関門があるが、無事乗り切って欲しい。


速報!さくらちゃん手術成功

 さくらちゃんの心臓移植手術が現地時間1月5日午前3時(日本時間1月5日午後8時)からカリフォルニア州ロマリンダ大学病院で始まり、6時頃、無事終わりました。
渡航後、生活基盤がやっと整ってきた矢先の、思いがけない急展開でした。
日本時間の5日の夕方に手術が始まるかもしれないという一報を受け、「救う会」一同、手術の成功を祈り続けていました。深夜の「手術が終わった」という連絡に、安堵の胸をなでおろしました。
この場を借りて、ドナーの方のご冥福をお祈りし、ご家族のみなさまにお悔やみを申し上げるとともに、心から感謝をいたします。ドナーの方とご家族のご厚意に応えて、さくらちゃんにはドナーの方の分までがんばってもらえるように、今後とも「救う会」ではみなさまと共に支えていきたいと決意を新たにしています。
ここまでこられたのは、ご支援くださったみなさまのおかげです。本当にありがとうございます。
術後の経過等は当HPにてお知らせしてまいります。 まだまだ闘病は続きますが、引き続き、さくらちゃんと両親に一層の応援をいただければ幸いです。

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