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2007-03-10

2007年春の医療崩壊始まる (その3) 国立循環器病センターのICU専属医師たちに続き、手術担当の心臓血管外科のベテラン医師2人も3月末退職予定→国循の脳外科の看護師さんが過労死していた件

ICU専属医師5人が一斉退職予定で
 ICU管理ができなくなるのではないか
と危ぶまれていた国立循環器病センター。事務方は
 執刀グループに術後管理を回すから大丈夫
と、普通に考えて無理なことを言っていたのだが、案の定
 執刀グループの40代のベテラン医師2人も3月末で退職予定
という。これは
 国循の心臓外科に赤ランプ
じゃないのか?というか
 手術もできなくなるor件数が著しく減る可能性大
だと思いますが。

産経より。


一斉退職カバー予定の医師2人も退職 国循センターICU

 国立循環器病センター(大阪府吹田市)の外科系集中治療科(ICU)の5人の専門医全員が3月末で一斉に退職する問題で、4月以降ICUをカバーすることになっていた心臓血管外科からも40代のベテラン外科医2人が3月末で退職することが9日、分かった。

 同センターの心臓血管外科は、虚血性心疾患や弁膜症、不整脈疾患の外科治療のほか、慢性心不全患者に対する補助人工心臓の装着や心臓移植などを担当する。循環器病治療の国内最高峰である同センターは、国内で実施された41例の心臓移植のうち半数の21例を手がけている。

 退職する2人の医師は執刀を含め、そうした治療の中心的役割を果たしていた。

 ICU専門医の一斉退職にともない、同センターは外科とICUの分業態勢の見直しを検討。4月以降は、術後患者の管理・集中治療も執刀した外科チームが継続して行うとし、心臓血管外科にはこれまで以上の治療内容と責任を担わせる計画だった。

 同センターは「2人に代わる新しい医師を採用するため努力している。4月には補完し、患者に迷惑がかからないようにしたい」としている。

(2007/03/10 08:06)

え〜
 国循の心臓血管外科40代ベテラン医師に代わる新しい医師

 そうそう簡単に見つかる
とは誰も思っていないんですが。そうした暢気なコメントをしてていいのか、病院当局。てか、これはいかにも
 国立病院事務的発想
じゃないの?

まあ、何があったか知りませんが
 高度な医療技術者の技術に見合わない安い給料・苛酷な勤務で買いたたいていた
のが、現場の不満を産んでるんじゃないのかな。事務や看護師さんなどは公務員給与体系からいくと
 勤続年数が長いから、医師より高給与
だったりしませんか、国循。
 執刀する先生より、9時5時で帰る事務の方が高給
(追記 3/11 9:00 国循では以前若い看護師さんが過労死されています。一部記述を削除します。コメディカルの方達をおとしめる意図はありませんでしたが、不快に思われた方にお詫びします)
とか、そういう給与体系になっていませんか? そんな事務に
 ICU管理の先生が減ったから、執刀チームがなんとかしろ
なんて言われて、誰が
 わかりました。ベストを尽くします
なんて答えるかしらね?

患者さんにははなはだ気の毒なのだが、いくら
 日本のナショナルセンター
だろうとも、
 肝心の医師の待遇が悪ければ、医師たちが医療行為を続けられなくなる
のが現状だ。
 お医者さんだって人間
である。
 正当な評価を受けられず、経済的にもそれほど恵まれず、家庭を顧みる時間も削られている
とすれば、ある日
 正当な評価をしてくれ、経済的にも潤い、家族と過ごす時間を得られる職場
に移っていくだろう。

結局
 国の最高水準の循環器センター
とぶちあげたところで、実際は
 名誉しか裏書きがなかった
ってことで、これだけ医療環境が激変している現在
 名誉だけで医師は生きていけない
だろう。
 国循の看板に釣られて、奴隷のように働いてくれる医師
がいなくなっただけの話なのだ。これまでが
 労働条件としては異常
だったのだ、ということを国循当局と厚労省はよく考えていただきたい。

おまけ(10:00)。
蠅太郎画伯の作品。(画面をクリックすると進みます)
 国立循環器センターでICU担当医が一斉退職.親亀こけたら・・・(New! 平成19年3月5日 作)←日付に注目
http://haetarou.web.fc2.com/Kokujun/Koku1.html

