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2007-03-20

「大淀病院産婦死亡事例」報道などにより毎日新聞大阪本社医療問題取材班が毎日元社長を記念した財団法人から第14回坂田記念ジャーナリズム賞受賞@3/15

毎日新聞大阪本社内に
 坂田記念ジャーナリズム振興財団
220.18.139.141
というのが置かれている。ここは
 1990年に亡くなった坂田勝郎毎日新聞元社長
を記念して、
 関西を拠点にした優れた報道活動に「坂田記念ジャーナリズム振興賞」を与えている
財団法人である。
http://ja.wikipedia.org/wiki/坂田記念ジャーナリズム賞

で、今年の第14回坂田記念ジャーナリズム賞の
 スクープ・企画部門 新聞の部
では、
 毎日新聞大阪本社医療問題取材班の「奈良県の妊婦死亡をはじめとする医療体制の不備を問うスクープとキャンペーン
が受賞した。はっきり言って
 お手盛り受賞
という奴だ。

何度も言うが
 非常にまれで不幸な事例
を第一報では
 あたかも「病院の医療ミス」
であるかのようにセンセーショナルに報じ、それが全国のメディアに飛び火して
 一方的な大淀病院の一人産科医長バッシング報道
を巻き起こし、結果として
 大淀病院の産科がこの3月で休止するに至った
のが、
 大淀病院産婦死亡事例
だ。30年の長きにわたり、一人で地域医療を背負い、たくさんの赤ちゃんを取り上げてきた一人医長の先生は、4月からは婦人科の診療を続ける。あれだけの報道被害に遭いながら、まだ地域医療のために前線に踏みとどまるのである。なかなかできることではない。
スクープを飛ばしたのは、奈良支局の青木絵美記者(現在大阪支局に異動 産休中)であり、その報道に追随して大阪本社も数々の
 病院や医師の責任を一方的に責め立てる記事
を掲載した。
その余波は、現在
 近畿圏の産科ドミノ倒しを引き起こしつつある
のだ。
大淀病院産婦死亡事例で
 脳内出血に関する「奈良妊婦死亡:搬送先探し、診断不正確で遅れか」という憶測記事
を書き飛ばしたのが
 大阪科学環境部の根本毅記者
だった。詳しい話はこのあたりに。
 2006-10-20 「マスコミたらい回し」とは? (その9) 今度は大阪府立母子保健総合医療センター産科部長が「搬送拒否」のいい訳か? 「脳内出血と分かっていれば」と大淀病院を非難
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2006/10/9_dc74.html

要するに
 書き得
とばかりに、十分な医学的知識による検証もしないままに、記事を書き飛ばし、奈良県南部の産科を崩壊に導き、かつその余波で近畿圏の妊産婦が「お産難民」になる「産科ドミノ倒し」を推進したのが
 毎日新聞大阪本社医療問題取材班の「奈良県の妊婦死亡」報道
なのだ。
その後、毎日新聞が、自分たちの飛ばし記事で、お産難民になった善良な市民になにか有効な対策を打ったか、というと、
 奈良県のNICU増床は、後方病床が当初計画の1/3に削減される
という惨状を招いただけだった。絵を描くだけなら、誰でもできる。しかも、この件については、毎日新聞奈良支局は、つい最近まで
 知らぬふり
を続けていたのだ。
 毎日新聞奈良支局の尻ぬぐい
は他紙がしてくれた。読売奈良版2/23付より。


周産期センター縮小

 2008年1月に橿原市の県立医科大付属病院内に新設される総合周産期母子医療センターを巡り、県は設置場所を確保できないことを理由に新生児集中治療管理室(NICU)用の後方病床数を当初の発表よりも20床少ない10床に大幅縮小することが、わかった。県側は「当初は整備できると思っていた」と釈明するが、縮小した病床の補充時期は未定で、県の計画の不備に対し、医療関係者からは早急な整備を求める声があがっている。

