2007年春の医療崩壊始まる (その2) 国立循環器病センターのICU専属医師たちの心を折ったのは誰だ?
今回の国循のICU専属医師5人退職事件を、ある人は
目の前で、NYの世界貿易センター(WTC)が崩壊していくのを見ていたときと同じくらいの衝撃だ
と言った。医療従事者に与えた衝撃は大きい。
メディアは、なぜか食い付きが悪い。何か裏でもあるのだろうか。
まずは共同配信の記事から。
ここに
5人が辞めても、問題ない
と言い放つ庶務課長が実名で登場する。
ICUの医師集団で退職 国立循環器病センター大阪府吹田市の国立循環器病センターで、集中治療室(ICU)の専属医師7人のうち5人が3月末に退職することが1日、分かった。
センターによると、ICUは20床。心臓移植など心臓血管外科手術を受けた患者の術後管理などを担当している。4月以降は専属医師を補充せず、執刀した外科チームが術後管理も担当するなどして対応する。センターは退職の理由を明らかにしていない。
佃龍庶務課長は「診療機能の低下はなく、患者への影響はない」と話している。
センターによると、所属長の医長を含む30−40代の男女5人が退職を表明。センター側は慰留を続けたが意志が固く受け入れたという。
国立循環器病センターは1977年に設立。心臓移植など循環器病治療の先進病院で、ICUでは重篤な患者を年間1000人以上受け入れている。
(共同)
(2007年03月01日 13時22分)
ほお、庶務課長、大きく出ましたね。こんな発言が取り上げられて
後任人事がスムーズに進む
とは思えませんがね。それとも庶務課長は
庶務課長の方がICUの医師より有能だ
と自負なさっているのでしょうか。医療の現場が荒廃する理由が見えてきますね。
朝日はなぜか関西版でしか取り上げていない。
心臓血管外科のICU医師一斉退職へ 循環器病センター
2007年03月01日国内で実施される心臓移植の半数を手がけている国立循環器病センター(大阪府吹田市)の心臓血管外科の集中治療科(ICU)の専属医師7人のうち5人が、今月末で一斉退職することが分かった。患者との意思疎通が少ない閉鎖空間での激務が医師を疲弊させたとの見方もある。同センターは今後、外科医を勤務に組み込むなど態勢を変更し、患者の受け入れに影響が出ないようにするという。
同センターによると、昨春、40代の医長から「幅広い診療のできる施設に移りたい」などと辞職の申し出があり、慰留していた。しかし意思は固く、指導を受ける40代と30代の4人も相次いで辞職を申し出た。5人とも別々の医療機関に移るという。
同センターは心臓や血管、脳など循環器病治療では国内を代表する施設。心臓血管外科のICUは20床あり、年間1100以上の手術後の重症患者を受け入れ、24時間態勢で管理している。
ほとんどの病院は、執刀した外科医が集中治療にも携わるシステムになっているが、同センターはICUの専属医師を特化し、養成に力を入れている。
八木原俊克副院長は「高度な知識と技術が必要だが、一定の空間の中で閉塞(へいそく)感が漂う勤務でもある。激務だし精神面の負担は確かに大きい」と説明する。
循環器病センターで研修医時代を過ごした心臓外科医は「ICUで苦労するということは、『外科医の手術の不手際を手当てしている』ともいえ、典型的な『縁の下の力持ち』だ」と振り返る。日本集中治療医学会の平沢博之理事長は「学会として重大な関心をもっている。どういう事情があったのか、できるだけ早く把握していきたい」と話している。
どうもICUの人員管理に無理があったのでしょうね。5人だけじゃなくてあと2人いるようですが、それにしても7人で365日、年間1100人の超急性期の重症患者を24時間20床抱えて回してたんだったら、何かあれば、破綻するに決まっている。昨春、いったい、国循で何があったのやら。
ともあれ、
高度な医療技術者をないがしろにする庶務課長がいる、名声だけは高くても、給料は激安の国立病院
に
今後、奴隷のようなICU専属医師希望者が出るかどうか疑問
ですね。
高度医療が身近に学べる
というだけでは、もう人は集まらなくなっている。
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