続き。(3/11 9:00)
コメントをいただいたので、
 国循で起きた看護師さんの過労死が認められてない件
について。

これは脳外科に勤務されていた25歳の若い看護師さんのことだ。2001年にくも膜下出血で亡くなった。合掌。
詳しいことは、
 残業月80時間 国立循環器センターで25歳看護師が過労死 看護師・村上優子さんの過労死認定・裁判を支援する会
http://www.pure.ne.jp/~umasuhe/index.html
をお読みいただきたい。

苛酷な勤務を強いられる医療従事者の平均寿命については、不明にして統計があるかどうか知らないのだが、
 ある時期までは非常に不規則な生活(忙しいときは残業100-200時間は当たり前)+転勤があるマスコミ
では、NHKの労組日放労が統計を取っているそうだ。はっきりした数字は聞き漏らしたが
 記者で60歳より若く、PDで記者よりちょっと長いが60歳より若い
という統計が何年か前に出たという。神経をすり減らす長時間労働と不規則な生活は、確実に命を縮める。
この話を聞いたときは
 前より平均寿命が短くなった
ということだった。その後延びたんでしょうかね?NHK。

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コメント

私は看護師ではありませんが、
過労死するほど一生懸命働いている看護師が国循にいたのは事実のようですから、ガーゼ替えてる看護師、とか、コメディカルの業務を矮小化するようなことは言わないほうがいいのでは?
(自分の極く近しい人が国立病院機構の看護師で…という風に事情をよくご存じの上でおっしゃっているのなら申し訳ありません)

ここでコメディカルを挑発しても
devide and ruleする側が笑うだけです。

投稿: 老婆心ながら | 2007-03-11 07:48

老婆心ながらさん、コメントありがとうございました。
該当の記述は削除しました。
念頭にあったのは知人の某旧帝大学病院の総師長さん(すでに引退)でした。
不快に思われた方には改めてお詫びいたします。申し訳ありませんでした。

投稿: iori3 | 2007-03-11 09:42

国立病院機構の事務員が9to5というのは失礼ですよ。

彼らはちゃんと医師にも理解できないような事務による事務のための事務仕事で
時間外をフルに付けています。

時間外勝手に削られたり、管理職だからといって時間外が付かない医師とは
大違いです。

投稿: ssd | 2007-03-13 11:46

>事務や看護師さんなどは公務員給与体系からいくと
>勤続年数が長いから、医師より高給与
>9時から5時で帰る事務の方が高級

自分は市中病院で事務男していますが、幾らなんでもこの文章があてはまる病院はそう無いと思いますが(大学病院だと有り得る?)

うちの病院では、初期研修を終えて、後期で採用になった3年目医師の場合。月給と賞与で900万はいきます。これに当直、時間外を含めれば1000万は超えると思います。
逆に事務では、定年前の課長クラスで多くても800万ぐらいですし、勿論時間外なんてありません。事務・看護師・医療技術者で1000万オーバーは精々その病院で1人しか居ない部長クラスでしか有り得ないと思います。
退職金は確かに勤続年数が長いから多くなるとは思いますが・・

確かに国循の課長の発言は、医師のことも省みない病院の職員としては有り得ない発言だと私も思いますが、その発言だけで病院で働いている事務員全体を陥れるような発言はして欲しくないです。

あと勤務時間が9時~5時で帰れるのは、外来の窓口などの派遣の方々だけですよ・・。他の部署は人員削減、派遣化で人が居なくて超過勤務が当たり前で残業手当も何時間までって決まってますし・・
中には9時~5時何て所もあるんでしょうかね、うちの場合診療時間は8時30分からですが

医師だけでなくて、公務員ほど叩き易い職は無いんでしょうね。それこそマスコミやこういった極一部の発言だけで、公務員全体を叩いて、公務員でも医師と同じように、才能の有る若くて出来る人が燃え尽きて逃散して、公務員も医師と同じように有能な人が後から次々と沸いてくるんでしょうか、最後は多分ゴマすりしか出来ない無能者しか残らない環境。まぁそうなったら本当に国の終わりだと思いますけどね。

長文失礼しました。

投稿: becke | 2007-03-14 19:26

私は奈良の大学病院に働く9年目の医師ですが非常勤扱いで当直料こみで月給35万円の12倍=420万円しかもらえてません。また、国循でも働いてましたが、スタッフの給料は月給55万円前後です。看護師の方が給料がいいなんてよくある話ですよ。市中病院勤務のbeckeさんは恵まれていると思います。仕方なく夜、週末はバイトに回して休み無く結局働くことになります。
あとうちの大学では助手でも年収750万です。

投稿: あてはまるよ | 2007-08-31 16:22

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