 同病院には現在、NICUは21床があるが、満床が常態化。また、NICUから出られるまでに回復した新生児が移る「後方病床」は未整備だった。新生児が回復しても、NICUを使用することがあり、新たな新生児を受け入れにくい状態になっていた。

 これを受け、県は新年度予算で、妊婦に対して高度な医療を提供する同センターを新設するため、改修工事費や医療機器などに約3億2800万円を計上。昨年11月、県はNICUへの負担を減らすために、県内の産科医らでつくる「県周産期医療対策ワーキンググループ」の提言を受け、後方病床を30床新設すると発表していた。

 しかし、センターの基本設計を進める中で、同病院の4階に30床もの設置場所がなく、計画の実現には稼働中のNICUの機能を一時停止し、仮移転工事が必要になることが判明。工事を行えば、新生児の受け入れ制限が避けられず、県は縮小を決定した。

 県医大・病院課は「センターの開設後でも、後方病床を30床にできるだけ近づけ、妊婦の県外搬送をゼロにしていきたい」と説明。昨年8月に大淀町立大淀病院で妊婦が転院を相次いで断られて死亡した問題などを受けて同センターの整備を急ぐ声が高まっており、医療関係者の1人は「20床も縮小されるのは残念。同センターの実効性が失われないように、早急に増床してほしい」と訴えていた。

(2007年2月23日 読売新聞)

朝日は3/7付の奈良版で、引退が決まっている柿本知事の県政に関する連載で、この問題を大きく扱った。


医師・病床確保 霧の中/周産期医療
2007年03月07日

  ○15年の歩み 柿本県政の宿題5○

   ◆「悲劇」受け駆け足 計画すぐ頓挫

 「前倒しはできないか」。昨年10月末、柿本善也知事は県幹部らに打診した。

 その数日後、知事は定例会見で母子の高度治療ができる「総合周産期母子医療センター」を、07年度早期に県立医大付属病院(橿原市)に開設する意向を表明した。県は、同センター未整備8県のうちの一つで、厚生労働省から08年3月までに整備するよう求められていた。「悲劇」がなければ、それまでに整備する心づもりだった。

 知事発言の3カ月近く前、大淀町の町立大淀病院で分娩(ぶんべん)中に重体となった妊婦(当時32)が大阪、奈良両府県の19病院に満床を理由に受け入れを断られていた。意識を失って約6時間後にようやく大阪府吹田市の国立循環器病センターに搬送されたが、出産後に脳内出血で死亡した。夫は「悲劇は妻の命で最後にして欲しい」と訴えた。
 この問題は、地方の危機的なお産事情の象徴として国会で取り上げられた。

 厚労省のセンター化基準は、母子に高度な医療を同時に提供できる母体・胎児集中治療管理室(MFICU)が6床以上、低体重や障害がある赤ちゃんを診る新生児集中治療室(NICU)が9床以上。県はNICUの基準は満たすが、MFICUは県立医大3と県立奈良病院1の計4床しかなく、出産時に異常が認められた妊婦の搬送先は大阪府の病院に頼らざるを得ない状況だった。

   ◎スペース不足

 知事会見と前後して、県医大・病院課と県立医大病院との間でセンター化に向けた本格的な検討が始まった。12月補正予算案に事業費を盛り込む期限まで、日ほどしかなかった。

 県は、県立医大のMFICUを6床に増床してセンター化基準を満たす一方、回復した新生児が移るNICUの後方病床30床も新たにつくる計画を立て、補正予算案に1200万円の基本・実施設計費を計上した。だが、NICUの増床計画はすぐに頓挫する。

 県立医大のNICUは4階の一室に21床ある。後方30床は隣室との壁を壊し、部屋を広げて設置する予定だった。その工事期間中、別棟の集中治療室(ICU)の仕切りを取り外してスペースを確保、既存の床を緊急避難させる方針を立てた。だが、21床用の酸素吸入用配管の敷設など細かくシミュレーションしてみると、ICUでは設備が入りきらないことが分かった。

