福島県立大野病院事件第一回公判 NHKの報道は煽情的 K医師を後ろから撃つ同僚は誰だ?
NHK六時のニュースに、わたしは我が耳を疑った。
この
あまりにも煽情的で、被告に対する悪感情を呼び起こす原稿
を、よくも
全中で流す
のを許したもんだな、NHK。いったいどこが
公平中立な公共放送
なんだ。これだと
ハナから、K医師を犯罪者扱い
ではないか。大淀病院産婦死亡事例と同様
極めてまれな事例の不幸な転帰
を
医療ミス
に検察が仕立て上げようとしたのが
福島県立大野病院事件
だとわたしは思っている。
以下、この事件に関しては、被告名を伏せる。
一人医長体制で、難しいお産をあつかった医師が、
逃亡するとは到底思えないのに、マスコミのカメラの前で逮捕され、全国にその姿をさらされた
のは記憶に新しい。その時、奥さんは身重だったと聞く。
マスメディアによる医師叩きを加速させ、同時に全国の産科医を現場から立ち去らせたファーストインパクト
となったのがこの事件だ。そして、
セカンドインパクトが「大淀病院産婦死亡事例」報道
である。マスメディアは
産科医を叩いて現場から立ち去らせている
のに、
自分たちの報道が追い詰め、追いやった産科医が、今になって足りないと騒いでいる
わけで、これが
マッチポンプ
でなければ、いったい何なんだ?
NHKより。
帝王切開手術で死亡 無罪主張福島県の県立病院で産婦人科の医師が帝王切開の手術で女性を死亡させたとして業務上過失致死などの罪に問われている事件の初めての裁判が開かれ、被告の医師は「手術用のハサミで胎盤をはがしたことに危険性はなく、切迫した状況の中でできるかぎりのことをした」と述べ、無罪を主張しました。
この事件は、3年前、福島県大熊町にある県立大野病院の産婦人科の医師、K被告(39)が、帝王切開の手術の際、子宮に癒着した女性の胎盤を無理にはがして大量出血を引き起こして死亡させたとして、業務上過失致死などの罪で起訴されているものです。この事件をめぐっては、産婦人科の医師が不足するなか、難しい医療行為で医師個人が刑事責任を問われたことに医師会や産婦人科の学会から疑問の声が上がり、全国的にも大きな議論を呼びました。26日に福島地方裁判所で開かれた初めての裁判で、K医師は「子宮を傷つけないようにするため手術用のハサミで胎盤をはがしたことに危険性はなかった。非常に切迫した状況のなかで、できるかぎりのことを精いっぱいやった」と述べ、無罪を主張しました。一方、検察側は「大量の出血が予想され、胎盤をはがすのをやめるべき状態だと十分わかっていたのに手術用のはさみを使えばいいと安易に考えた」と指摘したほか、K医師が、当時、病院の関係者に対し「やっちゃった」「最悪」などと話していたことも明らかにしました。次の裁判は来月23日に開かれ、手術に立ち会ったほかの医師などに対する証人尋問が行われます。1月26日 18時10分
あの〜、普通、文脈と切り離して
やっちゃった
最悪
と発言したと報道すると
K医師は、命を軽視した悪者
とくっきり色づけされるんですが、わかってますかNHK。しかも、このニュース原稿は
全中(全国放送)
で流されたものですよね? NHKは
福島県立大野病院事件に関しては一方的に検察の主張を受け入れ、第一回公判からK医師を「断罪」する立場に立った
と見えますが、本気ですか、NHK。
問題は
「やっちゃった」「最悪」と切り取られた発言が、どの文脈で述べられたものか
でしょう。そこを意図的に隠蔽して
K医師を叩くために、煽情的な原稿編集をした
としか思えません。まだ公判は始まったばかりなのに、もう
有罪判決をNHKが先打ち
するのですか。いつから
NHKは裁判所より先に、判断を下す
ようになったのですか。
今回の公判を、ある医師が傍聴している。
今後、裁判の様子がblogに掲載される予定なので、アップを心待ちにしている。
現在、予告編が出ているが、検察の医学的知識不足を露呈した第一回公判であったことが見て取れ、わたしは非常に哀しい。こんな検察に
一人の有能な医師が前途を絶たれようとしており、県立大野病院の産科も閉鎖されたままになっている
のかと。
裁判を傍聴した先生のblogはこちら。
紫色の顔の友達を助けたい 東京女子医大、警察、検察、マスメディアの失当
http://kazu-dai.cocolog-nifty.com/blog/
第一回公判の速報。被告の名前の部分は伏せ字にした。
2007年1月26日 (金) 速報 大野病院初公判傍聴記(執筆中-内容追加予定)13.4倍の傍聴券を当然のように引き当てて傍聴してきました。
検察官と弁護団のやり取りは、ライブでしかわからない凄い迫力で、法廷内は騒然。この裁判が国民に注目されていることが意識されているのでしょう。
私にしかできない報告書を書く予定です。
とりあえず、ブログに章立てをしました。
あとでしっかり書き直します。楽しみにしていてください。「証拠隠しの検察官―専門家と国民の注目を無視」
1. 傍聴の決意
2. 349分の26の傍聴券とロシアンルーレット
3. モナリザのファイルシートとPC抽選
4. 開廷直前の動いたら負け
5. 涙でかすむ立ち姿―人定質問
6. いきなり臍帯を「ジンタイ」と読んだ起訴事実
7. 検察官の腕まくりパフォーマンス―冒頭陳述
8. モナリザの微笑み
9. 合法だが卑怯な証拠隠し
10. 国民的注目を無視
11. 遺族の心情
12. K先生と弁護団の昼休み
13. 一点の医学的疑問
14. 福島駅行き女性タクシー運転手は全前置胎盤分娩経験者
この福島県立大野病院裁判については、多くの医療関係者がblogで言及しているので、わたしのような素人が贅言を費やす必要はないのだが、第一回公判ということで、記事を書くことにした。
以後は、裁判報道と上記blogのような医療従事者の観点からの分析を追っていきたいと考えている。
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コメント
こ、これは酷い。
NHKと言えども、マスコミは信用はしていませんが。
他の新聞なんかで、医療過誤ってタイトルをつけているのが、ましに見えてきますね。
投稿: Dr. I | 2007-01-27 02:32
へその緒がわからん奴が産科医を裁くわけね…。orz
投稿: BUNTEN | 2007-01-27 07:04
同僚なら酷い。が、これは検察サイドの作話の可能性もあるか。話の前後なしでいいなら、なんだって誤解させられますもの。レベルの低い国営放送である。
投稿: 雪の夜道 | 2007-01-27 10:34
ジンタイって・・・
orz
この検察官の実名マダー チンチン
って感じです
ゆとり教育世代の検察官でしょうか?
投稿: リーマン | 2007-01-27 10:57
靭帯で母子が繋がっていると思っている馬鹿検察に起訴されるのかよ。産科などさっさと辞めて逃散するに限る。馬鹿らしくて産科なんかやっていられないな。
投稿: 1医師 | 2007-01-27 23:06
毎日の記事もちょっと首を捻りたくなる記述があります。
http://www.mainichi-msn.co.jp/science/medical/news/20070126dde041040031000c.html
> 一方、被害者の父親は「事前に生命の危険がある手術だという説明がなかった」と
>振り返る。危篤状態の時も「被告は冷静で、精いっぱいのことをしてくれたようには
>見えなかった」と話す。
…。
投稿: きぐつ | 2007-01-28 03:33