 結局、十分なスペースを確保できず、後方30床を10床に削減した。県医大・病院課は「自分たちは設計の専門家ではないので、予想外のことが起きた。いつかは残り20床も整備したい」と釈明するが、その見通しはたっていない。

   ◎1床増の重み

 県立医大のNICUを担当する小児科医は非常勤と常勤が4人ずつ、看護師は42人。小児科医の当直は月に3〜6回、看護師の夜勤は9回あるという。

 仮に30床増やすと、小児科医3人、看護師40人が新たに必要となる。今回実現する10床でも、それぞれ1人と14人を増やさなくてはならない

 厚労省が05年に実施した、公立・民間医療機関の看護師の需給見通し調査で、県は06年に650人の不足が予測される結果に。今春採用する県立4病院の看護師と助産師の内定者は募集定員の7割ほどだ。

 小児科医数はほぼ横ばいだが、NICUに必要な医療技術を身につけた医師は少ない。県立医大でも非常勤の応援医師を得てNICUを切り盛りしているのが現状で、20年前から県に人員の拡充を求めてきた。だが、県医大・病院課は「医師の人間関係は出身大学のつながりなどがあり複雑。確保は病院にしてもらわないと」と突き放す

 県立医大の小児科医は言った。「機械と違って人は急に増やせない。県には1床を増やす重みを理解してほしい」(おわり)
(この連載は八田智代、石田貴子、棟形祐水、井潟克弘、西堀岳路が担当しました)

とまあ、他紙に比べてお粗末な対応になっている上に、毎日新聞奈良支局がこの件について報道したのは
 お友達の民医連系集会
についてである。それも大きく遅れて3/13付だ。


総合周産期母子医療センター:改修でなく新施設を 建設を求める会、県に提案 /奈良

 県立医大付属病院(橿原市)に計画されている総合周産期母子医療センターのNICU(新生児集中治療管理室)の後方病床縮小問題で、「県に小児・母子保健センターの建設を求める会」(井戸芳樹会長)は県に対し、「改修ではなく新施設の建設を」とする提案をした。また、ドクターカーの配置、医師・看護師の過剰負担にならない労働環境の整備も合わせて要望した。
 後方病床は当初、30床増設が検討されていたが、その後、10床増設に縮小された経緯がある。提案の中で、同会は「07年度中にセンターを整備するという時間的な制約は理解できるが、このまま30床増設計画がうやむやになる恐れがある。隣接地にセンターを独立して建設する発想でないと、実現困難ではないか」としている。【松本博子】
毎日新聞 2007年3月13日

この
 「県に小児・母子保健センターの建設を求める会」(井戸芳樹会長)
の会長の井戸芳樹医師が、
 民医連系の病院 おかたに病院院長
であることは以前にも指摘した。以下その部分だけ引用。


しかし、井戸芳樹会長って、ちゃんと
 おかたに病院院長
http://www.okatani.or.jp/hospital/html/management.htm
って肩書きがあるのに、なんで医師であることがわからない書き方するのかね。
おかたに病院は、この集会が共産党主導のものであることからわかるように
 民医連系
である。

で、やっと今日になってこんな腰の引けた記事が毎日新聞奈良版に載った。


未来を託す:秒読みの’07知事選/4 周産期医療 /奈良

 ◇環境整備、待った無し−−勤務医の自己犠牲の上に成立
 昨年11月の昼下がり。県北部の産婦人科医院に、強い腹痛を訴え、顔面そう白の妊婦が来院した。産科医が最も恐れる症状の一つ、胎盤早期はく離だった。原因不明で、出産前に胎盤がはがれ、胎児への酸素が止まる。胎児は既に死亡。胎内の出血が妊婦の命も脅かしていた。
 男性担当医は、橿原市の県立医大病院に転送を頼んだ。しかし満床で、同病院が代わりに探した天理よろづ相談所病院が引き受ける。緊急手術。母体は無事だった。「あと1時間遅ければ母親も危なかった。あまり受け入れ例のない民間病院が、県内で収容してくれたのが救いだった」と担当医は振り返る。だが、同年8月の大淀町立大淀病院の妊婦死亡問題がなければ、救えなかった命かもしれない。
  ×  ×
 大淀病院の問題以前、県は財政難などを理由に、母子の命にかかわる環境整備を先送りしてきた。全国で8県だけが未整備の総合周産期母子医療センターは具体的計画さえなく、県内40床の新生児集中治療室(NICU)数は、県の周産期医療対策ワーキンググループに「全国ワースト1」と指摘されていたほどだ。
 貧弱な体制から、県内での重症妊婦の搬送先は県立医大、県立奈良(奈良市)の2病院にほぼ限られていた。4割近くは、遠距離をおして県外へ搬送。県医師会産婦人科医会が、わずかでも可能性がある天理よろづと近大付属奈良(生駒市)の民間有力2病院に受け入れ要請すると申し合わせたのは、問題発生の翌9月。県も10月30日、両病院に協力強化を依頼したばかりだった。
 「大淀問題」以降、県は県立医大病院にNICU30床を増床し、総合周産期母子医療センターとして08年1月に開設すると表明した。大阪府に対し、府内43病院の空床状況をオンラインで確認できる「産婦人科診療相互援助システム」への接続も求めた。民間病院の協力も含め一定の動きがあった。
 だが経過は順調とは言い難い。センター化に伴うNICU増床は、工事中に現在のNICUを移す場所が確保できず、県は10床増へ計画を縮小した。大阪とのシステム接続も、府側は毎日新聞の取材に「加盟病院以外は府内の病院でも見られない。奈良県の接続は困難」と答えている。
  ×  ×
 「この1年、何回家に帰れただろうか」。天理市立病院では、唯一の常勤医、飯岡秀晃・産婦人科医長(50)が基本的に週7日当直をこなす。3人いた常勤医のうち、1人が05年末に退職。勤務が過酷になり、もう1人も06年3月に去った。現在は週2日、60代の非常勤医の応援があるが、当直はほとんど頼まない。約10年前、別の年配の非常勤医が、当直明けに倒れたことが、脳裏を離れないからだ。
 県内の産科医は96年の102人から04年は94人に減った。06年の県立五條病院、済生会御所病院に続き、今年4月には大淀病院も産科を休診し、県南部(五條市、吉野郡)で分べん施設がなくなる。不規則な勤務や高い訴訟リスクを背景に、代わりが見つからない。
 思うように進まない環境整備、そして産科医不足。飯岡医長が多くの産科医の言葉を代弁する。「現場は私たち勤務医らの自己犠牲の上に、どうにか成立しているんです」(つづく)
==============
 ◇大淀病院の妊婦死亡問題
 昨年8月8日、五條市の高崎実香さん(32)が大淀病院で分べん中に意識不明に陥った。県立医大病院、県立奈良病院の他、大阪府内の17病院でも受け入れが不能とされた。約6時間後、国立循環器病センター(大阪府吹田市)に収容され男児を出産したが、高崎さんは8日後に亡くなった。県内のNICUなど専門病床の不足や搬送システムの不備、さらには大阪府でも重症妊婦の受け入れが難しい現実を浮き彫りにした。
毎日新聞 2007年3月20日

ほお、
 大淀問題
ですか、毎日新聞奈良支局。で、あたかも他人事のように
 今年4月には大淀病院も産科を休診
って何? 大淀病院の産科閉鎖は、いったい誰が引き起こしたんですか?
いや〜、毎日新聞って、いい会社ですね。
 誰も自分たちの書いたことに責任を取らない

 平気で賞を受ける
んだもの。

というわけで、
 お産難民として苦しんでいる近畿圏の妊産婦とご家族の皆様
には、
 毎日新聞の不買を推奨
いたします。
 

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